マイキー・ガルシアのジャブ解説 ワンツーに繋がる&強い理由

技術
技術選手分析

前回のゴロフキン選手に続いて今回はマイキー・ガルシア選手のジャブとワンツーについて分析してみたいと思います。
マイキー・ガルシア選手と言えばジャブとワンツー、左フックが思い出されます。
「世界一ワンツーが上手いんじゃない」と同じジムの細川バレンタイン選手と意見が一致しました。

プロの僕達から見て、そして他のチャンピオンと比較してもジャブとワンツーが優れています。
そのガルシア選手のジャブとワンツーの打ち方を分析していきます。

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ジャブ

リズム

ガルシア選手は前後のリズムがあります。
そしてジャブを打つ瞬間には「前後前後前前」みたいにリズムを変えてきます。
そして予備動作は殆どありません。
構えたところから真っすぐ飛んできます。

打つ前後での変化がほとんどないので相手は読めない、さらにリズムを変えてくるので無意識の意表を突かれてしまいます。

体幹の回旋動作

肩を入れるとか言われるジャブの打ち方だと思います。
実際に肩甲骨を外転(肩を内側へ入れる)させているかは分かりませんが、肩甲骨を外転させるとその分のリーチが得られます。

これは大きな動作ではなく目に見えない部分ではありますが、その分ジャブのリーチが増していると考えられ、またその確率は低くはないと思います。

あにジャブを打ちながら体幹を右回りに回旋して左肩を前へ突き出しています。
この動作で肩と体幹の回旋の分だけ距離を稼げますし肩の外転と体幹の回旋による大きなエネルギーの利用が考えられます。

またジャブを打ちながら右腕を引く動作はSSCになっています。
後述するワンツーの破壊力を上げる動作です。

頭をずらす

少し分かりにくいですが、大切なディフェンスの技術です。

上記の画像のようにジャブを打ちながら体幹を右回りに回旋させています。
その時頭を左へずらしてジャブの軌道上へ隠します。

頭をジャブの軌道上に置くのは僕も使うテクニックなので僕がこれを使う理由を説明します。
簡単に言うとジャブは相打ちを防ぐ、相手の右のカウンターを防ぐためです。
以下の図を見てください。

同時にジャブを打とうとした(誰がなんと言おうと)場面です。

ジャブの軌道上に頭部を置くとグローブが相手のジャブの顔面への軌道を防いでくれるので、相打ちを防いでくれます。

この場面も相手の選手はジャブでガルシア選手が踏み込んでくるのを妨害しましたが、頭をジャブの軌道に入れているのでこのパンチは当たりませんでした。

ジャブを外してバランスが崩れた相手に右のストレートを打ち込んでいきます。

ワンツー

相手から見るとジャブを放った瞬間は体は斜めになっています。

左ジャブで相手の隙を作り出して、SSCを使った動作を行う時間を稼ぎます。

画像から分かる通りガルシア選手は右腕を引いています。
腕を引くような動作はSSCになるので、伸張反射と腱の弾性により大きな力が発揮されます。

体幹を左肩をかなり後ろに位置するまで回転させています。
前後の画像を比較すると、140~150°くらいですかね。
かなり大きく回旋させています。

左の股関節を軸に左回りの大きな体幹の回旋を行っています。
股関節や胸椎と腰椎を上手く使って体幹の大きな可動域を実現しています。

ガルシア選手は右を振る時毎回大きな体幹の回旋を行っているわけではありません。
距離に合わせて左向きへの体幹の回転させる角度を合わせています。

相手の距離が近い場合に体幹の大きな回旋を行うとブレーキ効果が起こせません。

相手の距離に合わせてしっかりと角度を決めて体幹の運動を制止する必要があります。

ガルシア選手のパンチが強いのは大きな体幹の回旋も一つですが、パンチと相手との距離を合わせ、ブレーキ効果をしっかりと起こせる能力がとても高いことも一因だと言えると思います。

ガルシア選手の体はムキムキでもないのにパンチが強い、W級で戦える理由は卓越した技術と距離感があるからだと考えます。

まとめ

ガルシア選手のジャブが当たるのには理由がある。
そのジャブが当たるからその次に続くワンツーを強く当てることができる。

右ストレートを打つ時は大きな体幹の回旋があり、目標との距離に応じて回転させる角度を変化させている。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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