体重移動で二軸が崩壊する説明

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二軸並進の崩壊プロセス

踏み込み時に重心が前方に流れすぎると、つまり、股関節や膝が曲がりすぎると、そのエネルギーは並進ではなく「上半身の前傾(倒れ込み)」という垂直(無駄)な回転力に消費されます。

次が二軸崩壊の核。

 肩甲骨が後ろに脱落したまま体幹を突っ込ませると、腕は物理的に身体の後方に取り残されます。

この状態でパンチを前に持ってくるには、肩の回旋(円運動)を大きく使わざるを得ません。二軸並進運動は完全に崩壊します。

体重移動打法は下の黄色矢印の一軸回転になります。

1.戦っていると毎回距離が近くなる
2.激しくなる程にその傾向が増す
と感じているボクサーは多いんじゃないかと思います。二軸になっていないことがその原因の一つだと考えられます。

また、この傾向は、
二軸の崩壊⇒パンチ力の低下⇒抑止力の低下⇒さらなる打ち合い泥仕合
の論理的な推移関係を想像させます。

体重移動は苦肉の策

一般的には「体重移動を大きくすれば強いパンチが打てる」と信じられていますが、それは「肩甲骨のロックが弱く、エネルギーを効率よく伝えられない人」の苦肉の策に過ぎません。

肩甲骨ロックとそれに伴う二軸が実現できるなら、最小限の体重移動で最大出力の並進が可能になります。

結論。
「動いている距離」が「加速している距離」ではなく、「肩甲骨がロックされ、大胸筋に張力が充填されている数cm」のみが、真に物体を加速させている、とボクシング村の常識を書き換える必要がある。

以下はよもやま話。

トップダウン思考(志向)の罠

体重移動打法は、現象や技術の細部を無視した、「結論」ありきのトップダウン思考の産物です。

これは体重移動論に留まらず、日本あらゆる場所を矛盾(非効率)で埋め尽くして腐敗させていると考えています。
※ボトムアップは細部から全体を構成する

物理的に
$W = F \cdot s$(仕事 = 力 × 距離)
つまり、体重移動の距離($s$)を伸ばせば、理論上の仕事量($W$)は増えます。

 筋力や深層筋の連動性が未発達な子供や初心者にとって、移動距離を稼ぐことは、不足している「力$F$」を「距離$s$」で補う唯一と言っていい手段です。

そして、この成長の初期段階だけに成立するの成功体験は、「距離を伸ばせば、最終的な速度(パンチ力)も上がる」という誤った信念を形成させると考えられます。

体重移動を大きくすると、移動にかける「時間($t$)」が増大します。物理的には出力されるエネルギーは大きくなります。

しかしパンチ力は、「仕事量」ではなく「パワー」で語られるべきです。

パワーPは$P = W / t$ です。
単位時間当たりの仕事量。

距離を稼ぐために時間をかけすぎると、「単位時間あたりのエネルギー変換効率(パワー)」は低下します。、つまり体重移動はパンチ力は低下してしまうのです。

直感的に言えば、手打ちパンチはムチなどのパルス(衝撃波)、体重移動は体当たりや押し込みです。

初期の誤った現実の理解に伴う、非効率な信念の獲得は、自分の信念が毒になるという意味で、僕が「信念の自家中毒」と呼んでいる状態です。

一般的な体重移動論は「低出力な個体が、物理的に時間をかけて帳尻を合わせるための生存戦略」、すなわち苦肉の策です。弱者の論理です。

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