跳ねるな、滑れ バックステップについて

選手分析

YouTubeでドミトリー・ビボル選手について解説してほしいというリクエストがありました。
ビボル選手の特徴はスピード、特に前後のステップとハンドスピードですね。

それではビボル選手の動き、今回は特徴でもあるフットワークに注目します。

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滑るフットワーク

本題に入る前に少しだけビボル選手の特徴について。
ビボル選手は奥足が母指球荷重になる時間が長いです。

細かい前後のリズム

これは細かい前後の重心移動が起因していると思います。

重心移動が細かくて速い場合は踵を地面へ着ける時間がないのでこんな風になります。

上の動画を見てもらえれば分かりますが、かなり細かく前後に体重移動しています。

攻防のリズムが上がると母指球に乗ります。

ロシア式打法

パンチはロシア式で、手からいって押し込む感じの打ち方ですね。
コンスタンチン・チュー、セルゲイ・ゴバレフ選手、アルツール・ベテルビエフ選手が好例ですが、始動時間が短く回転力があるのが特徴です。

ロシア式は打法は左右の股関節を使った二軸です。

二軸ボクシングはキューバやロシアでよく見られます。
多分確立されたやりかたじゃないかと思います。

相手と体を入れ替えるチェックフックの場面です。

左の股関節へ荷重し力を溜めます。

左の股関節を閉じて右股関節を軸とした左フック。
二軸で身体を使うと左右の股関節の距離を使うことができます。

頭の位置が大きく変わるので距離を取りながらパンチが打てます。

ロシア式の打法はヒップターンをあまり強く意識しない打法だと思います。
なので、身体を大きく使う左のロングフックなんが苦手なイメージがあります。
逆にストレート系は速くて強烈です。
比較として僕が上げているメキシコ式はヒップターンが強いのでロングフックを多用しますね。

今回はパンチの打法についての話ではないので割愛し本題へ移ります。

重心移動と姿勢反射

姿勢反射とはバランスを保持しようとする人間の本能のことです。
倒れそうになると防衛本能が勝手に手足の配置を調整してバランスを安定させようとします。
意識的にはできない脊椎反射により行われるので高速です。

ビボル選手のバックステップを見ていきます。

ビボル選手が相手の攻撃を察知した場面です。

左の股関節を伸ばして上半身を後ろに傾けて、股関節の奥行きでディフェンスしています。

相手がさらに踏み込んでくると、左足で地面を押して倒れるようにしてその場を離れます。

後ろに倒れるようなバックステップです。

バランスが崩れると同時に地面を押した足を骨盤側へ引き寄せて(姿勢反射)バランスを安定させます。

傾いた身体が直立し安定。
同時にスタンスを広げて接地。

流れとしては

1.上半身を引く
2.地面を押す
3.足をひきつける

足からではなく、重心から先に後ろへ動かします。

原理のイメージが湧けばいいんですが…
もう少し続けます。

メイウェザー選手が分かりやすいと思います。

左の股関節を伸ばして相手のパンチを躱し、バランスが崩れます。

姿勢反射が起こりバランスを保持するために下半身と上半身が重心側に引き付けられて回転します。

直立して着地。

重心移動が先行して下半身の動きがついてくる倒立振り子のようなバックステップです。

重心移動が先行するのはディフェンスだけではありません。

攻撃と防御において一流選手には頻繁に見られます。

「蹴って動く」という風に僕は教えられました。
ピョンと跳ぶイメージですね。
これでできる人もいると思うので間違っているとは言いません。
しかし蹴って動くイメージは膝を曲げる予備動作が必要になり、ディフェンスが間に合いません。

すこし分かりにくいですが、原理としてはこの倒立振り子と同じです。
重心の動きに合わせて足元が振られているのが分かると思います。
攻防においてこの原理で動けることが大切です。

一流選手の移動を見てみてください。
重心移動が先行し、それに合わせて姿勢反射が起こります。
イメージができれば難しくはないと思います。

以下はリゴンドー選手です。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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