クロフォードの立ち方は、彼のディフェンスの構成要素です。
彼のようなディフェンス、カウンターの為には彼のように立つ必要があります。

股関節の内旋と内転が利いてバシッと伸びた脚。
特にサウスポーであるなら、クロフォードのようなスタンスは、相手がオーソドックスである場合はその進行方向を遮ってしまいますので、立ち方そのものが相手のミスの確率を高めるディフェンスとして機能します。
ギレルモ・リゴンドー、エリスランディ・ララが典型です。



これは彼が意識的にそうしているからではなく、生来的か後天的な筋力が構造的にそうさせていると考えられます。
このスタンスの作り方は、日本だと国内トップレベルになると現れてきます。
が、街のジムにはほぼいません。少なくとも僕は見たことがありません。います?カネロのように立てる街ボクサー。
「俺とカネロやメイウェザーって立ち方が違うんだようなぁ。真似できないんだよなぁ」
こう感じたことありませんか。
フィジカルが弱いと真似できないんです。
カネロやクロフォードのようなスタンスを作れる人は僕のブログの読者にはほとんどいないと思います。
この立ち方は対面すると「遠ッ」となります。
長岡に教えるのに苦労しました。おかげでこのスタンスを構成する要素が判明しました。
大半のボクサーは膝が構造的に曲がります。無自覚にです。
カネロやメイウェザーのようにバシッと綺麗に立てる人は普通のボクシングジムにはいません。大半は老人のようになりす。



膝を曲げる、 前重心。日本大丈夫?
股関節ロック
クロフォードの立ち方は頸骨で床を踏ませます。

頸骨は足首を形成する部分が衝撃を受け止めるソケット構造になっています。
つまり、前後のステップの床反力が効率よく体を伝達します。
間合いが遠い上に、反発も強いんです。
その強い反発は、速いフットワークと同時に強い手打ちの構成要素でもあります。
股関節の筋力が強いから頸骨で床を踏めます。
頸骨で床を踏めるから力が高速で全身を循環します。
強い手打ちが可能になります。
歩きながら打つ(歩き打ち)するのも股関節の構造を規定する筋肉が需要な説明変数になります。特に実戦においては。
アウトボクシングの上手さもフィジカルが規定するのです。


股関節の強さはボクサーのボクシングシステムの全体の性質を決めてまいます。
例えば、既述のように股関節ロックは強い手打ちを可能にします。そして、それは「手打ち打法」のメカニズムを認知させます。
そして、その認知はトレーニングの考え方や価値観を形成します。
例えばフィジカルが弱く「体重移動」に頼るボクサーは「意識的な体重移動が大切だ」とパンチを解釈するかもしれません。
それは「意識的に頑張ることが大切だ」という価値観を形成させるかもしれません。
その世界観は体の自然な自動制御「フロー」を失わせます。
つまり、ボクサーのボクシングを完全に破壊します。
一方でフィジカルの強いボクサーは、例えばパンチを「スーッと来て、ガーン」で完結させてしまいます。
それは自然体(自動システム)での技術、体の運用を可能にします。
フィジカルの強さは、ボクサーのシステムに再帰的に影響を与えます。
ひと言で言うなら「弱いから弱くなる」「強いから強くなる」「賢いから賢くなる」「愚かだから愚かになる」という残酷な構造があります。



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