【サイレントピリオド】力むとテレフォンパンチになる【脱力】

運動理論

ロマとドネアの試合の解説の続きです。

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サイレントピリオドによる腕の落下

力みの弊害

サイレントピリオドによる腕の加速についてはこちらの記事でお話しました。
腕が落下するのは大きな筋力の発揮直前に起こる自然で極めて合理的な動作であると説明しています。
腕を上げ続けようとすることは不意のパンチをもらう危険を排除する代わりにテレフォンパンチを許容するか、拳に大きな運動量を持たせる強打を捨てることを意味します。

利点だけしか見えていない、つまり技術的、戦術的なトレードオフが常に起こることを理解していない場合、自分の手札が減っていることに気が付きません。
偶然、スキルセットが一貫している可能性はありますが、大抵の場合手札(選択肢)が無くなっているだけです。

力みのないパンチは見えない

力の抜けたパンチは見えません。無駄な予備動作がないので、無意識が察知できません。

ボクサーは相手のグラブが動き出したのを見て反応しているのではありません。
相手のパンチの直前に発生する動作(そのほとんどがサイレントピリオド)を観察しているのです。

睨み(凝視)が大切な理由の一つは表情とサイレントピリオドによる筋弛緩を見逃さないためです。
相手のパンチが届く距離で一瞬でも目を瞑ると見落としてしまう反応です。

緊張して力むとどうなるか。
力んで収縮していた筋肉が弛緩したことで腕が落下、または筋肉の緩みが表面の皮膚の緩みとして現れ、相手に攻撃を察知させることになります。

恐らくロマやドネアほどリラックスしている選手の攻撃は無意識を欺きます。
意識には上ってこないので「見えない」と感じます。
目には映っていても、注意が向いていないただの風景で何かが起こっても気が付かないのと同じようなものです。
脳は勝手に辻褄を合わせるようにできているので「見えなかった」と錯覚し混乱します。

脱力は腕の構造的加速性能を高めるだけでなく、相手を欺くフェイントにもなっています。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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