下の記事で軽く触れた、胸を閉じると大胸筋が伸張されるって話の補足。長岡が「体感するまでは説明の意味が不明だった」とのことなので。
手打ちver.4
肩甲骨外転と上腕の内旋の連動
肩甲骨と上腕の連動は広背筋によって引き起こされていて、それは橈骨を床にねじ込んで床を押すための、四足歩行時代の名残を投擲に応用する為ではないかとする長濱説が元になっています。
接地を合理化する構造が投擲に応用された説。
詳しい考察は下の記事をお読みください。総合すると全体像が分かるかも。胸椎の後弯によって肩甲骨がスライドすると、それに伴って前脚(腕)は内旋します。すると骨格が強く動く。
自然な肩甲骨の外転が起こせる方は下の動画のように動作を比較してみてください。外転した方が胸の下部の張力が高くなります。自然な外転の場合は伸張反射で胸がピクッと動くはずです。利点は小さな反動動作で腕を強く動かせること。
前鋸筋が弱く外転が起こらない場合は僧帽が力むだけになります。そんな場合は変化を感じません。これは意識ではどうにもならないので、長濱式懸垂やディプス、腕立てなどで筋力の向上を優先してください。数週間で効果は現れると思います。
前鋸筋が弱いなら、それは認めてしまってください。「いや、俺は前鋸筋が強い。才能はある」と錯覚しているといつまでも強くなりません。
逆に肩甲骨を内転させた場合は肩甲骨による支えがなく、後ろへ大きく反動をとっても張力は小さいままだと思います。一見すると大きな動きで強そうではあるけど、そのエネルギーはどこにも貯蔵されていないんです。
大胸筋の停止の位置と肩甲骨外転に伴う上腕内旋の動きから推察するに、腕は外に開くより、肩甲骨に支えられながら内にねじられる方が伸張されるのでしょう。
上のリンクのような広背筋のねじれはこれを合理化する構造なのかも。
手打ちve4からは腸腰筋による股関節のねじれ、前傾、脊椎の湾曲、前鋸筋小胸筋による肩甲骨の外転が前提です。手打ちver4からはこの姿勢が自然に作れないと、論理的な意味は理解できても、その強さを感じることはできません。
フィジカル文化人類学的考察
メジャーの投打法が手投げ手打ち、NPBLの投打方が体重移動による引っ張りが主であるのは、フィジカル文化人類学的に説明できると思います。
発端は単なるフィジカル差でした。しかし大多数の認知はマトリクスを形成しますから、次第に文化へと発展していきます。結果、今では文化的な発想の違いにまでなってしまったわけです。
ノコギリを押し切ると引き切るのフィジカルの違いがナイフとフォーク、お箸の文化の違いを生み、それが手先の繊細さを要求する文化となり、幼少期の遊びの違いに発展します。そして幼少期の遊びに起因した美意識の違いが文化的な認知の差を生む。
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