ボクシングは喧嘩だ 目で殺せ

よもやま話

ボクシングはスポーツですが根本的には殴り合いの喧嘩です。

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喧嘩の心理戦

言い方は悪いですが相手に対して殺意を持たなければ喧嘩はできません。
そして殺意はある意味では最高の集中状態です。

弱々しい眼光

平仲ジムで指導中に気になることがあった。
それは表情。

打たれた時の恐怖、空振りした時の不安、相手がプレッシャーを強めた時の動揺。
すべて顔に出ていました。

ボクシングの心理戦において表情は常に有効な戦術となります

平仲ジムの選手は元々は荒っぽい性格で少年院にいた選手もいますし、元不良が多いです。

ただ、平仲ジムは礼儀礼節を重んじます。
毎日ジムに入る前、リングを使う前は挨拶をさせています。
選手は使い終わった道具は自分で掃除して片付けします。
目上の人に無礼に振る舞うことは許されません。
恐らくは徹底したこれらのやり方が選手の闘争心を奪ってしまったのでしょう。

僕は当然それが悪いとは言っていません。
むしろ荒っぽい過去があった選手ばかりなので必要なこと、させなければならないことです。

しかし、その過程で上下関係、力関係が無意識のうちに脳に刷り込まれてしまい、自分より実力のある選手に歯向かっていく強気な気持ちまでも失われてしまった気がしたのです。

先輩は自分より強くて当たり前、コーチや会長の言うことは常に正しいという発想は染み付いてしまった。

実際にはそんなことはありません。
コーチだって間違うことはあるし、当然会長だって間違えます。
先輩より努力すれば強くなって当たり前です。

僕はむしろ選手達にはこの慣習を実力でぶち壊してやろうという気概をすら持って欲しいと思っています。

目で殺せ

スパーリングでデビュー前の選手と6回戦の選手がスパーリング。
僕はデビュー前の選手の表情が気になった。
弱気な気持ちが現れていたんです。

その他の選手も表情が弱い。
弱者のそれをしていました。

僕は若い選手達を集めて話しました。
「ボクシングは喧嘩だ。表情で相手を飲み込め、相手に飲み込まれるな」

「空振りした時の表情を相手は見ている、打てるものなら打ってみろと言う表情ならむしろ打たれない」
「逆に打たないでくださいと言う表情は打たれてしまう」

「表情で相手を威圧し下がらせてみろ。技術練習云々はその後だ」
と。

もともと荒っぽい選手達なので後日行ったスパーリングでは相手を威圧する表情ができていました。
同時に動作に現れていた不安や遠慮なんてものは微塵も感じられず自然で自信に満ち、いつものキレを上回っていました。

どうだったか聞いてみると、
「最初は気が引けたが、とても楽しかった」と。

態度で示せ

打たれた時に「もっと打ってこい」とジェスチャーする選手っていますよね。
あれも心理戦の戦術の一種です。
傍から見ればバレバレの強がりですが、当事者はこのジェスチャーをみると「効いてねぇのかくそったれ」と少し弱気になります。

試合中に打たれた時ほどジェスチャーで平気を装ったり、強気な表情をするのは有効なんです。
逆に、もし相手がそれをした時は効いている証拠だと頭に入れておくことも、その相手のジェスチャーに威圧されないための防御壁の役割を果たします。

相手にこちらの心理を読ませないように逆の態度を示し、相手を混乱、恐怖させることはボクシングでは常に有効なんです。

選手達にも試合の練習としてジェスチャーをするようにと伝えています。
相手が強気になりそうな雰囲気を感じたら表情や態度、動きでそれを崩せるようにです。
練習していないとできるようにはなりません。

ボクシングは喧嘩。
技術云々は喧嘩ができてから。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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