道を見失い、そしてたどり着いた原点 OPBFタイトル戦

プライベート
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井上選手に負けた後、試合を見返してみれば負けた理由ははっきりしていたように見えました。
一つはセコンドとのチームワーク不足、次に井上選手のアウトボックスに気がつかなかったこと。

『なーんだ簡単じゃん』

次は負けない。
そんな風に簡単に考えていたんです。

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失敗を重ねる

そんな風に簡単考えてしまったから、また失敗を重ねます。
元日本王者の永野祐樹(Twitter)選手との試合です。
この試合は試合までの準備期間が約2週間しかなかったことや他にも色々があったので負けを認めていなかったんですが、この失敗も今になれば僕の甘さが招いた事態だと思っています。

僕はこの負けから本当に迷いました。
ゲンナディ・ゴロフキンの幻影に憑りつかれてしまっていたんです。
どうしても当時最強だったゴロフキン選手やセルゲイ・コバレフ選手のようなパワーボクシングがやりたかった。

永野選手への負けにより、自分の中で何かが噛み合わなくなってしまったんです。
試合でも精神が統一されておらず集中できていない。
上手くいかない。

これではダメだと環境を変えました。
ジムの移籍です。
具志堅ジムのマネージャーや会長は僕の意思を尊重してジムの移籍を受け入れてくれました。

心機一転し、角海老ジムへ移籍して日本ランカーに連勝してはいたものの迷いが捨てられずにいました。

そこへ舞い込んできたのがクドゥラ選手とのタイトルマッチです。
試合まで1か月前でした。
日本では世界タイトル獲得も期待されていた程の選手です。

僕は「やる」と即答しました。

原点回帰、頭脳とスピードに立ち戻る

この試合に負けたらボクシングを辞めるつもりで、本当に心機一転し『絶対に勝つ』ために自分自身をきちんと見つめ直すことにしました
始めに自分の『本質』を見つめ直しました。
本質というのは自分の性格のことで、厳密にいえば「どれくらいリスクをとれるか?」である『リスク許容度』です。
僕は自分の『リスク許容度』を見つめ直しました。

本来はそんなにリスクを好むタイプではなかったはずです。
でもそれを僕は誤認し、リスクを好む勇敢なタイプだと認識していました。
リスクに尻込みする男なんてダサいし認めたくなかったんです。

ゴロフキン選手の影響も大きいと思います。
自分でも大嫌いな『リスクを好まない』性格であることを認めました

そして原点回帰。
スタミナ不足、経験不足を戦略で上回った新人王時代に回帰し『これは将棋だ(小学生の時は将棋ばっかりやってた)』と、こう考えたんです。


久しぶりに”本気で”頭を使いました。
井上選手に負けた理由をもう一度考え直しました。

そこから全てがいい方向へ変わっていきました。
そして同時にある考えが頭に浮かんできたんです。

本当に何故か、その時は自分でも分かりませんでした。

こんな言葉が突然、頭に浮かんだんです。

選択と集中

そして同時に直感しました。
『そうだ、これだ。これが足りなかった。』
今まではあれもこれも必要かもしれないと欲張っていたんです。
だけど、今回はこの言葉が浮かんだ瞬間に『何を捨てるかだ』と直感しました。

その瞬間から自分の中に分散していた『スキル』と『スキルセット』の概念が整然と並んだように感じたんです。
そして『組み合わせだ』と理解しました。

後でこの現象が起きた経緯の僕なりの考察を述べますが、この瞬間は神秘的な力の存在を感じずにはいられませんでした。
選択と集中』の言葉が頭に浮かんだ瞬間に、以下の記事の考えが一瞬でまとまりました。

やらないことを決めた

『俺がやるのはパワーボクシングじゃない』とまずは戦略の全体像を決めました。

そしてこう考えたんです。

『パワーは捨てる。計画とスピード、これで勝負する』

その後、戦略を決定しそれと矛盾する戦術を全て放棄しました。

OPBF戦では”勝つために”不要な『戦術』は捨てました。
僕の「プライド」「こだわり」は勝負の世界で不要なものだとも認めました。

クドゥラ戦の少し詳しい内容は以下の記事にまとめてあります。

無意識を支配する

既述のように突然『選択と集中』が僕の頭に浮かんだわけですが、これってよく聞きますよね。
「突然曲が頭に浮かんできた」とか「突然数式を閃いた」とか。

僕は最初神秘的な力が働いたんだと思いましたが、冷静になればそれは違うはずです。
多分、僕の無意識は僕の意識が眠りに落ちた後も思考を続けていたんだと思います。
クドゥラ戦の予言のような夢を何度も見ました。

無意識は意識外で様々なことを思考するもう一人の自分です。
多分僕が寝てる間もこいつが思考を続け、綿密な計画を立てていたんだと思います。
僕の意識はその計画に気がついただけです。

無意識(潜在意識)は傍らでいつも僕を監視していて、時に大きな罰を課しますが、しっかりと報酬も用意しています
こいつを支配することが勝利のカギです。

まとめ

ここで一区切りにはなりますが、僕の旅は終わりません。
少しづつ勝利の糸を手繰り寄せて日本人未踏のウェルター級へ踏み込みます。

ここからが本当の戦いです。

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超簡単です。

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この記事を書いた人
ストイック長濱

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
WBC世界同級34位
WBO-AP同級3位
角海老宝石ジム所属

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コメント

  1. KOKO より:

    面白い。諦めず、綿密に思考し、努力していれば、結果がついてくる……それを証明しましたね。
    それにしても永野戦、クドゥラ戦と強敵相手なのに、そんなに試合決まったの直前だったんですね……

    小原選手、井上選手はアメリカで戦いましたが、その他の140〜160
    の日本のボクサーにもそうなってほしいです。長濱さんがアメリカのリングに立つ姿が見たいです。期待しています!

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