「手数!手数!手数!手ぇ出さんかい!」

よもやま話戦略

今回は「手数信仰」について。
手数、大切です。
使いどころさえ間違えなければ。

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手数信仰

4回戦の選手の練習だとよく言われるのは「とにかく攻めろ」、「手数を出してりゃ勝てる」というもの。
素人同士の殴り合いなら、短いラウンド数で最後まで手を出した選手が勝てる確立は高くなります。

でも長い目で見るとよくありません。
身体にも悪いし、相手との駆け引きを覚えられないので手数が通用しなくなると勝てなくなり、試合ごとにボロボロ度が増していきます。

PFPファイターを見てもらえれば分かりますが、手数で押し切るなんて選手はいません。

一番簡単

何故手数信仰が生まれたのか。

簡単なんですよ。
「手を出せ」って言うのが。
何も考えなくてもいい。

もし企業や国家などの適切な競争が働く組織で「体力で押し切る」「従業員の労働力で勝つ」なんて抽象的なこと言っていると無能扱いされますよね。

ボクシングも同じようにただ手数を出すなんてことを発言すると無能扱いされなきゃいけないと思いますが、手数信仰が蔓延している、加えてトレーナー間の競争が緩いので何を言っても許される雰囲気があります。

無責任の拠り所

手数信仰ならトレーナーが負う責任が小さくて済みます。
負ければ「手数が足りなかった」勝てれば「手数を出せたから」。
簡単なんですよ。

選手に「こうこうこうやって勝つ」と具体的に練習させて、その作戦がハマらなかた場合はトレーナーの責任は重大です。
だけど、とにかく手を出せでボロボロにやられても「元々実力が及ばなかった」「手数が少なかった」である程度責任を選手に転嫁できるので、技術面や戦術面にフォーカスした練習より自責の念や周囲からの批判が軽くなります。
失敗の原因が「戦術」や「技術」になってくるとトレーナーのボクシングの理解度や頭脳面が批判されちゃって無能の烙印を押されます。

でも何だかんだで手数を出せる選手のメンタルが強いので何とか勝てちゃったりするんです。

手数信仰で勝てた成功体験を重ねて、手数信仰の敬虔な信者になります。

大切なのは駆け引き

強い選手にがむしゃらに手を出すのって危険なんです。
例えば日本のランキングでも上位に入っている選手になってくるとがむしゃらさだけでは勝たせてくれません。
何度も何度もやっていると相手もそのリズムとタイミングを無意識に覚えて、得意なカウンターを狙ってきます。

ロマチェンコ選手もゴロフキン選手も井上尚弥選手もスタミナがあって手数が出せます。
ロマチェンコ選手は以下の記事で解説したように基本的には駆け引きに労力を割いています。
相手のミスを誘い、そのミスに合わせて中へ入っていきます。
そこから手数を出して勝負をかけます。

井上尚弥選手が最近の試合で効かせたパンチはカウンターが多い。

相手にパンチを先に出させて、その後を狙う。
そのために駆け引きです。

その綻びから一気にこじ開けて壊してしまえばいいんです。

まとめ

ロマチェンコ選手もゴロフキン選手も動き回っていますが、相手にプレッシャーをかけるための、ミスを誘うための駆け引きに時間を使います。

そしてチャンスと見た時は一気に手数を増やして、相手のメンタルを壊していきます。

もっと相手との駆け引きを大切にしようよ。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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