大胸筋のねじれと腕の内旋

運動理論

ベテルビエフ、マティアスのパンチが似ている理由の考察です。
体の合理性を追求した結果、収斂進化したのでは?と。

コウモリとモモンガが別々の経路から同じ目的を達成しているようなことがロシアとプエルトリコでも起こった。
彼らの目的はハイガードからの強打。

つまり、腕を高く上げた状態から腕を強くスイングする、という目的の達成を目指した結果、似たような打法になったと。
もう少し具体的に言えば、腕相撲の動作のような腕のスイングで相手を殴っています。
もっと言うとボールを投げる時のような上腕のスイング。

ハイガードの姿勢から腕を内側へ捩じ込んでいくようなパンチです。
上腕の内旋と肩関節の内転と屈曲を複合したような動き。

ところで、関節の内転や内旋、屈曲なんて言葉は人が説明を言語化して簡単にする為に便宜上設けただけ概念で、動作を分解して考える為のものです。実際の運動は色んな動き同時に起こっています。便宜上設けた概念に縛られると説明するのが難しくなったり、マトリックスに囚われて現実が見えなくるので注意が必要です。

股関節は開閉という動きに公理化されているとする長濱説のように、神の意図と人の勝手な意味付けとの間には大きな乖離がある、と頭置いておくと混乱を避けられます。

閑話休題。

大胸筋の停止の付着は収縮すると上腕を内旋させる方向へ付着しています。
これは恐らく投擲動作に合理化されているのではないかと。

肩甲骨の外転に連動して上腕の内旋が起こります。すると自然体で腕は内旋位。
GGGは自然体で腕が内旋してます。僕の統計だと黒人はほぼこうなっています。
日本人は手の甲は横を向いています。

これは恐らく既述の連動が起こっているからです。この時には肩甲骨は股関節に被さりますから、強い床反力を受けることにも有利に働いています。
原因は腸腰筋と前鋸筋の強さと幼少期の運動経験だと考えています。

知りたいのは何故こうなるのか?です。

GGGのような骨格の場合、常に上腕は内旋位なので、腕をガードポジション、または投擲動作の形に持っていくと、外旋されます。
つまり、大胸筋に張力がかけられるのです。
筋肉への張力はSSCによる筋力と腱弾性力を強化しますから、スイングの力が増します。

前鋸筋によって持ち上げられた肩甲骨のエネルギーがそのまま大胸筋に貯蔵され、大胸筋の筋力と合成されます。
一方で前鋸筋が利かない場合、肩の筋肉で持ち上げられた力は、ただ腕を持ち上げるだけの力となり失われていきます。

大胸筋のねじれ構造は、前鋸筋の筋力を大胸筋のエネルギーへ変換する橋渡し的な役割が持たされているのでは?ということですね。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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