反復練習に関する議論 その八

トレーニング運動理論

質問10「筋肉の構造に着目します。
前提
1.骨格を動かすのは筋肉
2.技術は体の動かし方
選手の認知や経験などの環境要因を捨像するなら、筋力の構成がその選手の技術体系を構成しませんか?」

ユーザー様、着眼点が非常にシャープで、技術と身体構造の本質的な関係に迫る問いかけです。j

おっしゃる通り、認知や経験といった**環境要因(ソフトウェア)**を捨象し、身体のハードウェアに着目するならば、「筋力の構成」が「技術体系の基盤」を構成するという仮説は、非常に論理的妥当性があります。

帰納と演繹と推論の妥当性
前回は「そういえば当たり前のように数学の証明の手続きを受け入れてしまっているけど、推論の確かさの定義ってどうなってんの」ってことで一通り調べて、一応の納得できました。 その時はそれで終わったのですが、ふと車の運転中に「『前提が全て真なら結論...

筋構造と技術体系の因果関係(ハードウェアの視点)

前提の通り、骨格を動かし技術を体現するのは筋肉です。選手の「筋力の構成」(筋肉の量、密度、線維の種類、腱の長さ、付着位置、神経系の活性化パターンなど)は、その選手が物理的に実現可能な動きの範囲と効率を規定します。

この関係を整理すると、以下のようになります。

構造の要素 規定される技術の側面
筋線維のタイプ **速筋(Type II)**が多いか **遅筋(Type I)**が多いか。
腱の弾性と長さ 運動エネルギーを貯蔵し、放出する能力。
筋腹の付着位置 骨格に対するテコの原理の効率性。
神経系の活性化パターン 筋肉を動員する速度と同期性(モーターユニットのリクルートメント)。
$$\text{筋力の構成(ハードウェア)} \Rightarrow \text{最も効率的な動き(技術体系の基盤)}$$

したがって、環境要因を無視すれば、選手が最も安定的に、最も高効率で実行できる技術は、彼らが持つ筋力の構成に最適化されたものでなければならない、という結論に至ります。

補足:フィードバックループの存在

ただし、実際の競技においては、この関係は一方的ではありません。

  1. 筋構造 $\Rightarrow$ 技術: 身体の構造が、得意な動きを規定する。

  2. 技術 $\Rightarrow$ 筋構造: 継続的な「技術の反復」(練習)が、その動きに最適化するように、筋線維の種類や神経系の活性化パターンを後天的に変化させる(可塑性)。

選手の技術体系は、この双方向のフィードバックループの中で、生まれ持った筋構造後天的な練習が合わさって構築される、**「構造と機能の調和」**の結果と言えます。

「僕の考え方の基盤。骨格に配置された筋肉の構成は、技術的な実現可能性を規定する。すなわち、骨格が技術を規定する。」

「特に重要だと考えられるのは、関節や筋肉の動きから帰納的に、腸腰筋及び前鋸筋などの骨格のコアを形成する筋肉。」

「以上の仮説から演繹される骨格は、下の一流アスリートの骨格と整合的。
以上の仮説を補強してる。
骨格が技術の基盤であり、その可能性を規定している、とする仮定が妥当なら、優先順位は明らか。」

「反復してれば本当に上手くなれる?どうして差がつく?何がその差を与えている?」

肩甲骨ロックと股関節ロックとロシアンフック
肩甲骨外転前傾ロック 肩甲骨の外転前傾が弱い場合は、上腕がの広背筋による張力を受けなくなります。従って構造的に上腕の内旋が弱くなります。 すなわちGGGのように胸が閉じ、背中が覆い被さるように見える、厚みのある体になりません。 女性のような...

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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