手打ちver.2.0
肩甲骨の可動性
手打ちver.2.0は背中(肩甲骨)の動きが大切です。
長岡は毎日自主的に肩甲骨を動かす練習をしているみたいで、日増しにパンチが鋭くなっています。
僕は小学生の頃6年間スイミングスクールへ通い、2年間は選手として大会出場を目標に活動していたので泳ぎが得意です。
それが理由ではないかと思うのですが、肩甲骨を一般的なボクサーより自由に動かすことができます。
恐らくそれもあって、僕は手打ち2.0に気が付いた瞬間に競技力の跳躍が起こりました。
長岡は僕が見てると肩甲骨と股関節の連動性が弱く、僕が説明する動作を強力に起こすことができません。
以下の動画の左フックは打ち下ろし気味なのがお分かりになりますか。
「背中で一瞬で殴る」意識をすると自然にこうなるのですが、この動きはクロール、平泳ぎ、バタフライなどの泳ぎの動作の初動とそっくりなんです。
水泳の選手として激しく肩甲骨を動かすことを要求されたので、無自覚に肩甲骨が開発されていたのかなと今になって水泳の先生に感謝しています。
GGGのパンチやカネロのパンチって独特な軌道なんですが、背中を使うと自然とそうなるんですよ。
どうやって説明すればいいのかと考えていたのですが、偶然説明が完了しました。前鋸筋です。
ただ、前鋸筋を使って肩甲骨を動かすのは難しいみたい。
やり方とメカニズムを長岡は理解はできるようなんですが、どうしても背中の動かし方が掴めないようで苦戦しています。
まあでも肩甲骨を動かす体操を始めてから変わり始めていますので、興味がある方は長岡のインスタからメッセージして何をやっているのか聞いてみるのもいいかもしれません。
長岡は僕と違って親切なので答えてくれるかも。
パンチの軌道には前鋸筋を利かせられるものとそうでないものがあり、前鋸筋を利かせ打つ場合、拳は前へ飛んでいきます。
僕は元々無自覚に前鋸筋を利かせる打ち方をしていたのですが、これを強調するとパンチはさらに激変しました。
前鋸筋を利かせて「腕→肩甲骨→体幹→股関節」が連結されると、単位時間当たりに力をギュっと詰め込むことができるので、撃力のグラフを鋭利にすることができます。
まだ全体のイメージだけなのですが、二軸、ゲンコツ、骨格立ちなど僕がこれまで話してきたことが統合されまる予感があります。
以下肩甲骨が高める全身の連動性についての長濱説のアイディアをつらつらと書いていきます。
肩甲骨
肩甲骨は左のように平均的な骨格では背中に張り付いています。
ただ、骨盤の前傾が深いと肩甲骨は外側へ押し出されて横へスライドするので、アスリートの肩甲骨は身体の横に突いているように見えます。
簡単に以下画像で証明します。
背中の上部が盛り上がっています。
また上腕が内旋を伴いながら、前向きに生えているのがお分かりいただけると思います。
ジョシュアの脊椎は異様なほど湾曲し肩甲骨が盛り上がっていますね。
GGGの骨格は特に異様で人間離れしています。
肩甲骨がスライドする特徴がかなり強調されています。
腕が前に生えているのが分かりやすいですね。
もはや腕というか四足歩行動物の前肢。
一時期は現役最速との呼び声も高かったロッベン。
GGGと同様に肩甲骨が盛り上がり、腰椎がくびれた異様な骨格をしています。プリケツ。
サッカー界のサイボーグ。
背中の上部が盛り上がり腰椎がくびれた骨格をしています。
上記の選手と同じような厚みのある楕円形の体。
ボルトは特に異様な脊椎で背中の盛り上がり、頸椎の前傾がかなり強調されています。
大木のような体幹の太さに前に生えた肩(足?)
手の甲の向きがGGGと同じ。
体幹がぶっといのは腸腰筋に内臓が押し出され内臓で腹部の筋肉が押し広げられるから。
あとは湾曲した脊椎の構造上、内臓が腹部に押し出されるからだと思います。
話を戻します。
関節窩は左図のように上腕骨頭がハマるような構造をしています。
元々は四足歩行において地面を押して体を支えるための構造だと思います。
パンチが巧い選手は肩甲骨で衝撃を受け止めます。
二軸が合理的であるとする説明の一つです。
人の肩甲骨は背中にあるので、二軸のスコープ内に相手を収めるように拳を衝突させれば、その反作用を肩甲骨に当てて押さえつけることができます。
支点が股関節のみの一軸のスコープはこう。
パンチの衝突の衝撃を肩甲骨に当てられません。
テニス、野球などで外に腕を振るのは腕の運動エネルギーを肩甲骨で受け止めて腕を推進するためですから、パンチもそうあるべきで、一軸のスコープで人を殴るのは、人体の構造上、非合理的だと思います。
一軸のスコープの場合、拳の衝突の衝撃は靭帯で受け止める必要があるからです。
力積のグラフは緩やかなスパイクを形成するため衝撃は弱くなります。
前鋸筋→胸部→腹部→臀部
二軸のパンチの推進方向と肩甲骨の関節窩の方向を一致させるのは前鋸筋です。
骨盤が前傾し前鋸筋が利きやすい骨格ほど、自然な二軸になるのでしょう。
腕の推進の反作用を肩甲骨へダイレクトに当てて「前鋸筋→胸筋→腹斜筋→臀部」が腕に連動させる仕組みなのかもしれません。
論理としては「股関節→腕」ではなく、「腕→股関節」。
僕の初めのころの考え方とは論理が逆転しています。
二軸は前鋸筋が利きやすくするので手打ちが強化されます。
股関節の筋肉が体幹を回転させる方向と一致していることは偶然ではないはず。
例えばトラックを押す場合を想像してください。
その時、体幹の動きは一切意識せず腕力で思いっきり押すだけしょう。
既述の構造は無意識による全身の筋力発揮を誘発する仕組みじゃないかって思うのです。
まは人は視覚での情報処理が大半ですので、視野に捉えやすい腕を起点にすると全身を連動させたいのかも。
手打ちver.2.0の動作の立ち上がりが爆速なのは、前鋸筋が利いて体幹に接続された腕が、骨格を介してダイレクトに床を押してくれるからです。
また衝突時に肩甲骨が腕の推進方向と一致するので、力を逃がさずターゲットに伝えることができます。
前鋸筋と股関節を強化すると全身が一体化するのかも。
ところでまだ関西ボクシング教室の枠がいっぱい余ってます!
手打ち2.0は僕の心を抑圧から解放し、さらにありのままに近づかせてくれました。
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