試行錯誤への報酬≒ドーパミン

よもやま話トレーニング

 

スモールステップ

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上記の本に記載されていた、ドーパミンが分泌される条件を単純化すると
1.スモールステップ
2.試行錯誤(マンネリ化させない)
3.未来の利得の予測(計画)

これらの条件を満たす行為を計画した時とその計画が成功した時に、ドーパミンと呼ばれる生理的な報酬が得られます。

ドーパミンが導く所謂「楽しい」や「ワクワク」などの、「好奇心」と呼ばれる感情が人に備わっているのは、以下で述べるように、遺伝子を共有する群れの個体に「新規性」を追求させることが、その生存確率を高めることを導いてくるからだと考えています。

仮に同じ環境で満足し、新規性を追求しない個体ばかりの群れになると、少しの変化に脆弱で、何かの拍子に完全に絶滅してしまう可能性が内包されてしまいます。
現状の宇宙に長期間保存されている物と事は上記の淘汰圧を回避する論理構造を持っていると僕は考えています。

例えば人や蟻などの社会性生物はサボる奴が8割と努力する奴が2割の、8対2の法則で知られるパレート分布に従っています。
それは環境の変化に対応する為の、新規性を追求させる遺伝子の影響があるからと考えられます。

「楽しい」「ワクワク」→新規性の追求→環境の変化への耐性→自然界への保存確率の増加
この連鎖反応を導く論理的な妥当性がある、ということです。

これが成立するから、商品の売上の構成比が8:2へと収斂していくはずです。遺伝的に、結果の不確実な新規性を追求したがる少数派二割と確実な結果を得たい多数派八割が存在している。故に商品にもその分布が現れる、です。
i-phoneやキリスト教などの伝搬と普及もこの論理が当てはめられ、新規性を追求する二割が上記の普及を主導したと言えるはずです。

この構造以外はこの宇宙には保存されない不思議な法則。人が認知できないミクロの領域から発生した連鎖反応の結果に現れてくる構造があるのだろうと思います。

この論理を分かりやすいように具体的に蟻の群れで例えてみます。

蟻の群れにサボる個体がなく、皆が一生懸命に働いたとすると、突然の大雨や土砂の崩落、敵との遭遇などにより、一生懸命働く遺伝子を共有する群れは全滅します。故に自然界には保存されません。それを回避する為にサボる個体が要るのです。

ところで、生命が満たす条件を抽象化するなら、宇宙や言語など様々な物や事にもそれを当てはめられるだろうと思います。
この宇宙に保存される為の何らかのミクロな法則があり、それはマクロではパレート分布という形で出現してくる。
故に宇宙や脳、木や言語、線路などの構造は類似している。

宇宙を構成する、存在を存在足らしめる何らかの土台が、上記のマクロにおける類似性の由来なのだろうなと。

閑話休題。
飛躍し過ぎました。ボクシングへ戻りましょう。

ボクシングの練習も同じことばかりを繰り返すと蟻の群れがそうであるように、可能性から閉ざされて機会損失が膨らみます。

下校時に、好奇心に従い普段と異なる道を通った結果、新たな迂回路が発見できた、という経験はみなさんにもあるだろうと思います。それは「下校時間の短縮」という利得≒効率化を導くのです。

これと全く同じ論理がボクシングにも通用します。いつもと異なるやり方を追求するから、つまり、既存の一般化されているやり方の外へ飛び出して新規性を追求するから、その外にある資源が発見でき、それを独占することができます。

冒頭に記述したドーパミンが分泌される原理を文にすると
「極近い(スモールステップ)未来の計画を立て実行し、試行錯誤を繰り返すことドーパミンが分泌される」
こんな感じかと。

これは僕が個人の利得を最大化する上で論理的に妥当だと結論している方法でもあります。
逆に、既存の枠組みに従うことは、安定は導くことはあっても、環境の変化には脆弱で、また利得の最大化が難しくなります。

所謂オープンインドや仏教、哲学の根底にある法則だと感じています。
人の心を解放する宗教や哲学などは、「新規性の追求を促す」という生存戦略から演繹されているだろうと。つまりドーパミンの話をしているわけです。

宗教や哲学は遺伝子の生存価を高める為のドーパミンと呼ばれる分子構造から演繹された必然だ、と考えると面白いですよね。ドーパミンの分子構造へと難しい話が帰着していくわけですから。

遺伝子の相互作用という土台の上に新規性の追求という人の性質が構築されているのだとすれば、「好奇心が強い」と呼ばれる性格そのものも、遺伝子が生み出す個体差の一種なのでしょう。神から与えられた役割です。

既存のやり方を忠実に再現したい人、それよりはむしろ、新たな何かに挑戦したくなる人。
人の種類が大まかにはこの二つに分類できてしまうのは、遺伝的なドーパミンの受容体の数が影響しているのかなあ、と思っています。
システムを安定化させる為に、ある枠組みを真理として信仰する層。
と、それを嫌う層。
「神から役割が与えられている」とは、要するに遺伝的な性質の話なのだろうと思います。

こう捉えられると、何を言われても「なるほど役割が違うのか」と納得できてじいます。

 

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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