スポーツ技術と腸腰筋 「力の効率的な循環」

技術運動理論

結論:

「適度な前傾がエネルギー交換を助ける」という結論は、スプリントを単なる筋力の出力ではなく、**「環境(地面)とのエネルギー往復」**として捉える視点です。

腸腰筋が太いことは、この「エネルギー交換の効率」を極限まで高めるための**「高剛性なシャーシ」**を持っていることに他なりません。

腸腰筋が太く、骨格を安定させ、エネルギーをチャージする「構造」が完璧であっても、接地時間が長すぎれば、そのエネルギーは推進力に変換されません。

接地は意識的にコントロールできません。運動への意識の介入はそれを破綻させます。

次は腸腰筋が接地の巧さを規定している論を展開します。

強く床を踏める構造(腸腰筋)がエネルギーの交換効率を規定している、が今回の結論です。

腸腰筋が太いと出力が高いのに加えて、それが骨格を循環します。

力が関節から漏出せずに骨格を循環するから、タイソンや井上のように素早く動きを切り返せます。

骨盤の前傾の角度はどの程度が最適なのかは個人差があるはずだし動的な現象として捉えるべきですが、一般的な骨格(#)においては腸腰筋を鍛えて骨盤の前傾を一定の深さに保てることは股関節筋力の向上、すなわち推進力の向上、すなわち競技能力の向上を導くはずだと考えます。
#平均、中央値

また、後に述べますが、あくまでもこれはポテンシャルの話であり、決定論ではありません。

環境や性格、知能などの様々な変数との相互作用の摩擦によって全体の性質は決定されます。

腸腰筋が太いことはポテンシャルの高さであると同時に揺らぎ(ボラティリティ)の高さでもあります。

才能があるから大人に潰される子供がいます。才能は正負のボラティリティを増幅しています。大人に潰された井上尚弥、あるいはこれから潰される井上尚弥は大勢います。

何より腸腰筋だけを切り取って一面的に競技能力は説明するのは脆弱です。体は全体で一つだからです。

あくまでも一つの道標としての仮説です。

次以降は腸腰筋が足首の硬さや脱力にも構造的に影響していることを証明していきます。

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