
上の続き。
調和級数の発散の証明
広義の調和級数が発散することを証明します。
準備1
小さなyであっても膨大にn個用意すれば、とてつもなく大きなxであっても上回れる=塵も積もれば山となる。
ny>x(アルキメデスの性質)
準備2
とても小さなdであっても、Nを適切にとるならN<nにおいて、a<ndが成立する(アルキメデスの性質)。…①
準備3
乗法<法則より0<dにおいて
$(n-1)d<(nd)$(乗法<法則)…②
は常に成立します。
以上の準備より、適切なN<nを選べば
$a-(n-1)d<nd+nd$(①②)
が構成できることが示されます。
逆数をとると<が反転する乗法逆元法則を利用して変形
$\sum_{i=1}^{n} \dfrac{1}{a-(n1)d}>\dfrac{1}{nd+nd}$(以下Σ省略)
$\dfrac{1}{a-(n-1)d}>\dfrac{1}{2nd}$(実数加法)
$\dfrac{1}{a-(n1)d}>\dfrac{1}{d}・\dfrac{1}{2n}$(実数乗法)…③
調和級数定義より$\dfrac{1}{d}$は定数、かつ前回の記事で示した$\dfrac{1}{n}$の級数が発散する性質を踏まえると
$\sum_{i=1}^{n}\dfrac{1}{2n}⇒2⁻¹・∞⇒∞$…※1
③より、Nを適切に選べばN<nにおいて下の大小関係が成り立ちます。$\sum_{i=1}^{n} \dfrac{1}{a-(n–1)d}>\dfrac{1}{nd+nd}=∞$
すなわち、調和級数は∞へ発散します。
※1※2
$\dfrac{1}{n}$には上限がありません(≒発散する)。
また、
有限・有限=有限(仮定)
無限=(有限・無限)∨(無限・無限)(対偶)
と演繹しています。
また、上の演繹は、「有限同士の演算は有限」、という僕の直感に頼っています。厳密な意味での無限同士、有限と無限の演算については、それが認識論的に認められるのか?などを含めて勉強中です。

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