成長初期の幻覚:非効率の効率化
現実に仕掛けられた認知の罠の話をします。
これは「大半のボクサーの信念が非合理」であり、「社会に溢れる常識が間違ってる」理由の説明です。
本題へ。
効率の悪い方法であっても、繰り返すことによって「その枠組みの中での効率」を高められます。
例えば「引っ張り打法(体重移動打法)」。
これは意識的に体重移動を起こしてパンチのエネルギーを調達する打法です。
あるレベルまでなら緩慢さというコストをパンチ力(エネルギー量)という利益が上回ると考えられます。
例えば、バッグ打ちしかしない街ボクサーや四回戦、街の喧嘩やスパーリング大会レベルのボクサーの中でなら、それは正当化されます。
収穫逓減法則
収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則とは、生産要素(労働力や資本など)を一定の土地などに投下し続ける際、最初は成果が増えますが、ある一定のラインを超えると追加投入に対する効果(収穫量や利益など)が徐々に減少していく経済学の基本原則です。
Gemini
限界収入(Marginal Revenue、MR)とは、製品やサービスを1単位追加で売却したときに得られる総収入の増加分のことです。価格設定や生産量を決定する際、企業が利潤を最大化するための重要な指標として用いられます。
Gemini
しかし、あるレベルを突破すると「引っ張り打法」は、時間的、体力的、認知的資源を食いすぎて通用しなくなります。
パンチのタメの時間や打ち終わりにバランスを崩した隙を突かれてボコボコにやられます。
他にも例えば、「言葉で体を動かす」「ミリ単位の身体操作」などもそうです。
あるレベルまでなら上手くなった気がするかもしれません。
ボクシング以外にも、「公式の丸暗記」「年号の丸暗記」「ガラパゴス文化」「知能としてのIQ」などにもこの論理は敷衍できると考えられます。
非効率な方法であっても、あるレベルまでなら、つまり、成長余地が有り余る成長の初期段階までなら、費用対効果を無視できてしまう構造があるのです。
「今だけ良ければ」で非効率を選択していても、あるレベルまでなら一見すると効率が高められてしまうのです。
この手の成長初期の成功体験は、個人及び社会に誤った信念を形成させていると考えられます。
低レベルから脱出できない場合は、その非効率の効率化があたかも真理であると錯覚してしまうからです。

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