【呼吸と習慣】試合で練習の力を出す【パブロフの犬】

メンタル
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メンタルを鍛えろってよく言われますが一体何をすればいいのか、そもそもメンタルが弱いとは何なのかって誰も教えてくれませんよね。
僕がそうでした。
でも僕は少しづつメンタルの正体とそれを鍛える方法を掴み始めています。

今回の記事は僕がメンタルトレーニングの中でもとても重要視していることを共有します。

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メンタル

そもそもメンタルを鍛えるにも、メンタルが何なのか分からないと鍛えられません。

メンタルとは何か

試合で勝つために必要なものってなんだと思いますか?
パワー、スピード、技術、戦略。滅茶苦茶大事だと思います。
僕はボクシングを始めた頃は今挙げたものを持っていれば絶対に負けないと思っていたんです。でも間違いでした。

何が一番大切か。一番大切なのはメンタルなんです。
でもメンタルを鍛えるって何ですかね。僕には分かりませんでした。
お前はメンタルが弱いとかあいつはメンタルが強ければチャンピオンとか。

どんなに練習で強くても試合で出せなければ意味がありません。僕がそうです。
メンタルを鍛えろと言われることはあっても具体的にメンタルって何?ってこともそれを鍛える方法も誰も教えてはくれませんでした。
人生も勝負もメンタルが強い奴が勝ちます。
でもメンタルってなんだ。どうやって鍛えるんだってことなんです。悩み続けました。

今回は僕が今も悩みながら少しづつ分かってきたメンタルの考え方と鍛え方についてお話します。

本能に打ち勝つ

メンタルが弱いってのは弱気の虫に憑りつかれてしまうってことです。で弱気な気持ちって何かというと、本能です。
本能の思考はシンプル、「生きるか死ぬか」。
根本的には「快」か「不快」つまり「好きか」か「嫌いか」の二択、そして行動は「近づく」か「逃げる」か。
「不快」な時の行動は「逃走か闘争か」だけ。
超シンプル且つ短期的な戦略が本能です。

嫌な相手と出会った時はブちぎれて「戦うか」尻尾巻いて「逃げる」かです。
心臓を止められないのと同じでメンタルの弱さ、本能は止められません。
本能は感情です。
悲しいのも楽しいのも嬉しいのも怖いのも止められないんです。
感情は人間の思考の奥深くに位置し、人間の思考の根源にあるものです。

感情が複雑に入り組んだ状態が人間の思考とか推論なのではないかとさえ思うのです。

感情を支配する

情動」。
怖いとか楽しいとか動物全般に備わっているようなシンプルで低次な感情を心理学や脳神経学では情動と呼ぶそうです。
逆に「憧れ」みたいなのは人間に備わった高次の「感情」です。

この低次な感情である「情動」が起こる仕組みなんですが、こんな風に例えられたりします。
「悲しいから泣くんじゃなくて、泣くから悲しくなる」
「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しくなる」
「怒るから殴るんじゃない。殴るから怒る」
のだと。


心理学の「ジェームズ=ランゲ説」と呼ばれています。
動物の体の反応は「刺激→身体変化(生理反応)→情動(感情)→思考」となっているとする説です。
身体変化は心拍とか呼吸といった体の内部の変化のことです。
直感的な理解だと「刺激→思考→情動(感情)→身体変化」ですよね。
普通はこう考えるはずです。
まずは悲しいことがあって、頭で悲しいと考えるから涙がでてくる。

でも違うんです。

まずは生理反応ありき。涙が流れ、「快」「不快」の感情のスイッチがオンになり悲しくなった理由を考える。
思考は感情の後付けなんです。
嘘だと思うかもしれませんが、これが科学の定説です。
記事の最後の紹介している本を読めば、それが合理的な結論であると理解できます。
興味がある方は読んでみてください。

呼吸で感情を抑えこむ

そこで僕はこう考えました。
なら恐怖を起こす生理反応を抑制し身体変化を起こさせなければ「弱気」な感情を抑制し「後ろ向きな思考」になることはないと。

脳はこの感情をどうやって引き起こしているかというと。
主に大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)の扁桃体(へんとうたい)が担当して感情を呼び覚ましています。
扁桃体は環境から入力される情報(刺激)を評価して、それに相応し感情を用意します。

「近づくのか離れるのか」、「闘争か逃走か」その行動を引き起こすのに必要な感情を決定します。

筋紡錘っていう感覚器官が筋には備わっていて、扁桃体はそこから「呼吸筋」の動きも監視し評価の対象にしています。
さっき話した「刺激→身体変化→情動(感情)→思考」で段階で、「身体変化」である呼吸をコントロールして扁桃体にここは安全だと認識させれば、感情に起因した弱い思考を封じ込められると僕は結論しました。

例えば簡単な例だと深呼吸すると落ち着きますよね。あれは「身体変化」をコントロールし扁桃体をだますことで感情を抑えているんです。

僕の例を紹介すると呼吸が浅くならないようにゆっくり吐くことを心がけています。
運動中に深い呼吸は難しいので、始めは呼吸のリズムを意識することだけやりました。
慣れてくると動きながらでもできます
かなり集中できるようになるので疲れとか恐怖、痛みにも鈍くなります。
僕はこの呼吸をどんな時でも意識していて、特に練習中の「疲れた」みたいな後向きな感情が湧いた瞬間に実行します。
これは弱気な感情が湧いてきたことを察知しなければならないので、普段から自分の内面に意識を向けていないと難しい作業です。
感情は無意識に起こるものなので気を抜くと支配されます

雑念を捉える訓練には「瞑想」もお勧めです。
10分間でいいので呼吸に集中して雑念を抑え込んでみてください。雑念ってそれは試合中だと「試合を投げ出したい」「痛いのは嫌だ」とかいった弱気な感情のことです。
正直に言うと最初は無心でじっとしているのは難しいです。
ただ慣れてくると座ってやる必要もなくなってきます。
僕は試合でこれができるようにスパーリングや走りながら、眠ったり座った時の集中を維持できるように訓練しています。

習慣を支配する

パブロフの犬

次に習慣によって感情を支配する方法です。
これは忍耐が必要で大変な訓練です。

「パブロフの犬」という実験をご存知ですか?
メトロノームを犬に聞かせながら餌を与えることを繰り返すとその犬はメトロノームを聞くだけでよだれが出るようになったという実験です。
よだれと関係のないメトロノームを関連付けるのを条件反射と言います。

そしてよだれって出そうと思っても出せませんよね。
感情と一緒です。

パブロフの犬の実験が示しているように感情は意思ではコントロールできませんが、繰り返し繰り返し行えば条件反射によって呼び起こせるようになるんです。
僕はこれを実践することにしました。

一度に一つのことに集中する。
一つのことに集中できない「あれもしたいこれもしたい」と考える悪い癖、一つのことに集中できない癖は試合中だと「もう嫌だ」という雑念に変わります。

例えば「ながらスマホ」はしない。試合前は特に徹底しました。
一つのことに集中して得られた成果と達成感がパブロフの犬でいうところの餌でメトロノームは「これから一つのことに集中する」っている決意です。
決意した瞬間によだれがでるようにしました。

次に「嫌だ」と感情が言い出したらやる。
これも大変です。例えばyoutube。
恥ずかしいとか失敗したらとか考えました。でも弱気の虫を殺すためにやります。
メトロノームは「弱気な感情」と「これは挑戦だ」という認識。餌は挑戦による成果物とその達成感です。
弱気な感情が湧いたり挑戦だと僕が感じた瞬間にメトロノームがリズムを刻み始めます。
壁だと思った瞬間に乗り越えてやりたくなります。
習慣を徹底することで挑戦を好む脳に作り替えていきます。

この作業って大変なんですよ。
時間とか労力とか色んなものを犠牲にしなきゃいけません。

人生を支配する習慣

パブロフの犬で僕が一番恐れているのは、例えば途中で投げ出すって行為がメトロノームになってそこから得られた楽しい時間とかが餌になることです。
試合で「もうやめよう」って気持ちに流されて降参してやめるのもいいでしょう。
その時はホッします。その一時の安心こそ最悪の餌です。
「もうやめよう」は次に似たような場面に直面した時のメトロノームになります。

途中で投げ出す癖ってこうゆうことです。
そうなったら負の連鎖でボクシングはおろか人生すら台無しにしてしまいます。
投げ出すのは簡単なんです。
でも一度その条件反射を覚えてしまえば、結末は敗者でしかありません。

習慣は人を支配します。でも人はそれを支配することもできます。
僕の日々の習慣の延長線上にあるのが僕の人生の結末です。

まとめ

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。


メンタルは嫌な勉強や忍耐を要する実践から逃げなければ鍛えることができます。

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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