最近は股関節おじさんならぬ、肩甲骨おじさんになっています。
前鋸筋を利かせると腕の動きがダイレクトに床に伝達されて、全身の連動性が高まるんですよね。
僕はマジのガチで、人体の仕組みとして前鋸筋スイッチみたいな論理があるはずと考え始めているんですよ。人が野生だった頃に使っていた動物スイッチ。
それを解明してやろうと毎日ネットと本棚を徘徊しています。
肩甲骨と腕を連結して床に接続すると反発を高速で床へ伝えられるので、以下のような高速連打が可能になります。
長岡の動きも前鋸筋スイッチで激変しました。
その理由を考察していきます。
前鋸筋と股関節
肩関節と前鋸筋
肩の関節の図です。
肩甲骨は鎖骨と肩峰を介して胸骨に繋がれています。
鎖骨と肩峰を繋ぐ部分は肩鎖関節と呼ばれ可動性があります。
前鋸筋の付着と肩甲骨と体幹を連結する肩鎖関節の位置関係を見ていくと、前鋸筋の収縮が肩甲骨をどのように動かすのかが分かります。
赤い円が肩鎖関節で、ここを支点に肩甲骨は回転します。
軸と筋肉の位置関係から反時計回りの回転力(青い→)が働くと考えらえます。
前鋸筋の収縮方向は左図のように一方的ではなく、実際には複雑に入り組んでいるとは思います。当然肩甲骨を持ち上げる方向への付着もあるのでしょうが、支点との位置関係から推察するに、肩甲骨の外転は上方回旋(腕を持ち上げる)を伴いながらになるはずです。
肩甲骨を前鋸筋と一緒になって動かす小胸筋もこんな感じ。
収縮で肩甲骨を下に引き付けるような構造をしています。
簡略化するとこんな感じ。
青い点を支点(肩鎖関節)として黒い▲(肩甲骨)が反時計回りに落下する構造をしているってことですね。
肩甲骨の外転と上方回旋
何故外転と上方回旋の両方を起こすような構造があるのか考えてみます。
以下のスローモーションをご覧ください。
ボルトの接地から離地を見ていきます。
右の股関節で地面を蹴って体を推進した直後。
左右の速度差が生む慣性力が左腕を後方へ引っ張っています。
この時肩甲骨は背骨側へ押し込まれて(内転)前鋸筋が伸張されています。
前鋸筋は反射を伴いながら収縮、肩の下制(肩甲骨が下へ引かれる)と外転を開始。
まだ接地していませんが、腕は→の方向へ振られて運動量を持っています。
接地の瞬間に腕が股関節に乗りこんでいくような形に。
前鋸筋の収縮と慣性力の力を借りて、肩甲骨も外転し股関節へ乗りこんでいきます。
接地の極短い時間に身体重心を左股関節へ落下させ、床反力を増大(青矢印)させています。
この時に肘はロックされているのも面白いですね。
体幹と腕の速度差が生み出す慣性力が腕を後方へ引っ張ることで、二頭筋の張力で肘がロックされてるからだと考えられます。
これは腕を前へ飛ばすための合理性なのだと思います。
腕が前に振られる場面、この時腕は推進力を得て肩甲骨を赤い矢印の方向へ引っ張り上げています。
腕が振り子となって体を加速させているわけで、この振り子の振動がハムケツを刺激し反射を誘発しているはず。
また、先ほどの前鋸筋主導の肩甲骨の動きを思い出してください。
肩甲骨は外転時は上方回旋を伴うような構造をしています。
つまり肩甲骨は体の側面へスライドしながら、腕を持ち上げるわけです。
丁度この瞬間の為の構造です。
腕(肩甲骨)で脚(股関節)を走らせる
冗長になりましたが、前鋸筋が股関節を活性化させる上で非常に重要な役割を果たしているのでは?ということです。
前鋸筋を利かせられた途端に全身が強力に連動したのは、前鋸筋が肩甲骨を股関節へ引き付けて、床との接触を合理化してくれたからじゃないかと思います。
四足歩行動物て静止状態から一瞬で加速するじゃないですか。
あれって常に肩甲骨(前鋸筋)と股関節(ケツ)が床と接続されて全身の連動性が担保されているからじゃね?って最近空想しているんです。
四足歩行動物の体を変形して使っている人体はケツは接続されているのけど、腕はプラプラ宙吊りです。
前鋸筋を利かせる姿勢を作れば股関節と肩甲骨が床と接続され、俊敏に動けるって長濱説。
この仮定の元強いボクサー観察すると、腕の使い方に共通点が見えてきます。
構えは腕の間に空間が作られたような、常に前鋸筋が利いたような構えをしてしていて、肩甲骨で動作を作っているように僕の目には映ります。
結論、前鋸筋が動物スイッチなんじゃね?ってことです。
長岡に長濱説に由来した肩甲骨の動作の練習をさせたら、バランス感覚とスイングの軌道、ゲンコツ、立ち方に変化が起こりました。
長岡本人も自覚があるようです。
ごちゃごちゃ考えるより、骨格立ちをして前鋸筋を使えるようにすれば動作は全て合理化されていくんじゃね?って本気で取り組んでいます。
核心を突いた確信があるので、僕の活躍に期待してほしいです。
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