ここでケツがロックされるって話しましたが、その理由を解説します。
これは両脚のハムケツ、内転筋群で股関節をロックしてます。
これは右脚を楽にして左のハムケツで左股関節をロックしています。
これもそうですね。
股関節がロックされて力が出してます。
基本的に運動が巧い選手はハムケツで股関節をロックしています。
それはボクシングも例外ではありません。
ハムケツでロックすることで楽に立ち、股関節を活性化できます。
ケツロック
まずはどんな筋肉が関与しているのか見ていきましょう。
ハムストリングス
ハムストリングスは二関節筋です。
人の体には不要なものはついていなくて、二関節筋が二つの関節に跨っているのには理由があります。
まずは付着位置を見てみます。
起始は骨盤と大腿骨。
停止は脛骨(太い骨)と脛骨(細い骨)。
頭の中の仮想空間でハムストリングスを収縮させてみてください。
足が接地して固定されているなら骨盤を前へ押し、足が床から離れている場合は股関節を伸ばしながら膝関節を屈曲させます。
大殿筋
ケツの筋肉。
大殿筋の起始は骨盤で停止は大腿骨と腸脛靭帯を介して脛骨の頭の方に付着しています。
収縮するとハムと同じように股関節を開きます。
下腿三頭筋
下腿三頭筋のうち腓腹筋は膝関節と足関節をまたぎアキレス腱を形成しています。
ヒラメ筋は足関節をまたいで腓骨と踵。
収縮すると膝関節を屈曲させ、足関節を伸展します。
詳しくは以下の腸腰筋と土踏まずの長濱説を見てください。
土踏まずが足を掴む仕組みがあります。
上記の筋肉が協調してケツをロックしてくれます。
ハムケツロック
重力による回転力がどのように働きのかを図にしました。
矢印のオレンジが重力で青は関節の回転力、黄色は筋肉にかかる張力。
重力が骨盤を押し骨盤を時計回りに回転させます。
するとハムストリングスが伸張され、膝関節に時計回りの回転力を生み、骨盤を引っ張ります。
すると膝関節に付着した下腿三頭筋とアキレス腱が伸張され、足関節に時計回りの回転力を生みます。
そのアキレス腱の回転力はつま先を床方向へ押すテコとなります。
筋肉の張力が股関節をロックするわけです。
アキレス腱が人体で最も太く強靭なのはこのためです。
股関節で発生させた力を床へテコによって伝達しようとしているのです。
力を出そうとした瞬間にパワーポジションを作るのは人体のポテンシャルを最大限発揮するためであり、この構造を作り出した自然淘汰の合理性、職人技は感動すら覚えます。
「膝を曲げる」なんて信仰、膝でパンチを打つって観念の矛盾はこの構造を見れば明らか。
このポジションの別の意味も見ていきます。
大腿四頭筋
ハムケツと対をなす拮抗筋の大腿四頭筋です。
骨盤を起始に膝関節をまたいで停止があります。
収縮すると股関節を閉じ、膝関節を伸展させます。
筋肉は引っ張られれうと張力を増します。
膝を曲げて腰を落とすと大腿四頭筋が伸張され、後ろへ押す力が強くなり、ハムケツに干渉します。
つまり、パワーポジションは大腿四頭筋を緩めることでブレーキの働きを弱めてもいるのです。
腸腰筋
上記のように腸腰筋によって骨盤が前傾したポジションにおいて、ハムケツはその真価を発揮することを意味します。
腸腰筋の重要性に繋がっていくわけです。
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