制限ありとなしのトレーニング

トレーニング

平仲ジムではアマチュアの高校生を指導しています。
はっきりとみんなポテンシャル高いです。
それもあっていい加減なことはできないと言う意識が強く、彼らの才能の生かし方で悩みます。

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制約ありとなし

僕は自分なりの運動の原則を見つけ出して自分なりのトレーニングの理念と実践方法を考えました。

僕は今になればいい加減なことを真に受けて時間を無駄にしたな、と言う経験が沢山あります。
膝理論に母指球理論に。あげればきりがありません。
もちろんそれらはボクシングに対する考えを深めていくきっかけにはなったのですが、試行錯誤した時間を考慮すると大きな損失です。

また自分で考えることが大切だとも思っています。
確信を持ってやるのと人に言われたからやるのとでは上達の早さが違います。
また、自分で良し悪しを判断できるのはボクシング以外でも大切なことです。

上記の理由から細かく教えすぎる事に少し抵抗があります。
彼らの感覚に任せてしまった方が効率的なのではないか、細かく教えると才能を損ねてしまうのではないかと考えてしまうからです。

なので、発想を制限するような制約はなるべくしたくないと考えて、実戦に近い方法で自由にやらせていました。
しかしそれだと自分の好きなこと、得意なことばかりになってしまうんです。

また「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」で練習の一貫性が保てず、今必要な技術の練度が高まりません。
例えば制約なしで自由にやらせると、接近戦の打ち合いをさせていたつもりが、いつの間に足を使ってアウトボクシングの練習をしるなんてことが起こります。

同じ練習は濃縮させた方が効率がいいですし、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしていては肝心の核となる強力な技術が身につきません。

抵抗がありましたが「制約なし」から「制約あり」にやり方を変えることにしました。

この練習では攻防を分けて攻撃は左だけ、防御はハンズディフェンスを含めた全てのディフェンスをさせています。

なぜこんな制約をしているのかを説明します。

まず一つは攻撃面。

左を増やし、左の多彩さを持たせるためです。
はじめ、自由にやらせると彼らは攻撃がとても単調でリズムも角度も変わらない、工夫がないような印象を受けたました。

制約なしの実戦をやらせると同じことの繰り返しに終始し、左が増えることもフェイントや緩急を使うこともありませんでした。
何度かやらせてみても足踏みして進歩がないように感じました。

ディフェンス面はハンズディフェンスだけにならず、またガードを固めてやり過ごすだけにならずにヘッドムーブメンとを交えて欲しかったのですが、相手の左右のパンチの対応に追われてガードを固める動作に終始。
何度続けてもイマイチ上達しないように感じました。

そこで左だけに制限しました。
攻撃は左だけなのでフェイントや緩急などの多彩さがないとヒットできません。
守備側は左だけに注意を払うので、やってみたい遊び心のある動きを試してトライアル&エラーで情報収集ができます。

動きを制限することはあまり好きではありませんが、ある程度制約することも必要だと感じた今日この頃。

車の運転もいきなり公道走ると大事故起こしてトラウマになるのが関の山ですしね。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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