合理的なカネロ・システム PART3

戦略
戦略

保存したまま忘れてたシリーズを時々やります。
途中で疲れて「まあ、いつでもいいやー」ってやらずに放置されたものが100くらいあります…

やる気のないときにやると質が落ちてしまうと考えているので話がとびとびになってしまいます。
申し訳ありません。
完結前のものがたくさんありました。

ここまではカネロ・システムに必要な実践的な動作を見てきましたが、今回は戦術の相乗効果である全体像、戦略を見ていきます。

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カネロ・システム

あくまでも自然選択により、たまたま環境に適した勝ちやすい技術だけが残された結果、以下のようなスタイルに収斂したというのが僕の考えです。
計画された偶然によって作り上げられた、みたいな。

プレッシャー&ディフェンス&カウンター

まずはプレッシャー&カウンターです。
プレッシャーをかけながらカウンターを奪っていきます。
アルバレス選手は相手の右のパンチと同時にショルダーロールとバックステップで距離を取り、アッパーをカウンターするのを特に得意としています。

アルバレス選手はパワーがあるので相手は近づけたくありません。
しかし、アルバレス選手のプレッシャーはジャブだけだと受け止められません。

じゃあどうするかといえば、右で突き放すか足を使って言わば逃げ回るかがほとんどだと思います。

右を使った場合です。

プレッシャーとパワーにより相手は半ばパニック。

アルバレス選手のパワーならそれも当然です。

アルバレス選手は奥脚の股関節に乗ったディフェンスのポジションをキープし距離を取りながら相手の左をハンズディフェンスではたき落とします。

相手はジャブで突き放せないので、距離が近くなります。

アルバレス選手を近づけるのは自殺行為。
さらに緊張が高まりまります。

突き放そうと慌てて右を振るので動作の精度、パワーとバランスを欠いた攻撃になります。

ミット打ちやサンドバッグ打ちでこんな風になることはないはずです。

こうなってしまうのはよほど平常心を失っているから。

パワーとプレッシャー」。

これが相手の平常心を失わせます。

また、相手は空振りをする度にカウンターのイメージが頭を過ぎり緊張が走るはずで、それが無意識レベルで「右を打ちたくない」という条件づけになります。

ラウンドが進むごとに少しづつ、しかし確実に動機という心の力を奪い、相手の「思考」を促すことができます。

試合中に考え始めることは悪循環の始まりを指します。
考え始めてしまったら最後、アルバレス選手はその時間を利用してやりたいこと、つまりハードショットを狙い始めます。

左だけでは止まらないアルバレス選手に対して相手は強い右で前進を止めるか、逃げ回るしかありません。

確認になりますが、これはアルバレス選手のディフェンスポジションでカウンターを狙う姿勢です。

上の場面と似たような空振りに対してカウンター。

プレッシャーとカウンターで相手を思考の悪循環に陥らせることがアルバレス選手の勝ちパターンです。

相手が考え始めるとはアルバレス選手には時間的な余裕を生まれます。それは心理的な余裕に繋がりキレと伸びのある一撃、またフェイントを多用させることになります。
アルバレス選手のフェイントが出始めると相手はさらに余裕を失い、パンチのキレと伸びがどんどん失われていきます。これこそがアルバレス選手がよりカウンターやハードショットが狙いやすくなる好循環です。

必要な戦術は「パワー」「プレッシャー」「ディフェンス」「カウンター」「フェイント」。これらの相乗効果により相手を悪循環に、言い換えるとアルバレス選手の好循環へ引きずり込みます。
この一貫したシステムが僕の考えるカネロ・システムです。

相手がどんな方法で戦略の悪循環を抜け出そうと試みても、その選択肢を潰して悪循環に留め続ける。
足掻けば足掻くだけ消耗していく蟻地獄のような戦略

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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