ラグランジュ恒等式

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ラグランジュ恒等式

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ベクトルの外積と内積とノルム

$\|\boldsymbol{x×y}\|^{2}=\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|^{2}}-⟨\boldsymbol{x,y}⟩^{2}$

ラグランジュ恒等式は、外積と内積、ノルムの関係を示した恒等式。

$\|\boldsymbol{x×y}\|^{2}+⟨\boldsymbol{x,y}⟩^{2}=\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|^{2}}$(加法逆元)
ピタゴラスの定理に似ている。

コーシーシュワルツ方程式の仲間みたいなラグランジュ恒等式をやっつけます。

ベクトルのノルム
ノルム 定義 K を実数体 R または複素数体 C(あるいは絶対値を備えた任意の位相体)とし、K 上のベクトル空間 V を考える。このとき任意の a ∈ K と任意の u, v ∈ V に対して、 独立性:‖ v ‖ = 0 ⇔ v = o...

導出

まずはラグランジュ恒等式の左辺の$\|\boldsymbol{x×y}\|^{2}$
を考える。

ユークリッドノルム
$\displaystyle \|{\boldsymbol {x}}\|:={\sqrt {|x_{1}|^{2}+\cdots +|x_{n}|^{2}}}$

ウィキペディア

この流儀の定義の解説はWIISが分かりやすい。

$\|\boldsymbol{x×y}\|^{2}$

この立場で見るなら、ラグランジュ恒等式の左辺
$\|\boldsymbol{x×y}\|^{2}$
はノルムのルートが外れるだけ。
$(x_{2}y_{3}-x_{3}y_{2})^{2}+(x_{3}y_{1}-x_{1}y_{3})^{2}+(x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1})^{2}$

混乱しないよう個別に項を分解。
※太字表記は面倒なのでここでは省略
左端
$(x_{2}y_{3})^{2}-2x_{2}y_{3}x_{3}y_{2}+(x_{3}y_{2})^{2}$(展開公式)…∗

中央
$(x_{3}y_{1})^{2}-2x_{3}y_{1}x_{1}y_{3 }+(x_{1}y_{3})^{2}$(展開公式)…∗

右端
$(x_{1}y_{2})^{2}-2x_{1}y_{2}x_{2}y_{1}+(x_{2}y_{1})^{2}$(展開公式)

また、指数法則
$(a・b)^{x}=a^{x}・b^{x}$(指数法則)

$\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|}^{2}$

次は右辺の
$\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|}^{2}$…※
を考える。

これもノルムのルートを外す形なので
$(x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2})(y_{1}^{2}+y_{2}^{2}+y_{3}^{2})$(仮定)

次に乗法分配法則を用いて展開。
$(x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2})y_{1}^{2}+(x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2})y_{2}^{2}+(x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2})y_{2}^{2}$(分配法則)
$x_{1}^{2}y_{1}^{2}+x_{2}^{2}y_{1}^{2}+x_{3}^{2}y_{1}^{2}+x_{1}^{2}y_{2}^{2}+x_{2}^{2}y_{2}^{2}+x_{3}^{2}y_{2}^{2}+x_{1}^{2}y_{3}^{2}+x_{2}^{2}y_{3}^{2}+x_{3}^{2}y_{3}^{2}$(分配法則)…②

次に右辺第二項の内積。
$⟨\boldsymbol{x,y}⟩^{2}$(仮定)
$(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})^{2}$(内積)

指数関数の定義を用いて展開。
$(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})$(指数関数)
$x_{1}y_{1}(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})+x_{2}y_{2}(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})+x_{3}y_{3}(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+x_{3}y_{3})$(分配法則)
$x_{1}y_{1}x_{1}y_{1}+x_{1}y_{1}x_{2}y_{2}+x_{1}y_{1}x_{3}y_{3}+x_{2}y_{2}x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}x_{2}y_{2}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}+x_{3}y_{3}x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}+x_{3}y_{3}x_{3}y_{3}$(分配法則)…③

ごちゃごちゃと扱いにくいので、添字の操作に変形。抽象して下の形として扱う。
$\sum_{i=1}^{3}\sum_{i=j}^{3}a^{2}_{i}b^{2}_{j}$(②)…#
$\sum_{i=1}^{3}\sum_{i=1}^{3}a_{i}b_{i}a_{j}b_{j}$(③)…##

#-##を考える。
$i=j$(仮定)
⇒$a_{i}^{2}=a_{j}^{2}$(べき乗一意性)
##は$i=j$の場合は#と同値。
#-##は、i=jの場合だけ加法逆元により削除される。

頑張ってi=jの場合を消去。
$[x_{1}^{2}y_{1}^{2}]^{¥1}+x_{2}^{2}y_{1}^{2}+x_{3}^{2}y_{1}^{2}+x_{1}^{2}y_{2}^{2}+[x_{2}^{2}y_{2}^{2}]^{¥2}+x_{3}^{2}y_{2}^{2}+x_{1}^{2}y_{3}^{2}+x_{2}^{2}y_{3}^{2}+[x_{3}^{2}y_{3}^{2}]^{¥3}-[x_{1}y_{1}x_{1}y_{1}]^{¥1}+x_{1}y_{1}x_{2}y_{2}+x_{1}y_{1}x_{3}y_{3}+x_{2}y_{2}x_{1}y_{1}+[x_{2}y_{2}x_{2}y_{2}]^{¥2}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}+x_{3}y_{3}x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}+[x_{3}y_{3}x_{3}y_{3}]^{¥3}$(②③)

$¥1,2,3$は加法逆元により消去される。

$x_{2}^{2}y_{1}^{2}+x_{3}^{2}y_{1}^{2}+x_{1}^{2}y_{2}^{2}+x_{3}^{2}y_{2}^{2}+x_{1}^{2}y_{3}^{2}+x_{2}^{2}y_{3}^{2}+x_{1}y_{1}x_{2}y_{2}+x_{1}y_{1}x_{3}y_{3}+x_{2}y_{2}x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}+x_{3}y_{3}x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}x_{3}y_{3}$(加法逆元)
$x_{2}^{2}y_{1}^{2}+x_{3}^{2}y_{1}^{2}+x_{1}^{2}y_{2}^{2}++x_{3}^{2}y_{2}^{2}+x_{1}^{2}y_{3}^{2}+x_{2}^{2}y_{3}^{2}+2x_{1}y_{1}x_{2}y_{2}+2x_{1}y_{1}x_{3}y_{3}+2x_{2}y_{2}x_{1}y_{1}$(加法)

結果は冒頭の∗達と完全に一致します。同値関係の定義を満たす。

よって
$\boldsymbol{\|x×y\|}^{2}=\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|^{2}}-⟨x,y⟩^{2}$

外積と内積の関係がひと言で表されています。

高次元空間の体積

ラグランジュ恒等式は
$\boldsymbol{\|x×y\|}^{2}=\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|^{2}}-⟨x,y⟩^{2}$(仮定)
$\boldsymbol{\|x×y\|}^{2}+⟨x,y⟩^{2}=\boldsymbol{\|x\|^{2}・\|y\|^{2}}$(加法逆元)

質問
三次元以上の次元空間においては、二次元空間における斜辺、対辺、隣辺に対応する要素が、内積、外積、ノルムであること?それは三次元以上の空間の体積を予測するのを助ける?

鋭い指摘です。あなたの推論は、**「ピタゴラスの定理の抽象化」**という観点で非常に正鵠を射ています。

三次元以上の空間における「内積・外積(またはその一般化)・ノルム」の関係性は、まさに二次元における直角三角形の辺の関係($a^2 + b^2 = c^2$)を多次元の「体積」へと拡張したものと解釈できます。

二次元の「辺」と高次元の「要素」の対応関係

あなたの推論を数学的に対応させると以下のようになります。

  • 斜辺 ($c$) $\rightarrow$ ノルムの積 ($\|\mathbf{a}\| \|\mathbf{b}\|$)

    • 2つのベクトルが完全に独立(直交)し、かつ「最大能力」を発揮したときに期待される「大きさの器」です。

  • 隣辺 ($a$) $\rightarrow$ 内積 ($\mathbf{a} \cdot \mathbf{b}$)

    • ベクトルが互いに「平行」な方向にどれだけ寄与しているか(射影)を示します。

  • 対辺 ($b$) $\rightarrow$ 外積のノルム ($\|\mathbf{a} \times \mathbf{b}\|$)

    • ベクトルが互いに「垂直」な方向にどれだけ寄与しているか(面積の広がり)を示します。

これらをラグランジュの恒等式に当てはめると:

$$(\text{内積})^2 + (\text{外積ノルム})^2 = (\text{ノルムの積})^2$$

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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