スピードとパワーの両立の両立は難しい問題だと以下の記事でお話しています。
それは人間の動きには力学と生理学という厳密なルールにより記述されているからです。
勿論、トレーニングによってパンチ力とスピードに必要な部分を強化することができますが、強いパンチを打つ戦略と速いパンチを打つ戦略の両立は困難です。
これは速くて強いパンチが打てないという意味ではなく、選手個人の利用できる資源をスピード(時間)とパワーのどちらかに配分しなければならないということです。
ここでのスピードはロマチェンコ選手のようにモビリティーとパンチの回転力を中心に据えたスピードの戦略でパワーとはライアン・ガルシア選手のような拳の運動量最大化する戦略のことです。
二つの戦略の両立は僕の体感としても難しい、理屈で言えば無理だと思います。
状況に応じて戦略を切り替える
だけど僕は二つの戦略を両立したいんです。
例えばストッピングパワーが欠けていると、技術では上回っていたとしても乱戦に持ち込まれる確率が上がります。
逆にスピードとフットワークで距離をコントロールできないと、パンチのある相手との打撃戦に陥ってしまうことも考えられます。
難しいことですが、僕が今考えているのは状況に応じ、必要な戦略を柔軟に変更する方法です。
ある状況ではパワーを、ある状況ではスピードを。
という風に戦略を細かく変化させられれば、一見すると二つの戦略が両立しているように見えます。
難易度はかなり高いですが、それぞれの戦略を素早く切り替えることはできるはずです。
そのために僕は今、相手の戦略や状況に応じて、どちらが正しい戦略である確率が高いかの統計を取っています。
足を止めたプレッシャーファイター相手にはパワーを活かした方がいいことがあります。
逆にスピードのある相手に足を止めて守ろうとしてしまうと攻撃を防ぐのが難しくなり、回転力とモビリティを中心に据えた方が効果的だと感じています。
しかし、臨機応変でなければなりません。
スピードのある相手でも疲れて動きが鈍れば、パワーをアドバンテージにして一気に削っていけます。
パンチのあるプレッシャーファイターと足を止めてパワー勝負するのも考え物です。
なので、今は状況に応じた緩急と強弱の使い分けを今は研究しています。
まとめ
強いパンチと速いパンチを状況に合わせて切り替えることができれば、戦略が両立していると言える。
今は相手の戦略や状況に応じて、戦略をどうやってスイッチするかの研究中。
井上尚弥選手がとても参考になる気がする。
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