「股関節主導による全身運動」と「股関節軸による体重移動」と破壊的なパンチ

運動理論
運動理論

パンチは投球がベースです。
MLB最速のチャップマン投手からボクシングに応用できる部分を考察してみます。

愛称はザ・ミサイルMLB史上最速となる球速105.1 mph(169.1 km/h)の記録保持者とWikipediaにあります。

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投球動作

投球動作を見ていきます。
破壊的なパンチの体重移動、全身運動を行う上で重要な箇所に限定しています。

股関節への荷重

まずは股関節への荷重です。
「股関節へ乗る」という記事でお話しましたが、股関節へ体重をしっかりと乗せ切ることで自分自身の体重を利用でき、股関節を活性化できます。

左の股関節へ上半身を乗せて投球のエネルギーを左脚に蓄えています。

この時右股関節と右膝を曲げて右脚を体幹側へ畳み込んで、身体重心を身体の中心へ寄せています。

こうすると重心が股関節から遠ざかるのを防いで股関節へ安定して乗りやすくなります。

股関節軸

物体の運動量(運動の激しさ)は力積で求められます。
厳密さを排除すると力積は「力とその力の作用時間を掛けあわせたもの『力 × 時間』」です。
つまり長い時間力を加えると物体はより加速していくんです。

大きな体重移動により拳に長い時間力を加えると強いパンチが打てます。

これを踏まえた上で再びチャップマン投手の投球に戻ります。

右の股関節を軸に身体全体を時計回りに回転させています。

左足を見てください。
地面から離れています。

先ほどの力積の話のようにボールをすぐに離してしまうとボールは加速させられません。

強くボールを動かすには長い時間力を加える、つまり長い距離を移動して力を加え続けるが必要になります。

左脚を上げているのは、左脚から右脚へ完全に体重を移動させ、長い距離ボールに力を加えていることにもなります。
強いパンチを打つならしっかりと体重を軸脚へ移す必要があります。

※中心軸は体重移動が小さくなります。

股関節外転

スタンスを広げるという記事でもお話しましたが、上げた脚を前へ広げると内転筋群が伸張されて伸張反射を起こします。

伸張反射によって使って股関節が軸脚に引き寄せられます。

同時に左の股関節の内旋筋群も収縮するので股関節が内旋し、骨盤がさらに強く回転させられます。

ワンツーは広げたスタンスを閉じながら打つのが理想的だと思います。

骨盤の時計回りによって伸張された大殿筋が伸張反射を起こしてブレーキ効果を起こします。

斜め軸回転

体重移動して股関節に完全に乗り込むと、左図の矢印の回転に合わせて上半身は斜めに回転します。

骨盤を回転させるとき、「肩を水平にする(上半身が傾かない)」よう指導されることがあるようですが、股関節の回転は斜めです。

ピンク色が股関節の軸です。

ピンクの軸に合わせて回転するので、肩のオレンジのラインは傾きます。

中心軸だと水平方向の回転になりますが、股関節の場合上半身の回転は斜め方向になります。

体幹主導による伸張反射

股関節の強力な伸展力を受け取った背骨も伸展します。

背骨の伸展によって肩甲骨が背骨側へスライドするので、胸が強い力で広げられます。

この瞬間に大胸筋の伸張反射が起こり強い力で収縮します。

股関節を主導とした肩甲骨の連動により起こされる末端の加速です。

詳しくは以下のリンクをご覧ください。

まとめ

股関節主導による全身運動、股関節軸による体重移動。

今回のチャップマン投手の動作は全てボクシングへ応用できるものです。
投球動作をボクシングのパンチへ組み込んでみてください。

パンチ力が上がったという方はコメントで教えてください。
励みになりますし、上手くいかない理由を考えて表現を変更できます。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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