二軸打法と肩甲骨平面

運動理論
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以下の記事の続き。
長濱説によればゼロポジションは一般的に受け入れられている肩関節の外転位130°ではなく。肩甲骨平面の上辺(じょうへん)になります。
その位置で腕を振るとゼロポジションの説明と整合性がとれ、腕への負担が小さく、また腕の推進力を肩甲骨へ当てられるので、力強さが増します。

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肩甲骨平面

肩甲骨平面の説明から。

肩甲骨平面

肩甲骨平面の模式図です。
個人差はあると思いますが、背面から30°程度の線上に肩甲骨平面はあります。

前から見た場合は下のような感じ。
僕の体感としては肩甲骨平面は肩甲骨から放射状に面として広がっています。

肩甲骨平面上で腕を振ることで、肩甲骨の関節窩に上腕骨を当て続けることができます。
物体の加速力はそれに加えられた力の合計(力の時間積分)で求めることができ、簡略化すると押した時間 × 押した力 で求めらえます(力積)。
つまり、肩甲骨平面上に腕を置くことで、股関節で生み出した推進力を前鋸筋を介して余すことなく腕へ伝えられるわけです。

肩甲骨平面上に腕を配置し、宙に浮いている肩甲骨を前鋸筋を介して体幹へ繋ぐことで、全身を一体化させ、一つのバネとして扱うことができます。
ピンポン玉と表現した方が分かりやすいかもしれません。
肩甲骨と股関節が体幹に接続され、全身が一体化している場合、体はピンポン玉のような機能を持つわけです。
肩甲骨と股関節が体幹に接続できていない場合、重力や筋力、慣性力は体幹から末端へのエネルギー伝達の過程で関節に吸収され失われてしまうのですが、それはピンポン玉と対比すると弾性の弱いスライムのような体と言えます。

以下のように僕が高いパフォーマンスを出せるようになったのは人間が本来持っているポテンシャルへアクセスできるようになってきたからです。

様々なスポーツに見る肩甲骨平面

インパクトの直前まで腕は肩甲骨平面上を滑走し、インパクトの直後にそれを抜けます。

インパクトの瞬間。
ラケットとボールと腕の重心線は肩甲骨平面上にあります。
衝突の直後に腕とラケットは肩甲骨平面を抜けていきます。

リリースの直前。
ボールと腕の質量の中心を肩甲骨平面で捉え続けることで、ボールの加速度(力積)を大きくすることができます。

強烈なパンチにおいて、腕とグラブの質量の中心は肩甲骨平面上を直線的を滑走し衝突します。

腰は回転していますが、それは肩甲骨平面上で拳を走らせるためであり、自動システムの自動制御により引き起こされています。

特にフックでは結果のフォームだけを見れば腰を強く回転させ、拳は体の内側を円を描いて打ち抜いているように見えます。

恐らく強力な推進の原理を無視し、結果にだけ着目した結果、現在のような非合理的なパンチの指導が行われることになったのでしょう。
そして選手にもこの観念が浸透しているのだと思います。

結果だけに着目するのではなく、原理原則にまで落とし込んで競技力向上を計画しましょう。

GGGの腕が巻き込まれているのは、彼の前鋸筋の強さと体の合理性を引き出す感度の高さを示しています。

肩甲骨平面上で腕を持ち上げていますね。

マッチョポーズで腕が肩甲骨平面上にある選手には気を付けてください。
ドサドサ歩きと同様の優れた感性によって全身を運用しているはずで、えげつないパンチを打つ確率が高いです。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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