危険を冒すことで凶悪化したドネアの戦略

戦略
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戦術の相乗効果

ドネアファンはご存知と思いますが、ドネアはスタイル(戦略)を変えました。
全盛期と言われた頃は足を使って敏捷に動き回ってカウンターを奪うロイジョーンズのような躍動感のあるスタイルだったので今のように打たれるってことはほとんどありませんでした。
ディフェンスだけとっても”シャープ”だって言われてたんですよ。
リスクを回避した、換言すれば王道の負けないスタイル。
このまま突き進めばバンタム級なら敵無しだったと思います。

だけど、性格なんでしょうね。ドネアはリスクを好む。
あえてリスクに飛び込んで大きな利得を得ようとします。
コツコツ積み重ねるのが好きな僕とは少し違います。

ただ、その分だけドネアの戦略は凶悪だと思います。

GGG、シーサケット、ドネア。
鉄の顎と強打、プレッシャーは相性がいい。
ドネアはこれに加えてカウンターがあります。
現役ならクロフォードと双璧をなすカウンターパンチャーだと僕は思っています。
これでもかと連続してカウンターを合わせてくる。
足を使って相手を引き付けてカウンターを取るクロフォードと違い、ドネアはプレッシャーをかけながらカウンターを奪います。

カネロも似たようなスタイルですが、ドネアほどリスクをとらずに要所要所のカウンターに限ります。
ドネアはとことんカウンターを狙います。

プレッシャー + 強打 + カウンター + 鉄の顎
この相乗効果は計り知れません。
スキルが独立せず意味的な一貫性が見出せます。
カネロ、ロマが特に顕著に感じますが、体系化された一本道というか、一貫した循環の中へ相手を取り込んで解体しているように僕の目には映ります。
ドネアもそうです。
循環を抜けようとする相手の足を蟻地獄のように絡めとって、再び循環へ巻き込んでいく。

今のドネアはリスキーな分、その凶悪さが増し、そして戦略的な一貫性は全盛期より増しているように感じます。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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