ロペスのガード腕はスイングと同時にひねられます。
GGGとロイのガッツポーズは肩甲骨が外転しています。タイソンとロイは直立時に手の甲が前を向きます。
すなわち上腕が内旋しています。
この現象を起こしているのは前鋸筋小胸筋だと考えられます。四角い胸、盛り上がった背中からもそれらが大きいことが推察できます。
前鋸筋が強いと腕が内旋するのは広背筋と大胸筋の構造に由来していると考えられます。いずれも上腕でねじられて付着しています。この構造から察するに、肩甲骨が外転した場合、すなわち前鋸筋小胸筋腸腰筋の強い収縮による骨盤前傾、肩甲骨外転前傾が起こった場合、広背筋と大胸筋による張力が腕を内旋させます。長軸を持つ槍のような物体をオーバースローする上手さが、僕達の先祖には文字通り死活問題だったことが伺えます。
肩甲骨の外転が強い場合は、広背筋に構造的な張力が加わえられます。この姿勢で腕をスイングした場合は、広背筋にはそのスイングの方向へ張力が加えられます。連鎖的に上腕にも広背筋による張力が加わります。
腕のスイングは体のバランスを変化させるので姿勢反射が起こります。それは転倒しないように反対側の肩甲骨を外転させてると考えられます。
この連鎖反応がロペスのガード腕の内旋を導いていると考えられます。
仮に肩甲骨の外転が弱い場合は、姿勢反射による反応は、下図のような連鎖反応を起こします。すなわち肩甲骨の内転とそれに伴う上腕の外旋です。この場合は、ロペスのそれと比較するとガード腕はスイングの反対方向へ、つまり、パンチの力を相殺する方向へ投げ出されます。
一方でロペスは背中の質量が前方へ移動し股関節への乗り込みが強くなります。それはスイングの勢いを抑えつけるブレーキの効果を果たしてパンチを加速させると同時に次の動作の立ち上げを早めます。
要するにガードの時に手の甲が横を向くのは僕の世界観の下では良くないこと。ロペスのように小指が横を向いた方が良い。
厳密に言えば、パンチの原理が異なるから。体の理に背きます。
背屈ロック、テノデーシスアクションも助けていると考えられます。
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