肩甲骨ロックの感覚を共有します。
今回は小胸筋に特化した感覚。
肩甲骨ロックと小胸筋
前鋸筋はスポーツでもよく聞きますが、小胸筋はあまり言及されません。
しかしながら僕の感覚としては前鋸筋と小胸筋は対で肩甲骨をロックしています。両方を鍛えないとバランスが保てず拳の加速が甘くなります。下部が膨らみ四角い胸をしたロイ・ジョーンズやジュリアン・ジャクソン、GGGやフォアマンなどは肩甲骨の外転と前傾が強調された骨格をしています。
肩甲骨外転&胸椎後弯に要求されるのは小胸筋と前鋸筋の対の作用です。
また、前鋸筋について言及する人も、肩甲骨を”ロック”するのではなく、”動かす”という解釈をしています。インナーマッスルは骨格を固定しアウターマッスルの配置を合理化する、という僕のとは異なる解釈が与えられていいます。
あくまも推論の域をでませんが、競技の実践により得られた経験知としてではなく、教科書の知識だけを学び、それに弱者の立場から解釈を与えてしまったからではないかと考えています。
主張の文脈を読まず、弱者の視点で無理やり解釈した結果、非合理な常識として伝播したのだろうと結論しています。
あくまも僕個人が前鋸筋と小胸筋、ひいてはインナーマッスルの機能の誤解が弱者により広められていると感じているだけです。どちらを信頼するのかはあなたが決めてください。
閑話休題。
肩甲骨平面
肩甲骨を強くロックすると構造的に腕は肩甲骨平面上を加速します。
おそらく、ここを加速させるように人体が設計されているからで、肩甲骨ロックが起点となり、大胸筋や上腕三頭筋の配置を合理化するからだと感じています。現代は椅子に座る時間が長く、走りまわり物を投げることはしないので、成長と共にこの能力は失われてしまうのだと思います。
そう感じるのは義務教育前の保育園児の娘の動作には肩甲骨と股関節のロックが自然と効いているからです。
腕が肩甲骨平面上のみを強力に加速する制約は、元々は四足歩行用に設計された体を急遽二足歩行へ変更し、かつ投擲まで行う必要が生じたからだと思います。
メジャーの一流選手の投球をみても、腕は肩甲骨平面上を加速しています。肩甲骨ロックが腕のスイングを合理化するという結論は妥当な気がしています。
肩甲骨平面を抜けると腕を強く加速させられないどころか、小さな筋肉への負担がかかる故に怪我を導くと考えています。無思慮な筋トレでアウターマッスルのみへアプローチし、それを肥大化させた結果、骨格を繋いでいるだけの小さな筋肉への負担が増大し故障、みたいなのはその典型かと。
ボクシングに伝統的にに残されている縄跳びやシングルボールなどは、インナーマッスルを鍛えられることの重要性を感覚を頼りに発見した人がいたのかもしれないと感じています。
ウェイトトレーニングを嫌い、自重トレを推奨する人達はもしかすると、強者の残した認識を伝えているのかもしれません。
また脱線しました。
肩甲骨平面上を加速させるには小胸筋が大切な役割を果たします。小胸筋はなで肩に肩関節を押さえつけるような構造をしています。僧帽筋の緊張を抑えて肩が持ち上がるのを抑えてくれます。
肩甲骨をロックし腕で床をかくよう走ると床反力が増大し全身の速度が上がるのと同じ原理で腕を加速させているのだと思います。
蘇炳添
僧帽が緩んだなで肩で腕が床をかくように走っていますのが分かります。足が遅い人や運動が苦手な人が悪い意味で動きがギクシャクしているのは、小胸筋などの、体が上へ持ち上げられるのを押さえつける筋力が弱く、反射的に僧帽の力みが誘発されてしまうからではないかと考えています。
分かりやすいように動画を作りました。
肩は水平のラインを保ちます。ほとんどのボクサーは小胸筋が弱くこれができません。
自然にこれをやるなら、おそらくは超エリートです。野球だろうがバスケだろうが体格面をクリアできればなんでも成功するだろうと思います。
肩甲骨の外転前傾ロックでバットを支えています。
肩甲骨ロックでボールを支えています。
肩の水平ラインを保ち多角的にパンチを打つには脇腹の収縮が必要になります。
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