大胸筋による上腕トルクの至適角とリリースポイントが何故ずれるのかを考察し、その結論を基に室伏ベテルビエフゴロフキン打法の合理性を解き、その強さの秘密を暴きます。
最後まで読む過程で運動やボクシングの技術に関する理解が深まるような構成にしようと思います。
室伏打法
前提となる知識から。
ブレーキ効果
並進する物体の片端に急ブレーキをかけた場合は並進運動は回転運動に変換されます。
ブレーキにより逃げ場を失った並進の力とブレーキの力が合成されて片端から報酬されるからです(偶力)。
ブレーキ効果は、スポーツ指導の現場で曖昧に使用される「キレ」の具体的な説明として最も整合的だと思います。
ところで「ブレーキ効果」は僕の造語です。
偶力(couple of force)とは、平行で同じ大きさ、かつ逆向きの2つの力が、同一直線上にない状態で物体に作用する一対の力のことです
運動量保存則は、物体に外力が働かない(または外力の和がゼロ)場合、物体系全体の運動量の総和(ベクトル和)が衝突や分裂の前後で一定に保たれる物理法則です。
AI
二軸打法は股関節と肩関節の二軸のブレーキ効果により運動量を末端へ伝達します。
運動量の単純な定義
$ \boldsymbol{p}=m\boldsymbol {v}$
定義式より、運動量$\boldsymbol{P}$を一定とした場合、質量$M$が低下するほど物体の速度$\boldsymbol{v}$は上がります。
すなわち運動量保存則より
全身(質量大)→体幹(質量中)→腕(質量小)
と、末端へ行くに従い速度が上がると言い換えられます。
ブレーキが甘い場合は運動量が全身に分散するので末端(拳)の速度は物理的に上がりません。
「パンチは引く」の解釈はここから導けます。つまり、「キレ=ブレーキが大切」と言いたいわけです。
キレがある⇒静と動の速度差がある⇒ブレーキが上手い⇒技の効率が高い
と変形できます。
井上尚弥の動きのキレと彼の破壊力の説明の一つです。



ブレーキ効果⇒波⇒しなやかさ⇒視覚的(≠物理的)な柔らかさ
と言い換えることもできます。

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