野木トレの恐怖、その先

トレーニング

野木トレーナーの階段トレーニングは知っている人は知っている走り込みのトレーニングです。
格闘技界では有名だと思います。
どれくらい辛い練習かっていうのがやったことない人には伝わらないんですが、今回は文章で伝えられればと思います。

本当に辛い練習で脱落する選手も少なからずいます。
でも一方で欠かさず参加している選手達は野木さんの都合で休みになった場合でも自主練を行います。
それはなぜかと言えば野木階段トレは勝利へと直結しているからです。
一度その味を占めたらもうやめられません。
僕はやめろと言われたってやめません。

何故このトレーニングを取り上げるかと言うと、「野木トレ」で検索している方がいたんです。
今回は5年前に初めて階段を走ったこと、そしてその階段トレが楽に感じる地獄の合宿の話もしたいと思います。

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初の野木トレ

僕が最初にこのトレーニングに参加したのは新人王優勝した後でした。
その時野木トレーナーには
「覚悟しておけ」
って言われたんですけど、あんまり深く考えず。何故か余裕だっていう根拠のない自信だけはありました。
内心は
「何を大袈裟な」
そう思っていました。

階段トレは階段の報復を全部で15~20本くらいなんですけど、僕は最初の一本目で「え?????」ってななりました。

めっちゃ足震えていたんです。
最後の5本くらいは這うようにして上がりました。
そして階段の後は3週間、筋肉痛でした。
1か月近い筋肉痛って想像できますか?
僕は最初怪我をしたんだと思ったほどです。

駅の階段も手すりにしがみつかないと降りられない、登れない。
これ、大袈裟じゃなく本当です。
完全な不審者なんですが、そうでもしないと階段を登れないんです。。
毎週土曜が憂鬱で前日の金曜日から気分がひどく落ち込むんです。
毎週うつ状態です。
今でこそ、きつい練習程喜ぶことができる「ドM」ですが、当時はどうやってサボろうか自問自答ばかりしていました。

走り込み合宿

合宿は想像を超える練習量でした。
「こんなにやったら壊れるよ」って言う練習量です。
でも壊れない。
野木トレーナーは壊れるギリギリを攻めます。
そうとうな経験がないと見極められない限界ギリギリのラインです。
そして絶大な信頼がないと着いていけない量です。
「やれ」、「やる」。
考える余地すら許されない信頼関係です。
野木トレーナーは選手とこれだけの信頼関係が築けるからこそ、多くの格闘家を惹きつけるんです。

内容

ざっくりと内容を紹介します。

合宿は一日3回練習します。
一つも甘い練習はありません。
朝練6時くらいから12、3キロ走ります。
野木トレーナーはタイムを図り、要所要所で隠れてペースをチェックしています。
時に野木トレーナーが原付で追いかけてきます。
妥協は一切許されません。

10時ぐらいにもう一度走る時もあれば、集中的なフィジカルトレーニングをやったりしました。
片道1時間くらいの登山もありました。
合間のトレーニングなので強度はある程度抑えていますが、朝の疲労もありかなり堪えます。

そして15時くらいに本当につらい走り込みです。
長距離だったり短距離だったり日によって違うんですけど、普通だったら壊れるって判断する量だと思います。
僕も野木トレーナーでなければ走らなかったと思います。
そこは信頼関係です。その時はやり切ることしか考えてませんでした。
走るときは山道の登りをひたすら15kmくらい。
時々20km走らされました。
70m走を70本とかもありましたね。
立幅跳び縛りで先の見えない道を飛び続けたり。
その後は当然フィジカルトレーニングもしました。

この3部連は7日間以上続きます

心理的限界を突き破る

2日目の時点でかなりの筋肉痛です。
3日目には階段を登るのが苦痛で、4日もすればトイレに座れなくなってきます。
痛みの度合いで言ったら筋肉痛を超えていて、怪我と言える痛みでした。
それでも休みはありません。
毎日同じようにタイムを測り、毎日同じような距離を走ります。
日に日に脚は固まって痙攣するようになっていきます。
歩くのも困難な肉体の状態を精神力で克服します。

だけど初めは「こんなにやったら壊れる」と感じていた僕は最後にはこう感じたんです。
やればできる」。
長野で走った時は一緒に走っていた賢哉が距離を測れる心拍系みたいなの装着していたので距離を測れたんですが、一日の走行距離が30km近く、日によっては40km、50kmを超えていました。
これを7日間毎日休まずこなします。

このトレーニングの話には続きがあって、本質はここからです。
野木トレーナーに対する「こんな練習量は狂っている」って恨みは、合宿が終われば「為せば成る」っていう確信に変わっているんです。

人の限界なんて自分で思っているようなところにはないんです。
野木トレーナーもそれを知ってほしかったんだと思います。
自分の限界を自分で決めてはいけない』と。

でもこれは人間の限界を知っていなければできません。
本当に壊れてしまったら意味がないんです。
高橋尚子選手のトレーニングに故小出監督と帯同した経験や海外での経験、色んなチャンピオンを育成した経験によって野木トレーナーのそれは培われているんだと思います。

認識が現実を変える

存在しない腕が痛んだり。目の前に存在しているのに見えなかったり。
脳の認識こそが僕たちの認識する現実です。

認識が変わると現実が捻じ曲がります。
人間ってもう無理て思ったところからさらに一歩、もうさらに一歩進めるんですよ。
だけど一人では絶対にあそこまでできなかったと思います。
あそこまでやれるっていう想像すらできなかったと思います。

始めは最後尾すら這いつくばって追いかけていた僕が、今では階段の先頭を走れるんです。
僕は最初、階段のトップを走る選手は天才なんだと思っていました。
だから勝てなくてもしょうがないと。

野木トレーナーのトレーニングで何が一番変わったかというと、心です。
やればできるっていう成功体験を沢山積ませてくれた。
努力は才能に勝るってことを教えてくれました。

今回は野木トレについてでした。
補足しておくと野木トレーナーは選手の感情を動かす原動力も与えてくれますが、同時にどうやれば強くなれるのかという具体的な方法も提示してくれます。
野木トレーナーとのトレーニングが僕のベースです。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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