正統派の王道 vs. 相手の良さを消すスポイラー

戦略選手分析

井上尚弥 vs フルトン。決まりましか?まだ決まっていない?でも国内外ともにやるって雰囲気なのでその前提でこの試合が楽しめるような話していきます。
僕は本当に楽しみです。モンスターはとことんハード路線。生半可な相手は選ばない。
最近は尚弥くじの様相を呈しており、競合が我こそはと名乗りを上げ始めています。日本人でこれほどの選手が出てくるとは思いもしませんでした。

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さすがモンスター!

今回はフルトンの、というかフルトンのようなスタイルの選手対正統派ボクサーの歴史を見ていきます。

特にフルトン系で強い選手に限りました。

上の試合の挑戦者ケガイは挑戦時16勝10KO。ケガイは気の強さが見て分かりますし、動きからも並みの選手ではないことは窺いしれます。
しかしラウンドが進むにしたがってフルトンが対応力を見せ少しづつケガイの良さをスポイルしていきます。「速いパンチ→クリンチ」ってスポイラーの王道コンボを効果的に使用しています。

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代表的なスポイラー

スポイラー

フルトンのような相手の良さを消すようなスタイルは「スポイラー」と否定的な意味で呼ばれたりします。相手の強みを無力化することに特化した選手だと考えてください。

スポイラーなんて言ってしまうとファンの方に怒られそうですが、一般的にボクシングファンからスポイラーと認められている且つ僕がそう感じる選手の対王道ボクサーとの戦いを振り返って見ていきます。

“エイリアン”ホプキンス

エクスキューショナー期も相手の長所を消すスタイルですが、エイリアン期になるとその特徴がより強調されました。キャリアの初期は割と凶暴なスタイルなんですけどね。加齢も考慮して徐々にスタイルが変わっています。

閑話休題。正統派対ホプキンスを振り返ります。

フェリックス・トリニダード戦

当時全勝のスーパースターをホプキンスが完封。
僕は当時は高校生か中学生でニコ動やその他の動画サイトを利用して過去の動画をあさっていました。
ティトの試合を探していたらたどり着いた試合。試合運びのあまりの渋さにホプキンスファンへ転向。ティトの突進をチェックし続けるジャブ。鉄壁の守りから隙を突いて急所に放たれるワンツー。後半はイラついてラフになってきたティトを子供扱いしノックアウト。

オスカー・デラホーヤ戦

当時のデラホーヤは負けもありましたが正統派のスーパースター。ホプキンスは当時40くらいか?
デラホーヤは速く強い左が武器ですがホプキンスのフットワークに得意な距離を封じ込まれました。最後は左ボディーで悶絶。

久しぶりにみると凄まじい緊張感。
両選手の眼光とコミュニケーションにも注目です。

“マネー”メイウェザー

プリティーボーイ時代はどちらかと言えばスピードスターという評価で、キャリアの後半のような消極的な選手ではありません。
マネーからですね。メイウェザーが今のスタイルになったのは。

リアルタイムで見たと思います。
当時全勝のスーパースター候補のカネロをメイウェザーが完璧にスクール。
ここまでの差があるとはカネロすら思っていなかったと思います。アンチメイウェザーですら認めざるを得ない巧さでした。

アンドレ・ウォード

WBSSのようなトーナメントが2009年にスーパーミドル級で行われました。当時の人気選手が参加したこともあって話題になりました。剛腕や技巧派がしのぎを削り、ウォードが頂点に。

フロッチ、ケスラー、エイブラハムに連勝しています。正統派の強さを印象付けるスタイルではないのですが、ウォードは掴みどころがなくのらりくらりとポイントを奪ってしまうんですよね。特に密着戦は反則スレスレで、レスリングと揶揄されたりもします。

ホプキンスもレスリング強いですね。フルトンのスタイルも似たようなもの。

スポイラーの戦術

インサイドファイティング

パンチ→クリンチ→密着戦。
これがいわゆるスポイラーの王道かと思います。

ウォードやホプキンス、メイウェザーほどの執拗さや手慣れた印象は受けませんが、フルトンもクリンチが速い。加えてあの手足のスピードなのが厄介ですね。
パンチをもらわないことを何よりも大切にしていて、危険な中間距離は徹底的に拒否します。

アウトボクシング

もう一つは既に述べていますがフットワーク、距離感ですね。厄介なのは。
フルトンは足が速い。ロープへ追い詰めてもスルスルと抜けていきます。下手に近づくと上記のクリンチからの密着戦へ以降されるので、気をつけないと体力を消耗させられます。

上記のボクサーやフルトンの共通点は守り重視のスタイル。
ベテルビエフやカネロ、GGG、モンスターのような正統派な強さを押し付け、派手に倒すスタイルではないので印象に残りづらく、故に過小評価されがちです。しかしウォードとメイウェザーは全勝。ホプキンスのキャリアの後半は正統派の芽を摘む仕事をしていました。

僕はこの手のボクサーが一番厄介だと思いますね。彼らの強さは見た目のスピード、パワーにない所ですから。孫氏の兵法でこうしろってやり方ですね。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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