やり投げ王者から股関節主導による爆発力を学ぶ

運動理論
運動理論選手分析

陸上投擲競技は爆発力を生みだす動作の宝庫です。

ヨハネス・ベター選手。
歴代2位の記録を持つ、現役最高の選手の一人です。

今回はベター選手の動作とトレーニングから爆発力の神髄に触れます。

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爆発的トレーニングと競技動作

まずは動作を見ていきます。

右股関節から左股関節への体重移動

ベター選手が助走を終えて投擲動作へ移る局面です。

助走の運動エネルギーと体重の位置エネルギーが右の股関節に貯蔵されます。

ここから右股関節にのった体重を左の股関節へ移し替えていきます。

左足の接地と同時に蓄えた力を一気に解放し右股関節を閉じ、体重を軸となる左股関節へ移動させます。
右の股関節が伸びながら内に捻られているのが分かります。

右股関節を閉じた回転力と左の股関節から受ける地面反力の偶力(合成された回転力)が骨盤を反時計回りに回転させます。

脱力できている場合、槍と腕の質量により、末端部をその場に留めようとする慣性力が働きます。
肘のしなり具合からも相当な慣性力がかかっていることが窺えます。
強靭な深層筋と靭帯、腱を持っていることを証明しています。

股関節から伝わった力と慣性力により胸部と肩部、腕部が物凄い力で引き伸ばされているのが分かりますね。

上半身の連鎖的な伸張反射により、上半身全体が強力に収縮し、股関節の力を増幅して弓と同じ原理で槍を弾きます。

軸脚が伸び切っています。
以下説明していきますが、左股関節から受けた地面反力とそれに起因した伸張反射により骨盤に強いブレーキがかかります。

投擲と同じ動作になる右のパンチでも以上の動作が重要になります。
右股関節へ荷重、左股関節への体重移動。
上半身の筋群の連鎖的な収縮。

接地を見ていきます。

踵で接地(荷重)します。
目に見えないのでイメージしにくいですが、力は踵から母指球へ向かって抜けていきます。

踵→母指球です。
踵を上げろという意味ではなく、力が向かっていくという意味です。

当然一瞬ですし、これを意識することは人間にはできないので無駄だと考えます。
母指球接地(荷重)などの意識的な動作があると自然な体重移動が妨げられるので注意が必要です。

余談ですが、腕の腹が上を向いています。
デノデーシスアクションにより、自然と槍が握られます。

ヒップターンの瞬間です。

右足のが地面と接地していることから、右脚には体重が乗っていないことが分かりますね。

左脚は真っすぐ伸びて地面反力を直接骨盤に伝えています。

助走による慣性力と地面反力は左図の矢印のように偶力として、一つの回転力に合成されます。

この場面でベター選手は左のケツのストレッチ(伸張反射)を感じているはずでです。

ケツの伸張反射により体幹の回転が制止されます。
体幹が急停止しブレーキ効果により末端へ運動量が伝達されます。
さらに腕の腹が下を向いたことにより、デノーシスアクションが弱まり、槍が半自動的に放たれます。

ボクシングは打ち終わりの反撃に備えるためにこの場面のように完全に左股関節へ乗り込むような動作は難しいですが、現役だとワイルダー選手がこんな感じの体重移動をします。

体重移動の上手さと破壊力は直結します。

コツは軸の股関節へ乗り込む、または軸足の踵(足裏全体)に体重を感じることです。

股関節主導によるしなり

重力波、電磁波、音波など、この世界の力の抽象的なイメージは波です。
力み癖がある方は体をこんにゃくだとイメージしてださい。
腕から先は鞭だと思ってください。

鞭を振り回すイメージです。
これは腕に力を入れるなではなく、鞭を振るイメージで腕を振れということです。

初めて見ましたが、これは重りを前方へ飛ばすトレーニングです。

このトレーニングも股関節主導です。

股関節が完全伸展しています。
連動して脊椎が弓なりに反ります。

股関節の伸展を主導として、腸腰筋など体幹の深層にある大きな筋肉、腹部、胸部の筋肉が引き伸ばされます。

伸張反射を利用した強力な股関節、脊椎の屈曲が起こり身体が曲がります。

身体を鞭のように使って力を伝達しています。

イメージ大切です。
大切なので二度言いました。

ベター選手のトレーニングは股関節を大きく使います。
腕や脚だけ、末端だけの動きになることはほとんどありませんでした。

大きな力のイメージと股関節が結びついている

ベター選手はベンチプレスですら股関節を使っています。
恐らくこれは意識しているんではないと思います。

無意識レベルで

大きな力 = 股関節の力

という図式が成り立っているのだと思います。
だから強い力を発揮しようとすると無意識に股関節が伸びる。

身体能力向上は陸上を参考に

上記の動画のトレーニングは全てボクシングにも生きると思います。
どんなトレーニングをすべきなのか悩んでいる方にはぜひとも一度見てください。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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