井上尚弥 vs. ジェイソン・モロニー

選手分析
選手分析

井上選手強かった。
相手のモロニー選手もあの手この手で色んなことをやろうとしていたと感じました。

でも井上選手はナチュラルにというか普通に、何事もなかったかのような冷静さで対処していました。

今回は最後まで逃げず折れずに戦ったモロニー選手への敬意も込めて、僕なりにモロニー選手が何をしようとしていたのか考察してみます。

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モロニーの復習

以下の記事でも解説しましたがモロニー選手はKO率は高いですが、強いパンチで相手を倒すタイプの選手ではなく、固い守りと粘り強さを生かしてどちらかと言えば相手の良さを消してしまうスポイラータイプの選手です。

注意しなければならないのはもみ合いながらの接近戦です。
しつこく絡みついて相手の体力を奪います。

まずはモロニー選手が何をしようとして何をされていたのか考察していきます。

ジェイソン・モロニーは何をしようとした?

プレッシャーをかけようとした?

第一ラウンドはモロニー選手の自信を感じる立ち上がりでした。
足を止めて強いパンチも見せていまいた。
多分WBSSのロドリゲス選手とドネア選手がやったようにプレッシャーをかけて、井上選手を下がらせることでパワーを封じようとしたんだと思います。

ハードパンチャーに対して取られる戦術の一つです。
勇気が必要ですが、効果的なことが多いですね。

でもドネア選手を経験した井上選手は余裕で対処。
モロニー選手は危険を感じてなのか、立ち上がりの第一ラウンド以降は足を使って横に動き回るようになり、井上選手がプレッシャーをかける展開になりました。

プランAはプレッシャーをかけるって感じだったと思うんですが、たった3分でそれを潰された感じだと思います。

足を使って攪乱するプランBに移行しました。

左フック

モロニー選手はいきなり左フックをカウンターで合わせようとました。
これは失敗しましたが、その後のロープ際での左フックも僕にとっては印象的なパンチでした。
ドネア戦の怪我の再発を狙っていたのかなーと思いました。

右目を狙って左フックをもっと打ちたかったんだと思うんですが、モロニー選手は左フックに繋ぐジャブの段階で井上選手のバックステップによりフックの芽を摘まれてしまって、思うようにフックを打てなかったんじゃないかと思います。

僕が思うのは、今後の対戦相手はきっと井上選手の右目を狙ってくるだろうってことです。

ラフな接近戦

第一ラウンドからラフな接近戦をかなり積極的に狙っていました。
ただ既述のように井上選手の強打とカウンターでナチュラルに防がれていたんですよね。
ロドリゲス戦ではもっとしつこくやっていたんですけど、この試合では早めに切り上げて仕切り直していたので、想像以上に井上選手のパワーとスピードがあってそれを警戒したんだと思います。

この試合でもモロニー選手は露骨に腕を絡めてきてはいたんですが、井上選手はそれを力で跳ね返す感じではなく合気道みたいな身のこなしで簡単に回避していたんです。

3ラウンド以降はモロニー選手は手札全部切ってしまった感じで、表情も弱気に変わっていきました。
井上選手もこの段階でプレッシャーを強めて、モロニー選手は体力と集中力を削られていきました。
それでもなんとか闘志を保ってはいたんですが、6ラウンドに左のカウンターでダウンを奪われ弱気になってしまい、7ラウンドにはすこし腰の引けたワンツーに狙いすましたカウンターで止めを刺されてしまいました。

まとめ

モロニー選手はかなり試合の為に準備をしてきたのを感じました。
メンタルもしっかりと作り込んでいて、井上選手の強烈なパンチを受けても何とか精神面から崩れるのは防いでいました。

井上選手の右目を狙う左フックやラフな接近戦も狙っていたんだとは思います。
他にも常に動き回るフットワーク、単発にならず反撃を防ぐダブルジャブや固い守りなどモロニー選手の良さも出ていましたが、井上選手のボクシングがそれらをナチュラルに封じてしまいました。

井上選手もすごいパフォーマンスでしたが、あれだけボロボロにされながら7ラウンドまで立っていられたモロニー選手にも僕は驚かされました。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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