体重移動で二軸が崩壊する説明

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体重移動が二軸が運用できない弱者の苦肉の策である説明。

引っ張り打法(体重移動)

肩甲骨を外転前傾でロックするのは前鋸筋と小胸筋。

これらは構造的に対の関係。協調して肩甲骨を体の前へ引きつけていると考えられます。

前鋸筋だけフォーカスされますが、大切なのはバランスです。何事も。

肩甲骨の後ズレによる「エネルギーの吸い込み」

前回説明しように、二軸打法は、骨盤が先行し上腕が追従する、物理的、生理的な位相差からエネルギーを取り出します。

仮に肩甲骨ロックが弱い場合は、肩甲骨は先行した骨盤の加速に対して後ろに滑走してしまいます(慣性)。

この場合は、股関節軸が生み出した並進エネルギーの一部が、肩甲骨を後ろへ移動させるための「無駄な仕事」として消費されます。

 大胸筋をストレッチしてチャージされるべきエネルギーが、支点の移動によって無駄な方向の運動量に変換されてしまいます。

これにより、リリース直前の上腕の加速度は二軸並進モデルを下回ります。

代償としての過剰な体重移動

本能(=無意識)は、不足分を補うために無理やり重心を前方へ突っ込ませる過剰な体重移動という解決策を採用します。

二軸並進は「股関節の並進を肩関節へ同期させる」精密なタイミングが要求されますが、過剰な体重移動はこの同期を物理的に崩壊させます。

二軸並進の崩壊プロセス

重心が前方に流れすぎると、エネルギーが並進ではなく「体幹の前傾(倒れ込み)」という垂直(無駄)な回転力に漏出します。

次が二軸崩壊の核。

 肩甲骨が後ろに脱落したまま体幹を突っ込ませると、腕は物理的に身体の後方に取り残されます。

これを無理やり前に持ってくるには、水平内転ではなく「肩の回旋(円運動)」を大きく使わざるを得なくなり、並進運動は完全に崩壊します。

「戦っていると毎回距離が近くなる。激しくなる程にその傾向が増す」と感じているボクサーは多いんじゃないかと思います。その原因の一つだと考えられます。

また、この傾向は、
二軸の崩壊⇒パンチ力の低下⇒抑止力の低下⇒さらなる打ち合い泥仕合
の論理的な展開を構成します。

この結論は「距離…距離…」と念仏を唱えるボクサーの自殺プロセスを停止させてくれると思います。

常識には従うな

一般的には「体重移動を大きくすれば強いパンチが打てる」と信じられていますが、それは「肩甲骨のロックが弱く、エネルギーを効率よく伝えられない人」の苦肉の策に過ぎません。

肩甲骨ロックとそれに伴う二軸が実現できるなら、最小限の体重移動で最大出力の並進が可能になります。

並進でない場合はエネルギーが漏出してパンチに変換されない。

トップダウン思考(志向)の罠

以上のような、現象や技術の細部を無視した、「結論(体重移動)」ありきのトップダウン思考は、体重移動論に留まらず、日本あらゆる場所を矛盾(非効率)で埋め尽くして腐敗させていると考えています。
※ボトムアップは細部から全体を構成する

結果を出した⇒偉い
ではなく
頑張った⇒偉い
という価値観は大人の社会にも普遍的に見られると思います。

物理的に
$W = F \cdot s$(仕事 = 力 × 距離)
つまり、体重移動の距離($s$)を伸ばせば、理論上の仕事量($W$)は増えます。

 筋力や深層筋の連動性が未発達な子供や初心者にとって、移動距離を稼ぐことは、不足している「力$F$」を「距離$s$」で補う唯一と言っていい手段です。

この初期段階の成功体験は、「距離を伸ばせば、最終的な速度(パンチ力)も上がる」という短絡的な信念を形成させる確率を高めると考えられます。

信念の自家中毒
信念の正当化ガードはディフェンス何故ならば、相手が打てる場所を隠すから。ガードはディフェンスを損なう何故ならば、反射や動作の自由度を制限するから。※「攻撃は最大の防御」的解釈移民は社会に悪影響何故ならば、移民は同化しないなら。移民は成長の源...

体重移動を大きくすると、移動にかける「時間($t$)」が増大します。物理的には出力されるエネルギーは大きくなります。

しかしパンチ力は、「仕事量」ではなく「パワー」で語られるべきです。

物理的な出力は $P = W / t$ です。
つまり真実は、距離を稼ぐため(体重移動)に時間をかけすぎると、「単位時間あたりのエネルギー変換効率(パワー)」は低下する、つまりパンチ力は低下してしまいます。

直感的に言えば、手打ちパンチはムチなどのパルス(衝撃波)、体重移動は体当たりや押し込み、です。直感的に違いは理解できると思います。

初期の誤った現実の理解に伴う、非効率な信念の獲得は、自分の信念が毒になるという意味で、僕が「信念の自家中毒」と呼んでいる状態です。

共産主義ソ連の崩壊や米国、日本の崩壊は、成長初期の成功体験を過度に一般化してしまったこと。収穫逓減法則に捕まってもなお、それを変更しなかったことだと考えています。

特に日本の文化は、旧世代から新世代への権力の移譲が起こりにくい強固な構造だと考えられます。

閑話休題。
一般的な体重移動論は「低出力な個体が、物理的に時間をかけて帳尻を合わせるための生存戦略」としてだけ機能します。弱者の論理です。

統計的に人口の大半は身体能力的、知能的弱者です。

そして「常識」は大半の人が直感的に理解できるから社会に保存されます。難しい数学的な真実は一般的にゴミ箱に捨てられます。

つまり、常識は高確率で時代遅れのガラクタです。

そして社会はガラクタで溢れています。

結論。「動いている距離」が「加速している距離」ではなく、「肩甲骨がロックされ、大胸筋に張力が充填されている数cm」のみが、真に物体を加速させている、とボクシング村の常識を書き換える必要がある。

「肩抜き」は弱者の認識
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ガラクタに目が眩んでる間に人生は終わる
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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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