

彼らが同じような技術を共有している理由を考えた場合は、やはり
1.股関節が強い
2.防衛本能に素直に従っている(隠れる)
が考えられます。
人体とボクシング、という制約下においては、振り子歩きはボクサーの取り得る最適解の一つなのでしょう。
隠れる
隠れる≒ヘッドスリップ≒胸椎側屈回旋≒大腰筋の強い収縮≒太い腸腰筋≒股関節ロック
と変形できると仮定するなら。
2を1に吸収させられます。

多少乱暴な変形ですが、腸腰筋に「隠れる」ディフェンスを説明させることができます。
大腰筋が太い場合は、頚椎の小さな動きであってもそれは連動すると考えられます。
この場合は、
パンチから隠れようとする(スリッピング)⇒大腰筋の収縮(=胸椎側屈回旋)が起こる
と言い換えられます。

対偶をとると
腸腰筋が弱い⇒合理的なスリップ動作にならない
つまり、恐がることはできるが、弱者はそれをカネロやメイウェザーのディフェンスのように洗練された動作に昇華できない。
ハメドの仰け反りは自然な動作ではあるものの、ハメドの股関節の強さがあって初めて成立します。
ハメドはただ恐がればディフェンスとして成立します。
しかし、股関節を強くロックできない弱者が動作だけを切り取って真似した場合は、つまり恐がって仰け反った場合は、バランスを崩すだけです。
同様のことがカネロやメイウェザーのディフェンスにも言えるだろうと。


股関節ロック
股関節ロックができなければカネロやメイウェザーのような姿勢を作れません。
例えば、それができないならメイウェザーの動画で示したように、前脚を伸ばして相手の踏み込みの経路を遮断したり、頭部を相手から遠くしたりができません。

振り子歩き
骨格が振り子歩きを包含していないのです。
僕が要求したトレーニングをこなした長岡は少しだけカネロやメイウェザーに近づきました。
「振り子歩き」は下に示したように、攻防の切り替え、ないしは骨格を強く扱う合理的な動きです。
ボクサーの収斂進化の最終系の一つ。哺乳類のシャチとサメが海という環境では同じ形に収斂するようなこと。流線型の滑らかな皮膚以外にはあり得ない。
つまり、振り子歩きはボクシングと人体いう制約下においては、ボクサーを有利にする一つのボクシングの形である(体系)と言えます。
だからこそ、超一流のロマチェンコ、カネロ、メイウェザー、タイソンは同じ技術体系を共有するするのでしょう。





コメント