【乗せて】メイウェザーのディフェンス PART1【動かす】

技術
技術運動理論

何度かに渡ってフロイド・メイウェザー選手のディフェンスについて考えていきます。
股関節の使い方や骨盤前傾の理論が前提となります。
今回は立ち方を見ていきます。

骨盤前傾による股関節の活性化については理解しやすいと思いますが、脱力との関係性についてがいまいちピンとこないと言うか、もしかすると理解できない部分が多いんじゃないかと思います。

そもそもが僕の感覚を裏付ける為に根拠を当てはめているだけなので、聞きなれない話だと思います。
少し補足します。

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骨格立ち

「骨格立ち」は僕の造語です。
まずはその意味のおさらいをします。

理科の教室にあった人体骨格の模型を思い出してほしいのですが、あれって吊るされていましたよね。
何故かと言えば、基本的に人間の骨格はそれだけでは自立できないからです。
筋力による助けが必要な不安定な構造をしています。

そのまま立たせようとするとぐしゃっと潰れてしまいます。

ただ不安定な構造物でも、丁度こんな風に上から上手く押さえつけることができれば比較的安定させることができます。
ボールペンもそれだけだと自立できませんが、上から上手く押さえつけることができれば立ちますよね。

骨格立ちとは上半身の重みを股関節に乗せて骨格を安定させる立ち方のことです。

で、何故骨盤前傾かと言うと股関節のくぼみは前傾させるとより大腿骨と噛み合いやすい構造をしています。
左図を時計回りに回転させると接触面積が大きくなることが想像できると思います。
接触面が大きいと構造が安定します。
そもそもが腸腰筋の収縮により骨盤を前傾させることを前提とした作りをしているんです。

さらにこの辺はまた別の機会に詳しくやりたいと思いますが、股関節と大腿骨を繋ぐ靭帯(骨と骨を繋ぐゴム)も骨盤前傾を前提とした作りをしているんです。

骨盤前傾位で踵(足全体)に荷重し、脚を伸ばせば股関節に上半身が乗せられます。
上半身の重みで下半身を押さえつけて安定させるように、そうしてくれって構造をしています。

構造通りに体を扱えるとどうなるかと言うと、上半身が脱力できるので、体幹や臀部、裏腿の大きな筋群を使って素早く柔軟に動かすことができます。

股関節に上半身を乗せて上体を脱力する感覚は僕には大きな発見でした。
背中や肩の力が抜けてその重さが感じられます。
この感覚の掴み方は言葉にすると難しくて、今考えている最中です。
色々実験してみて、発見したらこのブログで発信していきます。

股関節に乗る

もう少しだけ骨格立ちのおさらいをします。

文字は無視して骨格と矢印だけに注目してください。
まずは前傾の場合を見ていきます。
オレンジの矢印が重力で、黄色が床反力です。
前傾の場合は上半身の重みが大腿骨の上に乗っています。
力の向きが真逆になるので重力と床反力は打ち消し合います。
上記のボールペンの例のように上から大腿骨を押さえつける形になるので、構造が安定します。

逆に骨盤後傾の場合だと上半身の重さが大腿骨を伝わる床反力から逸れるので、二つの力が協力して股関節を軸に上半身を回転(偶力)させようとするんです。
不安定な構造になるので、立ち続けるには上半身の回転を抑える為に腿や背中、腹部を緊張させる必要が出てきます。

なので骨盤が後傾すると構造的に脱力しにくくなります。

この場面を見てください。
脚が伸びています。

二本の柱で櫓を支えるデコピンスタンスです。
骨格に重みを乗せて支えるので、上半身は脱力できます。

上半身が脱力できるとどうなるか。
既述したように柔軟に速く動かせるんです。
メイウェザー選手のディフェンスって速くて柔軟で大きく動きますよね。
あれはこの絶妙なスタンスによって実現していると僕は考えています。

上半身を股関節に乗せられる方は実験してみてほしいんですが、上半身を股関節を乗せて脱力してみてください。
深く息を吐いて肩甲骨を胸郭にドサって乗せる感じです。
かなり力が抜けませんか?
しかも頭も冴えてきませんか?
これは多分ですが、バランスなんかを把握するための筋の感覚器官からの入力が減るからじゃないかと思うんです。
脳の資源が意識に集中するから意識が冴える。
その脱力した感覚を保ったまま上半身を動かしてみてください。
勝手(不随意)に股関節も動きますよね。
上半身に引っ張られるように股関節が連動します。
上半身の動きを作る為に股関節が不随意で動くので速いし力みにくいです。

しかも大きな筋が運動に動員されるから力を抜いても速く動かせるはずです。

無意識レベル

勝手に股関節が動くって話をしましたが、メイウェザー選手はディフェンスをする時は特に股関節を意識していないと思います。

例えば重いものを持つ時にいちいち臀部と裏腿で股関節を伸展させようとか思いませんよね。
それと同じです。
股関節に上半身を乗せると股関節が活性化するので、動こうとすると勝手に動く出すはずです。

なので、メイウェザー選手はいちいち股関節を使おうとは意識していないと思います。
乗せて動かす。
いや、乗せる意識もしていないですね。
ナチュラルに乗せているから、相手のパンチに反応して躱そうとするだけで勝手に股関節が動く。
股関節が自然と動くから速く柔軟に大きく上半身を動かせるんだと思います。

まとめ

何度目だよって話ですが、股関節です。
股関節に上半身を乗せてください。

メイウェザー選手のディフェンスは史上最高レベルなので研究します。
今後このシリーズやります。
具体的にディフェンスの動作も見ていこうと思います。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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