数学の次の趣味がトレード。
長期投資ではなく、エントリーしたその日に決済するデイトレや数週間から数ヶ月を賭けるスイングなど。
一般的な投資とは違うかのかなってことでトレードと呼んでる。
経験上、何事もあえてセオリーの天邪鬼をやることが、そのセオリーの意味を理解させてくれる。むしろセオリー通りやるとその意味や価値を認識できない。
また、ボクシングから学んだことはトレードに生きる。逆も真。
ボクシングで学んだことは数学に生きる。逆も真。
それは、僕(≒ヒト)が世界をではなく、それに映る自分自身を見ているからだと気がつく。
閑話休題。
価値の認識や定義の方法を学ぶことは、トレードを超えて、ボクシング、延いては人生の汎ゆることに生かせる、と信じている。
「価値」とは何か?どうやって価値を算出するか?が僕の根本にある疑問。
価値の算定
割引現在価値
現在の教科書は下。
高校レベルだけど、数式で教えてくれるので、大衆向けの投資本の曖昧さや矛盾に苛つく人にオススメ。AIに数式の限界を尋ねながらやると理解が深まる。
高校数学レベルに抵抗を感じるなら読むのは大変かもしれない。
割引キャッシュ・フロー法(わりびきキャッシュ・フローほう、英: discounted cash flow、DCF法)とは、資産が生み出すキャッシュ・フローの割引現在価値をもって、その理論価格とする方法。
この評価方法の本質は、ある収益資産を持ち続けたとき、それが生み出すキャッシュ・フローの割引現在価値をもって、その理論価格とすることにある。
将来キャッシュ・フロー計画が高い確度で計算可能で、客観的に妥当な割引率を算出、適用できた場合には、他の方法では得られない個別資産の特殊性を踏まえた評価が可能となる方法とされる。
1年後の10万円は、今の10万円より価値が低い。インフレ環境の現在なら理解が容易なはず。
仮に今、10万円を安全な債権(※)だけで構成される年利約3%のMMFで運用したなら、来年には10万円×(1+3%)になる。
つまり10万円は今もらう方が良い。
※基本的に債権はインフレに勝てるように、かつリスクプレミアムを上乗せして市場価格が決まる。
仮に、1年後に10万円をもらえるとして、今もらえる金利が年利r、その付利される元本がxだとするなら
$xr=100000$(仮定)
$x=\dfrac{100000}{r}$
と現在価値に割引いて考える必要がある。
一般的な「これ買ったらどの程度得するだろうか?コストは賄えるだろうか?」の感覚を言語化し、数式に落とし込んだのが割引現在価値。
これが大切な考え方であることを身近な例に翻訳すると。
敷金の慣習への拒絶反応
不動産業の預かり金としての敷金は、本来なら、入居者の退去時に日本短期債金利などを参照した利息が付利されて返却されるべきもの。
AIに調べさせてみると、欧米は民主主義、資本主義的な価値観が根続いているから、そのように制度設計がされているよう。
インフレ率に応じた利息を考慮するなら、敷金を退去時にそのまま返金するのは不公平。
不動産の貸主が、あなたの敷金を運用して得た、あなたが得るべきだった利益を不当に搾取している可能性がある。
仮に物件全ての敷金を比較的に安全な短国債に投資していたら?不公平に感じない?僕はそう感じる。「返せ」と。
前時代的な価値観が日本に未だに根付いている証拠だと思う。民主主義、資本主義の皮をかぶった封建社会が日本。この手の価値観へ市民の拒絶反応が弱すぎる。非効率をみんなマンセーしてる。
仮に塩漬けされている日本中の敷金を全て投資に回したら?この手の眠っている資金は他になさそうかな?
小括。
「敷金というキャッシュ(無利息の預り金)をオーナーは自由に運用できる一方で、借り主側はその資金を運用する機会を奪われている(機会損失)。にもかかわらず、その運用益や時間価値が借り主に還元されないのは不当である」という主張。
この憤りについてはさらに後述。
閑話休題。
割引現在価値の計算
一般的な定期借家契約、契約期間の2年後に返還される敷金が10万円なら、現在価値に割引した預け入れは
$x(1+r)(1+r)=x(1+r)^{2}=100000$
$x=\dfrac{100000}{r^{2}}$
となるべき。
あるいは10万円の預け入れなら
$100000(1+r)^{2}=104040$
が返金されるべき。
利率rのn年後のxの価値は
$x(1+r)$(1年後)
$x(1+r)(1+r)$(2年後)
$x(1+r)^{2}$(指数関数)
$x(1+r)^{n}(1+r)$(仮定)
$x(1+r)^(n+1)$(指数関数)
数学的帰納法より、元本xをn年間、年利rで運用した場合の価値は
$x(1+r)^{n}$
あなたの受け取るべき敷金は複利(指数関数的)で増加していく。
あるいは、あなたが非効率に留まった時間は複利で人生を壊す。
「価値」を考えることは、ボクシング、延いては人生に生かせると思わない?

DCF法
現在価値の算定方法がDCF法。
後述するように、定義式を見る限り、収益が安定している企業ならやれるかもだが、例えばハイテク株のような、価格にかなりの期待が織り込まれてしまう、かつその期待が自己強化的に価格を吊り上げてしまう場合は、DCF法はによる評価は向かない。
例えば、法的な拘束力が強く、かつ投機マネーの流入に伴う流動性の増加が抑えられる(※)不動産の価格、及び賃料などの予測においてはDCF法が適していることがある。
※都内3区で実需と乖離する”例外が見られた”
閑話休題。
参考書の現在価値の定義式は
CF:キャッシュフロー
r:割引率
$\sum_{t=1}^{t=n}\dfrac{CF_{t}}{(1+r)^{t}}$
毎年のキャッシュフローから割引率を引いて累積させたのが現在価値。
例題
1年後のキャッシュフローが1万円で割引率が0.1。現在の株価が10万円なら、1年後のキャッシュフローの割引現在価値は
$ = \frac{10,000}{(1 + 0.1)^1} = \frac{10,000}{1.1} \approx 9091 \text{ 円}$
現在価値に割引価値を加算して
$9091+100000=109091$…①
この会社が1年後に確実に1万円稼ぐ、かつ割引率が0.1、かつ100株発行なら、時価総額が10909100円より安いなら買うべき。高いなら見送る。
将来キャッシュ・フロー計画が高い確度で計算可能で、客観的に妥当な割引率を算出、適用できた場合には、他の方法では得られない個別資産の特殊性を踏まえた評価が可能となる方法とされる。
株価は流動性が高すぎる。かつ干渉する変数が多すぎて予測が難しい、かつ利益の稼ぎ方って自らの性質そのものが自らの価値に介入してしまう。
例)毎年安定して稼ぐ企業はそれが評価に含められる。収益が不安定ならその分が割り引かれる。よってDCF法による価値の算出は難しい、か使い物にならない。
法や流動性による制限が価格及び賃料の急激な変動を抑えている不動産は、その価値を収益性で翻訳しやすい。
割引率
Weighted Average Cost of Capitalの略称。企業全体の資本コストを算出する際に用いられるもの。株主資本コストと負債コストの加重平均。WACCに投下資本をかけると、資本コストが求められる
$D:負債$
$E:株主資本$
$r_{d}:返済利率$
$r_{e}:株主の期待利益率$
$実効税率:T$
$WACC$
$=\dfrac{D}{D+E}×r_{d}(1-T)+\dfrac{E}{D+E}×r_{e}$
資金調達に伴う利払いと株主の期待利益の荷重平均がWACC。
これだけで直感的に理解できる人もいるだろうが、僕には難しく感じるので、分かりやすく具体的に計算してみる。
法人税率:0.3と仮定。
無借金で利益100のA社と借金して利息20払って利益800のB社の総支払額を比較。
前者Aは
100×0.3=30
後者Bは
80×0.3=24
30-24=6
Bは税が6軽い。
理由は、利息の支払い分だけ利益が圧縮されて、法人税が下がるから。
仮に前者と後者を同じ効率でキャッシュを生み出すマシーンだと仮定するなら、借入をして他人資本を入れてレバレッジをかけるだけで法人税を含めた最終的な総支払額が下がる。
支払い利息分だけ法人税が安くなる、
20×0.3=6
これは法人税額は借入額と金利に影響されると、すなわち金利が6軽くなると解釈できる。
つまり、この分だけ利払い(利率)が圧縮されると考えるのが妥当。
それを踏まえて計算
$\dfrac{6}{20}=0.7$
$r_{d}×0.7$
実質的な金利負担は$r_{d}$の0.7倍。
すなわち、年利2%を利率1.4%に低下させると解釈できる。
この解釈に誤りがないかをAI確認。
質問
Wacc評価について。利息の支払いが利益を圧縮し、結果的に法人税を引き下げる。つまり法人税は金利に連動する構造にある。よって、法人税支払いの浮いた分を利息の支払いが浮いたと解釈できる。すなわち実質的には金利が低くなる。
その通りです。あなたの論理的帰結は完璧であり、WACCにおける「負債コストの税効果」の本質を正確に射抜いています。
1. 論理の再構成:金利と税金の「相殺関係」
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利息の支払い: 企業にとっての「現金流出(マイナス)」。
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利益の圧縮: 会計上、利息は費用なので「課税対象の利益」を減らす。
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法人税の減少: 本来国に納めるはずだった現金が、会社の中に「残留(プラス)」する。
2. 数理的・図解的表現
※利払いに伴う法人税の割引は、国による借金をする企業への実質的な補助金。
他人資本を引っ張った方が有利なのは、数理的にそうだってことなんだね。
結論
「法人税の浮いた分を、利息の割引と見なす」というあなたの解釈は、WACC計算において最も重要な**「ネット(正味)のキャッシュフロー視点」**を捉えています。
DCF法へ解釈を与える試みは終わり。
敷金問題
冒頭の話の続き。以上の視点から敷金という仕組み、慣習を眺めてみよう!
WACCの観点: オーナーの資金調達コストを計算する際、銀行借入には利息($r_d$)を払いますが、敷金は「金利 0%」の資金調達手段です。
レバレッジ効果: オーナーは、借り主から預かった敷金(無利子資金)を別の投資に回すことで、自分自身の資本コストを劇的に下げ、レバレッジ(てこ)を効かせることができます。
時間価値($PV$)の収奪
例えば、10万円の敷金を2年間預けるとします。市場の割引率を 2% と仮定した場合、2年後の10万円の現在価値は約 9.6万円 です。
※仮に一昨年前に日経平均にぶち込んでたなら倍近い利益よ?仮にゴールドやシルバーならそんなもんじゃなかった。この機会損失に納得できる?
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借り主: 10万円(現在の価値)を渡し、2年後に 10万円(目減りした価値)を返される。差額の 4,000円分が損失。
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オーナー: 借り主から奪ったこの 4,000円分の価値を、自分の懐に入れている。
※仮に10部屋から10万円なら100万円を無利息で調達だよ?不当なレバレッジじゃね?
運用の非対称性
オーナーが敷金を年 3% で運用できる場合、オーナーは預かった10万円から年間 3,000円 の利益を得ますが、それを借り主に分配することはありません。本来、この運用益は「他人の資本」から生まれたものであるため、資本コストの概念に照らせば、一部が借り主に還元されるべきです。
市場の非効率性: 日本の賃貸市場は情報非対称性が強く、借り主が「敷金の運用益の還元」を交渉する力が弱いため、この「無利子負債」という美味しい調達手段が温存されています。
利息の支払い義務(Interest on Deposits)
例えば、米国のいくつかの州(ニューヨーク、マサチューセッツなど)やドイツでは、オーナーは預かった敷金を**利息のつく専用口座(Escrow Account)**に保管しなければなりません。
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論理的帰結: そこで発生した利息は、管理手数料(通常1%程度)を除き、借り主に返還されるか、家賃に充当される義務があります。これはまさに、あなたが主張した「時間価値の還元」の実装です。
低金利環境: 現在の日本で利息還元を法制化しても、銀行金利が極めて低いため、事務手数料の方が高くつくという実務上の反論がなされます。
資本のデッドロック(死蔵)
日本全体で預けられている敷金の総額は巨額です。これが「無利子」で停滞し、効率的な再投資に回らない、あるいは借り主の消費・投資機会を奪っている状態は、社会全体の資本効率(マクロなROIC)を低下させています。
成人したら選挙に行こう。そして、この手の不公平を是正しようとする政治家に投票しよう。
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