予測の放棄
強さの具体的な性質の一つは「計画通りに進めるのが計画である」ではなく、「想定通りにいかない時の為の用意が計画である」を理解することです。
計画やそれに基づく練習に期待してはいけません。
レベルが上がる程、想定外は起こります。
「こうやって〜こうやって〜このパンチを当てる」❌️
「これがダメならこう、これがダメならこう…」⭕️
想定通りにいかない場合の対応表を構築するのが計画であり、練習です。

予測と現実の差
予測は無駄
人は過去の平均値が今と未来を決定していると錯覚し、分布の形状(ボラティリティ)の持つ意味を無視します。
しかし真実は、過去平均から乖離した過去のある出来事が今と未来の性質を決めています。
例えば生成AI。
毎期の決算画今の株価を規定しているのではなく、一つの大発明今の株価を規定しています。
例えばコツの発見。
股関節ロックは、背屈ロックまでを蓋然的に導きます。
毎日の積み重ねがではなく、ある日の変化が成長全体の性質を規定しているのです。
この錯覚から抜けられない人ほど、「コツコツ積み上げ!」みたいな気色の悪いカルトにはまって搾取されます。
コツコツ積み重ねるのは変化を増幅させる材料であり、それだけを集めても成長は起こりません。変化を積極的に取り入れる必要があります。
戦いもそうです。平均から乖離した何かが試合の行方を決定します。
だから閃きが大切なんです。

予測しない
「予測しない」とは、自分の直感やデータ分析が**「ブラック・スワン(予測不能な壊滅的事象)」**に対して無力であることを認めることです。
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陥りやすい錯覚: 多くの人は「より精緻なデータがあれば予測できる」と考え、分析に時間を投下します。これは時間の浪費です。
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反脆弱な態度: 未来がどうなるかではなく、**「何が起きても、自分に有利に働く配置(バーベル戦略)」**を事前に作っておくことに知性を使います。
予測は脆弱です。
「予測が当たった!」は生存者バイアスです。
無数の人が予測をしています。
その中の、たまたま当たった人を社会がピックアップします。

予想はほぼ当たりません。
予測に時間をかけるのではなく、それが失わせてしまう、あるいは既に失わせている、あなたの本質に目を向けるべきです。
例えば、計画を立て瞬間に失われる、あなたの認知的な柔軟性(※)の方が、現場では大切かもしれません。
※閃き
どうして、「完璧な計画を立てたい」と思うのでしょうか。
もしかしたら、「何があっても大丈夫」が足りないからかもしれません。
試合前に
「大丈夫、相手のパンチが想定より強くても、速くても俺は対応してやる。俺はダウンにもスタミナ切れにも対応できる技術がある。」
と思えているか?と言うことです。
そうでないなら対応能力が不足しているのかもしれません。
試合前にガチガチに緊張してしまうのは、あなたの精神が弱いからではなく、練習に問題があるからです。
話を戻します。
完璧な手順として計画が必要なのではなく、上手くいかない時の為に、つまりピンチの時の為に計画は必要になります。

「何が起きても大丈夫。俺はこれまで何度も危機に対応してきた。」が自信です。
「計画通りに戦いを進めよう」という考え方は、ボクサーを、ひいてはヒトの精神を脆弱にします。
対応能力を磨くことは、戦略的にも精神的にもボクサーを強くします。
形を綺麗にするのが練習なのではなく、上手くいかない時に備えるのが練習です。
形が崩れたことに対応するのが戦いです。
何が起きても対応できることが上手さであり強さです。
対応能力が競技能力です。

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