緩急
「リズム」と「緩急」の意味を視覚化しました。
緩急は手品のミスディレクションです。もっと容易な言葉で言えば「驚かす」ことです。
緩急の構造
緩急はマイキー・ガルシアやゴロフキンが分かりやすいと思います。
ただし、彼らはそれを「意識」しているわけではないと僕は考えています。つまり勝手にそうなっています。
緩急が利いているとは、
静→動
の速度差が大きいことを意味します。
それは筋腱の収縮ポテンシャルが高いこと、つまりエネルギーの変換効率が高いことを意味します。
「行くぞ」と思ったら一瞬でエネルギーを解放できることが、フェイントとしての「緩急」なわけです。
アスリートは生来的な性質と訓練により、体内のエネルギーを高速で循環させることができます。
緩急の言語化
「ヨーイドン」
シナプスから放出されたアセチルコリンが活動電位を立ち上げ、筋線維を急激に収縮させて関節を高速で回転させます。
そして推進しながら慣性力と重力を取り込んで放出したエネルギーを再利用します。
この効率が高いのがトップアスリートです。
筋腱の流さ、筋繊維の向き、速筋遅筋の割合、ホルモンの分泌量、その受容体の数、果ては運動の認知の方法まで、「緩急」を構成する要素は膨大にあるでしょうが、エネルギーの貯蔵と運搬という意味においては、また、主体的に操作可能な範囲に変数を絞り込む場合は、構造的に腸腰筋、前鋸筋が大きな役割を果たしていると考えられます。
動きを立ち上げる時に筋肉にエネルギーが足りない場合は無駄な予備動作な必要になります。
例えば、大げさに膝を曲げて重力の位置エネルギーを調達する必要があったり。
だから弱いボクサーは膝が曲がっていて、ノロマで予備動作が大きく、動きに緩急がないんです。


緩急の構成要素
静から動への速度差があるとは、予備動作が小さいことを意味します。
予備動作を消すのは大胸筋や上腕三頭筋、ハムケツに予備緊張を与える肩甲骨ロック、股関節ロックを構成する筋肉です。腸腰筋など。
他にも動作中に重心をコントロールしくれる、腰方形筋なども緩急を構成する重要な変数だと考えられます。

股関節内転内旋ロック

脇腹(腰方形筋)の収縮
腸腰筋は股関節の筋腱が位置エネルギーを運動エネルギーへ変換するのを助けます。
つまり、腸腰筋とその周辺の筋肉が強い場合、高速で動作を立ち上げられます。
つまり
静→動
の大きな速度差、「緩急」が構造的に生まれます。
強いから強くなる
緩急はフェイントです。
チェンジアップの後の剛速球、あるいは剛速球の後のチェンジアップ。それらはバッターの認知をハックし、判断を誤らせます。
ボクサーの緩急も同様です。
一流はただ踏み込むだけで大きな速度差を生み出せます。
それは生理的に相手を驚かせて体を硬直させます(防御反射)。
硬直した相手は打ち放題です。
強くいから強くなる自己強化です。

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