ベテルビエフ vs. ヤード 鬼やん

選手分析
選手分析

「ハイガード」と「ハイプレッシャー」と「ハードパンチ」。ベテルビエフ三種の神器。
ヤードの殺人パンチを何事もなかったの如く跳ね返しながら無尽蔵に大砲をぶっ放す。もはや歩く要塞。「19勝19KO」の「三団体統一王者」。圧倒的な肩書も納得の強さ。

スポンサーリンク

ベテルビエフ vs ヤード

試合と両選手の総括

ヤードは運動なら何でもできますって印象の選手。恐らく何やらせても成功しただろう身体能力です。ちなみにベテルビエフに挑戦時の戦績は23勝22KO2敗。ベテルビエフの異常さのせいで霞んでしまうのですが、これ単独なら圧倒的な威圧感ありますよ。
今回ベテルビエフに対してクリーンヒットを奪い、逆転を狙った攻勢でベテルビエフを下がらせるといった見せ場もきっちり作りました。ヤードは身体能力も凄いですがメンタルもそれに劣らず強い。
コバレフとベテルビエフに挑戦して失敗しているだけ。生まれた時代が悪かった。彼らがいなければイギリスの人気重量級チャンピオンに君臨していたはず。その程度のポテンシャルはあると思っています。重量級であの筋量、にもかかわらずキビキビ動けんのだから動物並み。

ベテルビエフはヤードにクリーンヒットを奪われてダメージを受けたか弱気になったか?と思われる場面もあったのですが、きっちり立て直してコーナーにおびき寄せ逆襲。インサイドの火力は人間離れしていて、密着されると伝家の宝刀”ワンインチパンチ”で終わります。
全体を通してフィジカルモンスターのヤードのそれが一段見劣りするほどの怪人ぶりを見せつけてくれました。

繰り返しになりますがヤードの戦績は23勝22KO。このヤードのパンチの大半を跳ね返すのから、ベテルビエフのディフェンスは鉄壁と言えます。加えて近づけば骨まで砕きそうな前鋸筋ショット。全KOで三団体統一はもっと評価されて然るべきだと僕は感じます。
38歳と時間もありませんので、ビボルとの四団体統一に進んでもらいたいところ。どちらが勝っても歴史にも名が刻ます。そんな選手を正しく評価できないならボクシング業界は終わっている。

ビボルはキルギス人、ベテルビエフはチェチェン人。実力の割に人気が無いのは歴史的に経済力の乏しい地域出身だからだと思います。チェチェンの歴史をしれば、彼がどれだけのハンディキャップを覆してきたのかの一端を感じることができます。

前鋸筋ブロッキングと手打ち

ベテルビエフはKO率の高さや風貌からパンチ力にばかり注目してしまいますが、彼はディフェンスが鉄壁です。カネロのような華麗なヘッドムーブメントはありませんが、ガードの固さは圧倒的。カネロ以上の鉄壁でベナビデスと双璧を成しています。

ところでベテルビエフは骨格がでかいのですよね。何となくの印象論なのですが、でかい骨格を支えるためのインナーマッスルが強靭なんじゃないかと僕は思うんです。
代表的なのは腸腰筋と前鋸筋。

前鋸筋と腸腰筋が効いた姿勢は大体こんな感じ。

コツを掴むとできます。長岡も少しづつ掴んできていて、かなり力が出せるの感じている様子。今回の大阪東京ボクシング教室で唯一この骨格立ちができたのはMMAの大尊伸光選手のみ。

最近になって僕はようやくこの構造を強調できるようになってきて、その本当の重要性を体感できるようになりました。

パンチもこの骨格立ちの構造の強さを利用しています。

ベナビデスは恐らく僕と同じバランスで立っていると思います。

兄弟で似たような胸椎の湾曲なので、腸腰筋と前鋸筋が先天的に強いのか、お父さんが構えを仕込んだのかなと。恐らく両方かと思いますが。

ベテルビエフも同じですね。
みぞおちが潰れて胸椎が後湾するので顔が前に突き出ます。

嘘だろって気がするかもしれませんが、全身の骨格が床と接続されるので、腕がパンチの衝撃でびくともしなくります。

ベテルビエフもベナビデスも重量級なのにパンチの始動が爆速ですよね。
前鋸筋が効きまくっているからだと考えてます。手打ちver3は前鋸筋を強く効かせる構えとフォームでパンチを打つのですが、かなり高速かつ強力に打てます。彼らを見ているとミラーニューロンが同期するからなのか、前鋸筋が効いているんだって体感を覚えます。

復帰戦でご披露いたしますのでご期待ください。
追って詳細はブログでご報告いたします。

骨格立ちver2は胸椎の肩甲骨付近が後湾します。

骨盤後傾の猫背は胸椎の真ん中、背中の中心が後湾しますが、上記の姿勢は骨盤は前傾します。

意図的に背骨を操作するのではなく、股関節へきちんと体重を乗せられると自動的に胸椎は後湾します。意識してはいけません。

次回ボクシング教室までに誰でも体得できるような方法を見つけることが目標です。

長濱陸Tシャツ

お求めはこちらから

お問い合わせはこちら

パーソナルトレーニングやグループトレーニング、セミナーや取材、YouTubeコラボなどのご依頼はこちらからよろしくお願いします。

トレーニングの依頼などはこちらから

スポンサーリンク
Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

股関節おじさんをフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
股関節おじさんをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました