愛されジュダーさんと勝負の鬼のメイウェザー

選手分析
選手分析

この試合は確か僕がボクシングを見始めたころの試合ですね。
ただのボクヲタ時代なので15年くらい前なのかな。

大吾の試合を見ていて、この試合を思い出しました。

今でこそディフェンスマスターのイメージがあるメイウェザーですが、当時はまだ「プリティーボーイ」の「スピードスター」でした。

ジュダーもスピードで売っている選手でWOWOWでは「瞬き厳禁」が売り文句だったと思います。

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メイウェザー vs. ジュダー スピードスター対決

僕は小中高と2chに入り浸っていたねらー(いま言わないのかな)だったんですが、ジュダーは「ジュダーさん」の愛称で呼ばれてかなり人気がありました。
僕も大好きな選手でした。
当時は他にもジェームズ・トニーが「トニーさん」って呼ばれてましたね。
あとスベン・オットケが「オットケさん」って呼ばれていました。
強いだけでなく、スタイルとか私生活がユニークな選手に「さん」をつける文化がありました当時は。
なので僕は癖でついついトニーさんとかジュダーさんて言ってしまうんですよね。

ジュダーさん

簡単にジュダーさんについてお話します。

ジュダーさんって試合が始まってからは圧倒的なスピードとセンスで相手を圧倒するんですよ。
だけど、スピード一辺倒で後半になると相手に読まれてしまうのと集中力のガス欠を起こすので後半はジュダーさんに似た別人になります。
3ラウンドまでなら史上最強とか言われてましたし、それが過言ではないんじゃないかと思えるほど強かったんです。

ドラゴンボールで主人公の悟空が使う技に界王拳という技があって、その技は短時間だけ身体を強くできるんですが、効果が切れてしまうとヨレヨレになってしまうんです。
ジュダーさんのボクシングは「界王拳3ラウンド」とネタ的に使われていました。

スピード対決って謳い文句だったんでうが、実際はジュダーさんがスピードで圧倒するんです。

当時でも階級最強という評価のあったメイウェザーをジュダーさんは界王拳3ラウンドを使ってどんどん追い詰めていったんですよ。
ダウンも奪っていましたが、速すぎてレフェリーが見逃していましたね。
試合の展開が速すぎて実況の高柳アナは「おととととと」とか「うおぅうう」とか滑舌も追いつかなくなってました。

メイウェザーは最大の武器であるスピードで圧倒されてしまったですよ。

でも途中でやっぱりジュダーさんの界王拳が切れてしまって。
最後は乱闘騒ぎにもなってましたね。

戦術の放棄

当時はジュダーさんの界王拳がもっと続けばなあとしか思わなかったんですが、今になって思えばあの試合はメイウェザーの強さ、底力を見せられた試合だったのかのかな?と思います。

まず何が凄いかって、スピードで勝てないと分かったメイウェザーはすぐにその戦術を放棄したんです。
普通は自分の最大の武器を上回れてしまったら「くそったれ!まけねぇぞ!」って出力を上げちゃたり、それじゃ勝ち目はないんだけど、それが一番安心するからってこだわっちゃうんですよ。

でも大体はそれは力みや体力の無駄な消耗に繋がる悪手である確率が高いです。
そんなことは経験上みんな知っているんですよね。
傍から他人の試合を見てると「なんであの選手はこんなバカなことをしているんだろう」って思うんです。
でもいざ試合の当事者になったら、何がなんだか分からなくなるんです。
自分が今などんな状況で、今どんな土俵で戦っているのか。
普通は分かるはずがないし、コーナーに説明されても認められなかったりするんです。

目的と手段の分離

だけどメイウェザーは違いました。
すぐに自分の最大の武器を捨てて別の武器に換装したんです。
しかも何の未練も見せずにです。
普通は自分の武器を捨てているつもりで、捨てきれずにここぞって時にそれを使おうとしちゃうんですよ。
だけどメイウェザーは捨てたら微塵も未練を見せません。

自分の本来の姿であるフィリーシェルスタイルとスピードを捨てて、徹底したハイガードボディーブローでジュダーさんを削っていくんです。
今になってみるととんでもないことをメイウェザーはやっているなって分かるんです。
少しの未練も見せずに自分自身を捨てる。
本当に難しいんです。
僕は最後までそれが捨てられませんでした。だからこそ目を怪我してしまいました。

メイウェザーにとってはあくまで勝利が目的で、自分自身はそのための道具に過ぎないんだと思います。
自分自身は金を稼ぐための道具としか思っていない、ある意味サイコ野郎なんだと思いますし、だからこそ目的と手段を完全に分離できたんだと思います。

試合中ですら自分自身を俯瞰できる頭の良さと柔軟性、自分自身の好みではなく勝つというただ一つの目的のために意思を貫く固い意志で勝負に徹することができるからこそ、世界の第一線で十年近く戦い続けながらも彼は誰にも負けなかったんだと思います。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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