大阪歴史博物館で感じたの日本人の思想

よもやま話プライベート

大阪歴史博物館へ行ってきました。

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歴史の面白さ

経済から、人々から、人物から…などなど色んな読み解き方ができ、会釈の仕方で見え方がまるっきり変わってしまうことが歴史の面白さだと思います。

経済的なシステムがどのように人々の価値観を創り、どう歴史を動かしたのか?という視点に立つと人や人の群れの性質がなんとなく見えてきます。ボクシングにも生かされているなあって感じます。

当時に思いを馳せる

奈良の大仏や東大寺の建造には、当事の支配階級が仏教により巨大な群れである日本人を統制しようとしたという経緯があります。

当時は日本が日本として統一されていたわけではなく「日本人」なんて意識はなかっただろうと思います。故郷も言葉も信仰も経済観も倫理観も。何もかもが一致しないバラバラな民族を統制するための共通言語として仏教が用いられました。

僕とアマゾンの部族は仮に言葉が通じたとしても、意思疎通はできません。価値観(合理性)が一致しないからです。一緒に暮せばそれに起因した争いが起こります。きっと当時は日本各地で価値観の齟齬が生み出す争いが多発していたのです。大仏を作るほどですから。

人は変わっていない

その大仏は当事の最先端テクノロジーです。現代人にとってのドバイのブルジュ・ハリファ(高さ828m)並みか、それ以上の衝撃があっただろうと想像できます。
当時は田畑と山ばかり。山岳信仰のように巨大な物体への畏怖の念もありますから、大仏にはブルジュ・ハリファ以上の衝撃と支配力があったかもしれません。

こんなものを作る王は人智を超えた神の偉大さがあると民衆に納得させ、精神的に屈服させたわけです。

こんな風に歴史的な背景を元に当事の人達の価値観を想像し、今の価値観と比較してみると、人の変わった部分と変わっていない部分が自然と見えてきます。

大仏信仰は現代なら経済的合理主義や拝金主義、科学主義などの信仰に置き換えることができます。大半はそれが正しいと思い込まされている、または思い込んでいるだけであることは変わりません。

人の本質が見えてくると、大昔から僕たち人は何も変わっていないことが自然と演繹されるわけです。

強力な思想を創る

文化は人々の価値観の顕在化だと言えます。その根底には成立に由来した先人の思想と知恵の名残があります。

先人の色々な失敗を元に研ぎ澄まされてきたものですから、それを理解し受け継ぐことで手っ取り早く豊かになれるのではないかと考えています。僕はその思想をさらに洗練させて娘へ受け継いでいきます。
ユダヤ人が世界史的に大きな影響力を持っているのは、少数民族であり国を追われた彼らが、時代と共に洗練させてきた強力無比な思想を子々孫々に受け継いできたからと僕は考えています。

思想や文化を祖先から受け継ぐということは、現代に生きる僕たちにとっても高い合理性があるはずです。

日本人の思想

今回の大阪歴史博物館では日本人の美しい思想を感じましたので、いくつか紹介します。

すぐ作ってすぐ消費する時代だからこそ

画像だと分かりにくいですが、上のギャラリーに載せた作品は実際には細部まで詳細に作られており、制作者の執念と誇りが伝わってきまます。
その技術と作品の完成にどれほどの労力と時間を費やしたのか想像もできません。

魂のある人は「誰もそこまでは見ていないよ?」と言われてもやめません。自分が納得できるまでやりつづけます。本質的には自分に向けて創っているから。ここまでやれば終わり、の機械とは違います。

誰が見ていないとしも完璧に作り上げる。自分に嘘をつかない。
これこそが日本人が受け継がなければならない魂だと感じました。

すぐ作ったものはすぐ消費されます。後生に見られても恥ずかしくないくらい、ゆっくり消費されるものを丹精に時間をかけて創り上げていく。
経済的合理性に取り憑かれた現代こそ必要な美学ではないでしょうか。少なくとも僕はそう感じました。

この美学が守られるなら、ネット誹謗中傷のような、匿名で誰も見ていなければ何やってもいいなんて発想の日本人は生まれてこないでしょう。

余分なものを削ぎ落とす

掛け軸の日本画は余白ばかり、何も書いていない場所の方が明らかに多い。でもそれでいいのです。

無駄なものは書かない、伝えない。自分の表現したいこと以外は極限まで削る。如何にしてゴージャスに付け加えるか?ではなく、如何にして無駄を削ぎ落として伝えたい本質にだけ焦点を当てられるのか、に注力されています。日本刀にも通ずる美学。

経済的な合理性に心を支配されている間は気が付きませんでしたが、美しさの本質はあれもこれもとゴージャスに飾ることではありません。美しさとは無駄を省いた機能のことです。

「我思う故に我あり」
数百年の時を超え、普遍的に語り継がれる言葉です。短い言葉の中にデカルトが探求の過程で発見した多くの情報が凝縮されています。莫大な情報量を詰め込んだ重みがブラックホールのような強烈な引力を発生させ、人を引き付けているのだと僕は感じています。

琉球人や日本人は何を大切にしてきたのか、これから僕は何を大切にするのか。そしてどうそれを娘に伝えていくのか。

考えるきっかけになりました。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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