ドヘニーの骨格

運動理論

久しぶりにボクシングの話します。

ドヘニーの骨格について。

才能を定義するなら、長濱説では一つの要素として骨格を挙げます。

あらゆる競技において普遍的に見られる傾向だからです。
その傾向の根本は、腸腰筋と前鋸筋小胸筋が作り出す骨格の構造。ハムケツ大胸筋などの巨大な筋肉の収縮と重力による体の加速を合理化するからだと結論しています。

その視点でドヘニーの骨格を見るなら、彼は天才です。軽量級ではドヘニーほど湾曲し圧縮された脊椎を持つ選手はほとんど見られません。ネリは肩甲骨ロックが強い骨格をしていますが、ドヘニーから感じる骨格の強さはそれ以上です。

構造的に前方へ腕がスイングされるのでカスっただけで三半規管を揺らせます。見た目は地味ですが、やたら効かせます。ベテルビエフやGGGも同じ。カスったかと思ったら相手がダンスを始める系のパンチャー。ドヘニーは神から与えられた天性のある選手だと僕は感じています。

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ドヘニーのパンチ動作時のガード腕の位置。
下のGGGと同じ連動が起こっています。
これは前鋸筋小胸筋が発達している場合の姿勢反射だと考えられ、これが床反力を増加させる方向への質量の移動を起こして強力なブレーキ効果を起こしていると考えられます。
日本人の大半は僕が観察した限りでは下で説明するような逆の連動が起こります。

肩甲骨ロックが弱い場合、すなわち前鋸筋小胸筋が弱い場合は上記とは逆の、下の画像のような連動が起こり、身体の運動量は分散し拳の加速が甘くなります。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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