参考書WIIS
実数や整数の濃度を比較して遊ぼうとすると、どうしてもその定義を知らなきゃならんことがあります。というわけでとりあえず現時点の理解をまとめます。
可算無限
「自然数の濃度と偶数の濃度は同じ」について。自然数とその真部分集合である偶数は定義上はその要素数は同じです。
ヒトの感覚としては、部分と全体が同じ大きさだと言われると奇妙に感じますよね。まあ、そもそも論を言えば「無限」や「数」は概念なので、現実的な感覚と整合しないのはおかしなことではありませんが。
部分と全体が同じである、の文脈を導きます。
有限の集合AとBの元に一対一対応が見出せるのなら、それらは量が同じであると定義することは、僕の感覚とも整合し、違和感はありません。
この、一対一対応=同じ大きさ、という議論を無限個の集合にまで延長すると、論理的な一対一対応が作れないことがあります。
これが無限の間にある大小関係です。
無限小の概念を知った時の、じゃあ、0の次は0.1なのか0.01なのか0.000000001なのか。永遠に始まらないではないか。という子供の頃に覚えた違和感を思い出しました。繋がっていると感じます。
数直線上の有理数で埋め尽くされているように見える空間は、論理的にはスカスカである、という議論も面白いです。興味が湧いた方は上のリンクを辿ってみてください。仮にこれが物理空間にも当てはめるとするなら面白いですよね。宇宙は空間が無限に重なっているって解釈はこれな気がします。
始めに自然数が定義され、その後に現実での有用性の要求から、整数や有理数が発展してきたことを想像できます。
自然数全体からなる集合の濃度を可算無限濃度または単に可算濃度という(古くは可付番濃度とも呼ばれた)[1]。通常、ℵ0(アレフ・ゼロ)あるいは a と表記される。ℵはヘブライ文字のアレフである。濃度が可算無限になる集合を可算無限集合または単に可算集合(英: countable set)という[4]。たとえば、整数全体からなる集合、有理数全体からなる集合はいずれも可算無限集合である[5]。可算無限以下である濃度を高々可算な濃度または単に可算濃度という[4]。
閉性
数学において、与えられた集合がある演算あるいは特定の性質を満たす関係について閉じている (closed) あるいはその演算がその集合上で閉性(へいせい、英: closure property; 包性)を持つとは、その集合の元に対して演算を施した結果がふたたびもとの集合に属することを言う。複数の演算からなる集まりが与えられた場合も、それら演算の族に関して閉じているとは、それが個々の演算すべてに関して閉じていることを言う。
整数定義ワイズ
自然数1が存在する。
任意の自然数aにはその後者 (successor) の自然数 suc(a) が存在する(suc(a) は a + 1 の 意味)。
異なる自然数は異なる後者を持つ。つまり a ≠ b のとき suc(a) ≠ suc(b) となる。(ある種の単射性)
1 はいかなる自然数の後者でもない(1 より前の自然数は存在しない)。
1 がある性質を満たし、a がある性質を満たせばその後者 suc(a) もその性質を満たすとき、すべての自然数はその性質を満たす。
一行目から翻訳。
1.加法結合法則がある
2.加法零元がある
3.加法マイナス元がある
4.加法交換法則がある
5.乗法結合法則がある
6.乗法単位元がある
7.乗法マイナス元がある
8.乗法交換法則がある
9.乗法分配法則がある
10.広義の包含関係がある
11.10を元に同値関係を定義できる
12.包含関係に推移律がある
13.整数には必ず包含関係がある
14.加法の後でも包含関係は変わらない
15.0以上同士の整数の乗法は0以上
16.実数の要素として定義されている
ペアノの定義は1とその後者としての「数」が定義されていますが、上の整数の定義は、その文脈から「演算の規則が閉じているかどうか」で数に性質を与えているように見えます。
自然数には乗法マイナス元と加法単位元とマイナス元がありません。
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