不幸の正体 自己喪失 その2

よもやま話

今の社会で起こっていることは古代ローマの共和制崩壊前夜、黒船襲来から始まるの日本文化(社会の自我)の崩壊に酷似していると僕は感じています。大量虐殺が起こったフランス革命ナチスホロコーストもそうだっただろうと感じます。
二つの共通点は、行き過ぎた都市化と競争社会が社会の住人の自我を破壊したこと。社会の自己喪失は子供染みた無責任な大人を量産し、最終的には責任の押し付け合いから世界大戦などの社会の崩壊を招いていきます。
競争社会と人の性質から演繹される自然現象です。社会の自己喪失がSNSの罵詈雑言の源泉です。

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自己喪失

幼児の自我

子供の頃は自己と他者の境界線は曖昧です。幼児は友達の所有物と自分の所有物の線引きをしないし、できません。友達のおもちゃを自分の物であるかのように扱いますし、親や先生の意思は全てコントロールできると思いこんでいます。

これは親も同じ。親は子の所有物は自分の物だと錯覚します。子の心すら、子のおもちゃのように扱えると思い込みます。この同調が言葉を持たない子と親の意思疎通をある程度可能にしています。僕と僕の3歳の娘との会話は、きっと他人が聞くと意味不明です。言葉のリズムや表情、共有している経験などから僕は彼女が何を伝えようとしているのかを無自覚に推論し、彼女の意思を明確に感じることができます。しかし他人には恐らく無理です。言葉だけで意思疎通しているわけではないからです。

親と子の無自覚かつ強力な同調がこれを可能にしています。

思春期の自我

親と子だけの狭い社会だからこそ自己と他者の同調は成立しますので、子が学校という社会に溶け込んでいくに従い親と子の同調は少しづつ解かれていきます。同時に子は社会へ溶け込む為に要求される、他者と自己を隔てる境界線としての自我を獲得していきます。

なので思春期に親や周囲の大人が子に過度に干渉して客観的な正しさばかりを押し付けてしまうと、他者と自己を無自覚に同調させる習性が身に着いてしまうため、自己の境目がいつまでも曖昧なままで自我が獲得できず、周りと自分を比べ続けます。親子の適度な距離感の中で育まれる自我が人の幸せの為には必要です。

子を甘やかすことは子の心に親が同調することを、極端に厳しく育てることは親の心に子を同調させることを意味しますから、その延長線上で大人になってしまうと「他者が自分に同調しないと気に食わない」とか、「他者に同調していないと不安になる」といった自己喪失に陥ります。

大人の自我

幼児が友達のおもちゃを自分の物として扱うように、他人の行為をまるで自分の物のように扱う大人がSNSには大勢います。

当事者以上の当事者となり極端に誰かの行為を批難したり、他者の言動を自己のものと錯覚して悦に入ったり。「世間一般という虚構」を笠に着て自分自身の主張に権威を与え押し通そうとするなど。

家庭や政治、会社の決定のような公共的かつ強制力を持ちかねない事柄に対して個人が持つべき態度が、個人対個人に対しても成立するのだと錯覚し無関係の他人を批判しています。これは群れに依存し心がそれと同化してしまったことによって起こります。親に甘える子共のようなもの。

成長過程に、学校や家庭で客観的(社会的)な正しさを叩き込まれ、自分の心の底から湧き上がる真の正しさ(欲求)を認められなくなってしまった彼らは、自分自身の人生への関心と責任を失います。
時間を持て余した彼らは、彼らの貴重な人生の大半を誰かの評論に費やし、他者を貶めることで自分の存在価値を証明しようとします。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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