【MEME】人は道具に操られる【ウィルス】

よもやま話

僕の発想は自然淘汰という仮説に由来することが多いです。

この論理を知っていると物事の理解が圧倒的に早まります。
生物に限らずボクシングや経済、歴史、宇宙など世界の説明に関してこれより納得させてくれるものはありません。

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MEMEと進化論

今回は進化論を発展させた”MEME(ミーム)”という面白い概念を紹介します。
この概念を知っていると物事が理解しやすくなり思考が捗ります。
”MEME”という概念は進化生物学の権威リチャード・ドーキンス氏が「利己的な遺伝子」の中で提唱したもので、海外では「インターネットMEME」の語源にもなっています。
”MEME”とインターネットMEMEは全く違う意味に変化していますが、ドーキンス氏はそれも進化生物学的な発想で予言していたんですよ。
本当に偉大な学者です。

詳しくはWikipediaをご覧ください。
記事の最後で「利己的な遺伝子」のリンクを貼ります。
高い本ですが、この本を読んだ後の人生を買うと考えると安い投資です。
僕はドーキング氏の本は読み漁りました。
有名な本なのでお近くの図書館にもあるかもしれません。

今でも思い出します。強烈な衝撃を。
一瞬で僕の脳を作り変えました。
図書館で高校生の時にダーウィンの「種の起源」を読んだ時です。
教科書でサラッと終わらせていいものではないだろうと直感しました。

その後に進化論を発展させた進化生物学の権威ドーキンス氏の本をほとんど読みました。
家にも沢山あります。
宇宙や経済、生物や歴史などありとあらゆるものを理解するための道具として最適でした。

MEMEを知ると現実の世界観が根本から覆されます。

MEME

簡単にMEMEを説明してみます。

言葉や概念などを生き物に見立てるとMEMEが理解してもらいやすいと思うので、例え話を用います。

言葉は生きていると言われたりしますよね。
それは言葉は絶えず変化するからです。
10年前と今では微妙に言葉の意味が違います。100年、200年前なら発音は変わっていないのに全く違う意味の言葉もあったりします。

生物の進化みたいですよね。環境に合わせて、そして時間をかけて姿を変えていきます。
生物は自然淘汰によりその種の中から最もその環境に相応しい遺伝子が選び出されます(適者生存)。
その繰り返しが累積していくことで、人間と魚のような全く違う生物に枝分かれしていきます。
では言葉はどう変化していくのかというと、それは言葉界における自然淘汰によってです。
目には見えない空間にMEMEは存在します。

長ったらしい表現で意思疎通に時間を要するとか、文法が曖昧で意味が不明瞭であったりすると、別の効率のいい言語を使う文明に滅ぼされます。

例えば英語は文法が規則的で、「誰がどうした、何をどこでなんのために」と関係性を明確に順序立てて話します。
僕は学生の頃スカイプで海外の人達と英語でやりとりをして英会話の練習をしていた時期があるのでほんの少しだけ英語ができるのですが、英語は日本語より言語としての構造がシンプルであると常々感じていました。
深い表現ができないと言うのではなく、一貫した文法があるので覚えやすいと言うことです。
日本語は主語と述語の順番が入れ替わったり頻繁に主語を省略したりします。
意味を強調するときは発音の強弱や緩急、ジェスチャーを使う英語と違い、日本語は抑揚も小さく倒置法のように言葉の配置によって意味を強調したりします。
強調する時に声を裏返して音の高低を効かせる表現は日本語の発音や曖昧さが由来していると思います

他にも一人称(「俺」「僕」「私」)の違いだけで、文脈全体から伝わってくる雰囲気が変わったりします。
僕はブログとYouTubeでは「僕」ですが、フォーマルな場では「私」、日常は「俺」を使い分けています。
日本人は全てそうだと思います。状況に応じて一人称が変わります。
英語で自分を表すのは全部”I(アイ)”です。

英語と日本語の違いを誤解を恐れずに表現すると、英語は曖昧さを許さず、逆に日本語は曖昧さを許容します。
この違いは両言語を話す人々の世界観に強く影響を与えていると僕は考えています。

人の脳は一度獲得したニューロンの回路をあらゆるものに応用しようとします
ある道具で覚えた論理をいろんなことに応用することで脳の資源を節約しているんです。
人が最も使う道具は言葉です。
コミュニケーションだけでなく思考にも使われます。

厳密な言語と曖昧な言語は使うべき論理が異なります。

故に言語によって、それぞれの話者の構築する世界観が異なるはずです。
英語圏は英語の論理構造に由来した論理を日本人は日本語の論理構造に由来した論理を獲得するだろうということです。

「英語を喋る時と日本語を喋る時は性格が変わる」と言うのを聞いたことがありませんか?

僕はこれは使用する言語の構造に合わせて脳のニューロンの発火経路が変わるからではないかと考えています。
英語を使う時はより厳密で論理的な回路を通した方が、日本語を話す時は曖昧さを受け入れる回路を通す方が、理解しやすく資源の節約ができるからです。

善悪の二元論

僕は時々ハリウッド映画の極端な善悪の二元論に違和感を覚えることがあります。
分かりやすく「善」と「悪」に分断されているからです。
悪党は常に悪党、故にどんな制裁を加えることも許される。ぶち殺してもOK。

国際社会でもそうですね。常に「アメリカ”の”民主主義」が正義で、他の主義主張は悪。
何をしても許されます。

僕の感覚、恐らく日本人の感覚では受け入れられないと思います。
何故なら善と悪という明確な境目は存在せず、戦いというのは正義とまた別の正義の対立によるものだと考えるからです。
僕的にはハリウッド的なノリにはついていけず、日本的な苦悩を抱える悪の描かれ方が大切だったりします。
邦画好きには共通するんじゃないかな。

僕はこれは言語の構造に由来しているのではないかと考えます。
日本語の構造が曖昧だからこそ、それを使う日本人は善と悪の境界線を明確に引くことがなく、物事の判断の基準として曖昧さを許します。一方英語は構造が厳密だからこそ宗教なども含めて判断が二極化しやすく、善と悪を無意識下で明確に分けてしまうのだろうということです。
毎度のことながら長濱説です。
もちろんハリウッドの善悪の二元論がプロパガンダであるという説は理解しています。しかしこのプロパガンダが通用するのも善悪という二元論で厳密に物事を判断しようとする習性があるからではないかと考えています。

MEMEに話を戻します。
既述した言語のように道具(MEME)と人の脳は相互作用します。
僕達は道具を使うだけではなく、使われてもいるんです。
貨幣なんて好例です。貨幣は元々は価値の交換を円滑に行うために開発した道具であったはずですが、今や貨幣に人の思考が操られて支配されているように見えます。
地球の論理が通じない宇宙人が人類の行動を見ると、金に踊らされるようで滑稽に見えるかもしれません。

SNSを操るはずが操られてしまったりね。

発想の飛躍

気がつけば楽しくて約30分もだらだらと書いてしまいました。
つまり、MEMEがウィルスのように人間の脳に寄生し、行動を支配してしまうこともあると言いたいのです。

ここから発想を飛躍させます。

思想(MEME)はウィルスのように伝染していきます。
生き延びるために別の脳へ伝染し、時に遺伝子のようなコピーエラーにより変異もします。
感染のたびに思想の変異種が発生し、多様化していくので一度広く伝播した思想が完全に消えることはなくなります。
マルクスの共産主義はユダヤ思想が原点だと言われたりしますが、現在の中国共産党を見る限り別種の思想に変化しています。

人の脳に思想として感染し寄生、突然変異を起こしながらどんどん勢力を広げていく。
もしかするとウイルス騒動の正体は実体のない概念(MEME)が原因なのかもしれません。
僕はそう思っています。
すでに人類の脳に広く感染し寄生している「資本主義」や「科学原理主義」「権威主義」という思想(MEME)と強く結びつくことで、宿主の意識を変質させてしまう。

「コロナ」というMEMEウィルスは自由主義経済の競争に疲れ、科学教を信仰し、何も自分で考えようとしない権威主義者である僕達の脳になら安々と侵入でき、意識を変質させて行動を操ってしまう、ということです。

人間の知性の元を辿ると原始の海で行われていた分子間の相互作用です。
分子同士の生き残りをかけた競争がいつしか遺伝子を、ついには知性を生み出したのです。
人類の脳内のMEME空間で発生した様々な概念は分離と結合を繰り返す複雑な相互作用の果て僕たちのコントロールを離れてしまっているかもしれません。

まるでウィルスに働く自然淘汰がその感染力が高めて、人間の免疫系に反応させない性質を手に入れさせ、最後には宿主と完全に寄生し共生させてしまうように、MEMEは人間に気がつかれないように脳に寄生し人間の動きを支配しているかもしれません。
言語が人間の思考方法を変えてしまうように。

思想や言葉は生きて絶えず進化しています。
僕がボクシングへばら撒いている股関節理論のMEMEが数年後どうなっているのか、本当に楽しみにしています。

本当にいい本は人格を変えてくれるし、人生を変えてくれる。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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