試合に備えて僕のポテンシャルを全て引き出す方法をもっと深めて考えてみようと思います。参考にするのはメンタル系の本で僕が最も影響を受けた「インナーゲーム」。
何度かに渡って読んだ内容を整理してみなさんと共有していこうと思います。この本から得た世界観に僕の解釈を織り交ぜながら進化させたのが、運動の自動システム説です。
僕はメンタルの弱さに悩み続け色んな本を読みました。「インナーゲーム」はそんな中で出会った、それまでの僕の考え方を一新してくれた本です。メンタルと技術習得の価値観についてはこれ一冊で十分だと感じるほど。沢山の本を読むより、インナーゲームの内容を自分なりに解釈して洗練させていくことの方が高い効果がありました。
インナーゲーム
著者のW・T・ガルウェイはテニスのコーチ。その経験を元にした推論が展開されます。抽象的な表現が多いのですが、非常に納得感があります。
教えるほど下手になる”オーバーティーチング”
ガルウェイは選手を指導する過程でとても奇妙に感じる現象を頻繁に経験しました。それは「教えれば教えるほど、選手が下手になる」というもの。
ガルウェイは試行錯誤を繰り返しました。そしてある日、初心者のレッスンで「おや?」と思ったのだそう。
ところで、平仲トレーナー時代の僕もこの現象を掘り下げて「手打ち打法」にたどり着きました。
ガルウェイは彼のフォームを初心者へ見せ「ボールに集中し私の動きを真似て」とだけ伝えました。驚くことにその初心者はそのフォームを再現したのです。そして、何度かトライしながら自らフォームの問題を次々に修正していきました。始めてラケットを握った初心者の自己流の修正は不思議なことにコーチであるガルウェイの目にも合理的に映ったのです。インナーゲームの発端はこの直感に反する奇妙な現象にガルウェイが疑問を覚えたこと。違和感を大切にするのって大切ですよね。僕もこの類の直感は大切にしています。
この方法を多くの初心者、選手に試し、ガルウェイはこう結論しました。「筋肉に言葉は通じない」と。ガルウェイはその指導方法で選手の競技力をグングンと伸ばしていけることを実感し、自らのこれまでの指導方法が間違っていたこと反省するようになます。
筋肉は言葉のレッスンを翻訳できない
インナーゲームp33
この話が僕の頭の片隅にあったから、平仲ジムでジュニアボクサーと大人のプロボクサーの学習の違いに気が付くことができました。大人は言語により体を動かそうとし、子供はイメージで体を動かします。これが大人と子供の学習に大きな差を生んでのではないかと現段階では結論しています。
一見すると細かく言語で教えた方が上達しそうな気がするのですが、実際には「鞭のように」「一瞬で」といった抽象的なイメージでの指導の方が運動の学習は早いのです。少なくとも僕は経験から実感しています。
大切なのは伝え方。言語によって細かく伝えるのではなく、抽象的なイメージを伝えるやり方に方針転換。そして自分自身の練習でもそのように考えます。
少しづつ読み進めながら要点を共有していきます。
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