ブルシット・ジョブの話

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最近面白い言葉を知りました。
その名も「ブルシット・ジョブ」。
日本語に翻訳すると「クソどうでもいい仕事」ですかね。
書籍もあるようですが、そこまではまだ手がまわらないので、Wikipediaから引用します。

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ブルシット・ジョブ

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ブルシット・ジョブ
ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。

Wikipedia

あるあるですね。
クソどうでもいい仕事は山程ある気がします。
正社員の経験がほとんどない僕ですら、頻繁に体験したことがあります。

思うに、文明化して時間が経過した社会は、ブルシットジョブの重みで潰れます。

文明化の一つの現象である都市化を例にブルシット・ジョブを説明してみます。

昔はネットがないので情報は市場(いちば)で収集しました。商人は商売の為に各地を行脚しますから、その過程で膨大な情報を取得できます。

定住先のない根無し草の商人やユダヤ人、中国人(政権が頻繁に変わり安定しない)は必然的に情報通になります。死活問題ですから。
手に入れた情報を活用して厳しい環境を生き抜いてきた先祖の価値観を受け継いでいる現代の中華系やユダヤ系が、世界的に見て商売に強い理由だと思います。

つまり、昔から商人が集まる市場は情報の宝庫。それを求めて色んな人が集まるので都市化していきます。

東京が分かりやすいと思います。
経済は政策の影響を強く受けますから、その中心となる東京には情報を欲しがる商人が集まります。するとその人達を相手に商売をしたい人、さらに、その人達向けに商売をしたい人…という風に指数関数的に人口が増加しています。
人が密集すると必然的に競合が増えて争いが助長されます。

そうなると、その争いを調停する人、また次の争いを防ぐためにルールを整備する人、争いで傷ついた人を癒やす人が必要になります。
また、次はルールを整備する政治家に口利きするロビイストへの需要が生まれます。すると、今度はロビイストの行為が合法であるかを見張る人、ロビイストへ商人を仲介する人…とこれまた指数関数的に仕事が増えます。

商人も髪の毛は伸びますから、散髪屋が必要になります。競合が多いと競争が激化するので利益は圧迫されます。すると、各々が自分に有利な環境を構築しようと流行の髪型を創り始めます。
すると、その流行(風説の流布)を創るのが得意な人達がボコボコ生まれます。その人達の間の競争が激化し、今度は流行を創るのを手助けすると豪語する広告会社や調査会社、コンサルタントと呼ばれる人達がボコボコ生まれてきます。
この連鎖反応が末端へ近づく毎にブルシット・ジョブの定義を満たす仕事が増えていくと思います。

都市化の例のように、仕事の為の仕事が指数関数的に増えた結果、社会全体はその重みに耐えられなくなります。

出生数増加か移民か、余暇を増やすかして生産された商品数の増加を支出で賄える間は、消費は拡大し政府による通貨の発行で対応可能なので、経済は循環します。

バブルがその典型で、商品数の増加に伴い信用膨張が起こりインフレしていきます。
現代の人気商品は仮想通貨、ハイテク株、半導体などでしょうか。
一旦循環が止まってしまうとバブルとは逆回転による信用収縮が起こり、経済は壊れます。

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報道にもあるように、仮想通貨や半導体、ハイテク株に関係する仕事の一部は詐欺まがいの、仕事の為の仕事でしょうから、それらブルシット・ジョブが余りにも増えすぎると、その重みで社会は潰されてします。

ローマの賢人セネカは仕事の為の仕事が余りにも増えすぎて、社会がその重みに耐えられなくなっている、という話をしているように思います。
セネカは、男が人生を推進する議論を止めて床屋に入り浸り、噂話で時間を潰して娼婦を買い漁る風景を見て世も末だと嘆きました。

「人生は短いぞ」
は、本当に意味のあることなのかを見つめ直せ、という風に受け取れます。

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都市化が過剰に進むと、その内に都市は自分で作り出した毒に苦しめられるという、自家中毒の様相を呈します。

既述の投資詐欺以外に沢山あると思います。
例えば、一部の「マナー講師」はマナーという問題を創造して、その解決方法を売っています。
こういった世にも奇妙な光景を目撃したことがある方も多いのでは。

こういった仕事が増えすぎると、マナーや礼儀が達成しようとした、先生から後生への効率的な知識と富の移転という意味が消失し、逆に後生から先生への富の移転という、崩壊への一歩を促してしまいます。
それは「子供に生活を託す親」と同じ尻すぼみの破滅の構造を演繹します。

SNSのマーケティング教えます!や子供の教育を教えます!系にも同じ構造が内包されているのが見えます。
売り手が創造した「こうあるべき」を達成するだけのシステムを売りつける行為です。
全てがそうだとは思いませんが。

競技力を向上させる為の動作を、より正確に行う為のトレーニング、みたいなやつです。
「え?え?どゆこと?トレーニングの為にトレーニングすんの?いつ競技力は高まるの?」と違和感を覚えた経験のある方もを多いのでは。

身近なボクシングジムでも似たような搾取の構造が散見されます。
それは、体を楽に強く速く思うがままに動かしてボクサーの内面を世界に表現する方法を提供する、という真の問題解決を放棄し、代わりに「基礎基本」という問題を創造して、その解決方法(反復練習)を売る、という行為に終始するようなこと。
基礎基本に限らず、自家中毒の症状は山程見受けられます。
厳しい言い方ですが、自分で分泌した毒に苦しめられるボクサーを量産するというのは、紛うことなきブルシット・ジョブです。

NISA、金融教育にも同じ構造が見えます。
そして、これこそは、将来に現れる最大の問題を演繹している危険極まりないブルシット・ジョブの一種ではないかとすら感じてしまいます。
運用は資産を守る為に必要です。
しかし、無闇な投資を歓迎することはブルシット・ジョブの一種です。

NISAは、投資という問題を創造し、その解決策を売るという行為に見えてまうのです。
しかも、それは将来の社会秩序を破壊する構造をも内包しているように僕には見えてしまいます。

インフレやデフレなどの経済的現象から資産を防衛する、という本質的な意味は失われ、NISAそれ自体が目的となっているように見えるからです。

例えば、米ソ冷戦期には「株式の死」と呼ばれた、高インフレに長期間に及んで株価が圧倒された時代もあり、今とその時代の構造は似ています。
そして、その後のソ連崩壊後のアメリカ一強の世界を、まるで過去から未来まで永遠に続いていくネバーランドかのように宣伝していることにも違和感を覚えます。

NISAという罪を創造し、それを回避する為の免罪符を買わせる詐取の構造なんじゃないの?と捻くれ者の僕は感じてしまうわけです。

神話的な物語が、資産の防衛という真の目的からは大きく逸脱した行為を助長し、それがまた将来に返済不能な負債(価値観なども含めて)を残してしまうのではないか、そして、それは娘の世代で破裂してしまうのではないかと僕は危惧しています。

負債の返済手段としての戦争の創造までが歴史の雛形ですから。
戦争を経験した世代も現代の僕たちと同じように「古臭い戦争の時代は終わった。これからは平和な時代だ。」と思っていたはずで、だからこそ我を忘れてマネーゲームに熱狂したのだと思います。

戦争こそ、人が人を殺すという、究極のブルシット・ジョブです。そしてご存知の通り、それは既に世界各地で創造され始めています。
世界中の中央銀行は債務を拡大させ、資産バブルを引き起こしています。それは持つ者と持たざる者の貧富の差の拡大し、それに伴う排外主義的なポピュリストの台頭を許します。次は混乱(資産バブル崩壊)の後で犯人探しが始まります。完璧に歴史の韻を踏んでいます。

1971年から起こっていること。

以上、ブルシット・ジョブに関する長濱説です。

あくまでも僕の想像力が創ったフィクションですので悪しからず。

結論は、人の文明はローマのように、最後はブルシット・ジョブの重みで自壊する、です。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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