手打ちver3のガードの腕【前鋸筋】

運動理論
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下の記事の続き。

下のインスタの動画を見てください。
GGGのガードの腕が捻られ、両肩甲骨が外転しています。手打ちver3ではこの連動が自然に起こるのですが、今回はこの理由について考えていきます。

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両肩甲骨の外転

手打ちver3はこんな風に両肩甲骨が連動し、スイング腕とガード腕が体の中心(接地している脚の股関節軸)に巻き込まれます。

右のパンチの瞬間は左の股関節を軸に腕が巻き込まれるわけです。

GGGはパンチの瞬間はなで肩になって、肩が前へ巻き込まれています。

この連動が起こるのはみぞおちが潰せる場合に限ります。

潰れない場合は肩甲骨は逆の動き(内転)をします。

比較の為。

長岡のガード腕を見てください。

グラブの白い部分が見えていることから、肩は内旋し前腕は回外していることが窺えます。

恐らくこれは肩甲骨の内転に起因した作用です。

つまり、GGGと真逆の連動が起きているってこと。

パンチを打つ時にガード腕がどこかへ飛んでいってしまう原因だと考えられます。

弱い立ち方が原因。
それによって逆の自動制御が起こります。俗にいう「フィジカルが弱い」。

GGGのガード腕にかかる回転力を視覚化しました。

なぜこのような回転力がかかるのかを見ていきます。

姿勢反射

体には姿勢反射と呼ばれる機能があり、それは”反射”という名前の通り自動的に引き起こされます。
例えば歩きながら、走りながら転びそうになった時を思い出してください。腕がバタバタと動いて勝手にバランスをとってくれますよね。あれが姿勢反射です。自転車に乗っている時も転ばないように全身が協調して絶妙な質量の配置を行ってくれています。自転車に乗れるロボットがいないこと、自動制御の二輪車が無いこと(最近は制御し始めているらしいが…)から、いかにその制御が精密であるかがうかがい知れますね。
僕は気が付くのに時間がかかりましたが、優れた自動システムが僕の体を制御して、これを上手く利用することが競技力向上に繋がります。

体が傾いて脚のスイングと反対の方向へ質量を配置し右脚の運動量を相殺していることが分かります。

全人類にこの制御は起こるはず。

投球腕の右腕の運動量を相殺しバランスを保つために左腕は前へ伸ばされます。

投球腕がスイングされる瞬間は左腕は股関節付近に配置され床反力を増大させます。

骨格を伝う床反力によって身体の勢いを制止するわけです。

この連動も上手い下手に関わらず全人類共通しているはず。

パンチも投球と同じ原理によってスイングの勢いを制止します。

GGGのように、スイング腕に合わせてガード腕の肩甲骨が外転が起こるのは”みぞおちを潰した場合”の必然なんです。

みぞおちを潰す

次に姿勢反射により肩甲骨が巻き込まれる理由を考察していきます。

みぞおちを潰すと胸椎の後湾がおこり、肩甲骨が胸椎(みぞおち)の上に被さるような形になります。

GGGのようにみぞおちが潰れ湾曲が強調された背骨になると、肩甲骨はその位置関係から胸郭の側面へ押し出され、脊椎に覆いかぶさるような形になります。

GGGの肩がやや下前方向についていることからもそれが窺えます。

みぞおちは胸骨の終わりの部分。

みぞおちを潰すと胸椎は胸骨に持ち上げられるようにして後湾します。

すると肩甲骨が左図の矢印の方向へ押し出され、胸郭の側面へスライドしてきます。

みぞおちが潰れず肩甲骨が外側へ張り付いている場合、腕のスイングに合わせてガード腕の肩甲骨は脊椎側へ振られます。それは腰椎の後湾が弱い場合は肩甲骨のスライドが起こりにくいからです。胸郭の側面へ肩甲骨を押し出す反射の力よりも脊椎側へそれを引き寄せようとする構造的な力の方が強いので、そうなってしまいます。
GGGのような骨格の構造を作れた場合、腕のスイングの運動量を相殺するなら体を内側へ巻き込んだ方が良く、逆に背骨が伸びるか骨盤後傾の猫背のような姿勢の場合、肩甲骨背骨側へ内転させ胸を開いたほうが良いわけです。

とりあえず疲れたので今日はこの辺で考察を終わります。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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