長いジャブを打つ

トレーニング技術

踏み込む必要のない中間距離でサンドバッグ打つのって楽ですが、快適な距離でばかり練習しているとそれが癖になって実戦で苦労します。

平仲ジムの選手達のサンドバッグを打つ距離は短いと感じました。
目的意識を持ってやっているのであれば問題はありませんが、漠然と「快適だから無意識に」だと実戦では問題が起こります。

色々改善策を考えてみましたが、その一つが「長いジャブを打つ」です。

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長いジャブで主導権を握る

ジャブが短いと打ち合いの距離でしかボクシングを組み立てられません。
相手もジャブが苦手とか打ち合いを好むといった都合のいい傾向があればそれでもいいんですが、相手が空間を上手く使える選手だと左で崩しきれずにカウンターをボコスカもらいますし、相手のリズムを崩せないので、踏み込みの準備をしている時間と心の余裕を利用されてディフェンスされてしまいます。

長いジャブで相手の快適な間合いやリズムを作らせないことで、戦いを優位に進めることができます。

GGGのジャブがとても分かりやすいです。
僕はGGGとセルゲイ・コバレフ、マイキー・ガルシアからジャブの重要性を学びました。

ジャブで相手の体勢とリズムを崩すから強打に結びつきます。

このジャブをみてください。

距離感が抜群です。
肘が伸びきる直前に顔面へ拳を到達させて、打ち抜く。

拳の衝突時に腕が一本のつっかえ棒になるから、衝撃を肩甲骨で受け止められて相手の脳を強く揺らすことができます。

このジャブがあるからこそ、GGGは距離を保ちながらプレッシャーをかけられ、心と時間の余裕を失った相手に得意のロングフックを叩き込めます。

GGGシステムの根幹です。

ジャブは中核となる技術

ジャブの距離でプレッシャーをかけられること、相手のリズム、パワーポジションを崩せる技術があることが主導権争いの根幹を成します。
打ち合いにならないから楽に戦いを進められます。

サンドバッグで快適な中間距離にずっと留まってはいませんか?
ボクシングの試合を前提としたバッグ打ちができていますか?

ボクシングが中間距離から始まることは稀です。

お互いが打ち合いを得意としていて、至近距離を苦手としている場合のみです。組み合わせの数からいうとほとんどそんな好条件は揃いません。

大方はジャブの距離での探りあいからスタートして、左やフェイントで相手のリズム、パワーポジションを崩して踏み込んでいきます。
サンドバッグ打ちでもそれが前提になります。

快適な間合いでばかりサンドバッグを打っていませんか?
実戦をイメージしてみてください。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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コメント

  1. まじかな より:

    長濱さん

    いつもお世話になっております。
    自分は今研究職で働きながらプロを目指しています。長濱さんの理論的な体の使い方に感銘を受け、教科書のように使わせていただいております。本当にありがとうございます。

    さて、最近ようやくジャブの半自動で打つという感覚が掴めてきて、さらにレベルアップを目指しています。そこでもしよろしければ以下についてアドバイスをいただけないでしょうか?

    ・パワージャブの際の肩入れ
    mikeyやgggで顕著だと思うのですが、右肘が吊り上がるように右脇や右肩が回転していると感じます。クリーン等同様、蹴りの波の連動をうまく後ろ方向のベクトルに伝達させているのかなと考察しています。ただ、中々うまく肩を後ろに押し出す感覚が掴めないのですが、これはどこの筋肉を働かせているのでしょうか?もし適切なストレッチ、トレーニングなどございましたらお教えいただければ幸いです。

    長文大変失礼いたしました。
    よろしくお願い致します。

    • 働きながら戦うのは大変ですが、同じ境遇の方々に勇気を与えると思います。頑張ってください!

      本題です。
      マイキーやGGGのジャブの際の連動についてです。
      これも僕が散々述べている股関節、今回については主にケツが影響していると考えています。

      ジャブの時には右脚で踏み込みます。

      その時、体幹は自然と時計回りに回転します。
      これは右大臀筋の収縮方向が関係しています。

      脱力してケツの力を上手く骨盤へ伝えることができれば、左右大臀筋の収縮に伴った左右股関節の内外旋と骨盤の2軸回転が起こります。

      陸上短距離、特にボルトにこの特徴が顕著に現れています。

      恐らくですが、接地の瞬間のケツのSSCにより骨盤が左右にグリグリ回転させられて身体がねじられる感覚があるはずです。

      この時は骨盤の回転に連動して外腹斜筋や大胸筋などの体幹筋群の連鎖収縮、また臀筋群と股関節内旋筋群の連鎖収縮が起こり、半自動的に自然な脚振りが行われる仕組みがあると考えています(長濱説)。

      これが自然に行われ、右半身にそれが現れているのがマイキーとGGGです。

      こうあるべき、こうしなければならないという子供から養われた固定観念やボクシングや武術の常識が無意識下で股関節と右半身の自然な連動を阻害しているかもしれません。

      今回説明した自動の脚振り運動を利用した打撃動作が顕著だと感じるのは他にはカネロとカシメロです。
      特にワン・ツーで顕著になります。

      簡単に別の記事で解説していますが、以上の連動についてはもう少し深めて記事にします。
      お待ち下さい。

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